SKI

プティ・オートルート ツアー99 行程記録

 「オートルート」と言う事で、何かガイドブックがある訳でもなく当初は何をどうしてよいやら、、、しかし初めて見たテレビ朝日「ニュース・ステーション」の特集でオートルートを見た時は「こんなあ〜とこあんの〜、いきて〜!!」っと、食い入るように見てました。
それからというもの、頭の片隅にはオートルートがあり、己の技術も上げるべく基礎スキーも始めたのでした。(オートルートにいく為に基礎スキーが必要と言う訳ではありません。あくまで私が技術を習得するべく取り組んだだけです)

 私のスキー感はいわいるゲレンデスキーから始まっていなく(25才の時初めてゲレンデに出ました)、子供の頃裏山に歩いて行って、食い物持ってどっかで食って1日「遊んでる、遊ばせてもらう遊びのスキーでした。(私のスキー暦) また別 に子供の頃から競技をやって行く子もいるでしょう。
こんな遊びをしてきたので、山の広さ、雄大さを感じられるオートルートに特に興味を持ちました。
 そんな処に、クラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュ さんとの出会い、オートルートに行ける事に。今回の初参加は通常の行程ではなく状況をみながら、ある区間ではありますがオートルートのコースに入って経験した記録を残します。
えらそうな事を書いているかもしれませんが、初心者の感想として読んで下さいませ。!
 各日の行程でトレ−ニング的な内容ではありましたが、充実したスケールの大きい「スキー」ができました。今回の経験を基に今度はホントのオートルートに行きたいと思っています。

 記録中にある写真の使用カメラは SONY Cyber-shot DSC-F2
 写 真画像編集は Color It! Plus R を使用しております。

日 付
行 程
宿 泊 地

4月17日(土)

日本出発。
アリタリア航空で、イタリアはミラノ、マルペンサ空港へ
空港から15分程のガララーテの街で宿泊

イタリア ガララ−テ

日本から、イタリアはミラノへ移動
 12時25分発アリタリア航空便にて、一路イタリアはミラノへ。 ツェルマットまで1人旅です。
今日はミラノから列車で30分程スイス寄りのガララーテと言う街まで移動となります。
機中隣席した方は母、娘さんで2人旅。この便はミラノ経由ローマ行きなので、ローマまで行くとの事でした。娘さんがイタリア語をノートに復習してお母さんに教えていました。
自分は親に何かしてたかな〜。?
 娘さんは普通ぽくて良い感じの方でした。そんなこんだで、お母さんと世間話しなんかして、ミラノはマルペンサ空港に17日PM5時55分着。リムジンバスで15分程、ガララーテ国鉄駅へ、そこから歩いて10分程のホテルへ。
3つ星ホテルの割には、シャワーのお湯が5分程しないと出ないのには困りましたが、今日はここで1泊。

4月18日(日)

列車でガララーテから、ツェルマットへ移動

ツェルマット

ガララーテから、ツェルマットへ移動
 7時起床、8時30分ホテル出。10時57分ガララーテ発のECでブリックまで行き、乗り換えしてツェルマットまで。
列車出発まで駅で日なたぼっこ。悪名高きイタリア国鉄が時間通り来るか見ていたり、地元の人々を見ていたり。ガララーテは田舎街でしょうか、どうかは分かりませんが人の動きはゆっくりしてましたね〜。日本人のような、とにかくラジコンのようなあくせくした様な感じはありませんでした。
 こうなると欲が出るもんで、イタリアにももうちょいと居たいな〜と。でも目的が違うのでまた今度。
マジョレ−湖を過ぎ国境、列車の中で入国チェック終え、ツェルマット行きの列車へ乗り換え。 車中英語を流暢に操る元気な日本人おじさんがいて、よく喋る人だな〜と。。。後で一緒のツアーになる方とは思いませんでした。
 スイスらしい車窓をみながら無事3時頃ツェルマット到着、この地域特有の電気カーが「ウイーン」と、かなり軽快に走っているな!、という印象でした。世界的な観光地にしてこの対応には脱帽です。
工事車両のエンジン車はありましたが、やはり排ガスの臭いがしないと言うのは爽快なものです。スイスでは渋滞時のアイドリング時にもエンジンを切って待つ所があるそうです。私もモータスポーツをしていて気にはしていますが、この国民的意識の違いを感じました。

 クラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュ さんは現地までの手段は自由に勝手に来て下さい!、です。現地の内容を重視する為、交通 手段は基本的にユーザにお任せ。極端的には、ファーストクラスで来ても構わないと言う事です。
ユニークです。鉄道運賃は安かったですし、おかげで旅が楽しいものに、またチョイト自身が付きました。

レンタル用具の選択
 着いて夕方5時、駅前でクラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュの河野さん、柿沼さんと待ち合わせしてレンタルするスキー用具の選択。 持参した用具はブーツ、ウエア。 ブーツは今回とりあえずいつも使っているアルペンスキーサロモンのデモモデルを使ってみる事にしました。
 スキー板は、サロモン「XーMountain185」、いわゆる山、オフピステ用。 かなり幅広でいかにも「浮くな!」ってな感じです。 形は今流行りのカービング的なシェイプ。自分がいつも使っている板もカービングタイプなので違和感なく楽しく使えました。
残念ながら日本国内では販売していないようです。楽しい板なんですけどね〜。 日本はブーム追求、利益追求でしょうから。 個人的にはガイド河野さんの使っていたサロモン「XーSCREAM」、オールラウンド用なので気に入りました。国内では、サロモンの次シーズンモデル用ですが、私なら山で使うにもこれを選択するでしょう。かなり面 白い板だと思います。(買いたい!)
 ビンディングはスイスのDIAMIRの物。 私はかなり気に入りました。兼用ビンディングなのですがゲレンデでの高速タ−ンでも信頼感ありましたし、歩く時も即時歩きモード、高さを変更でき山初心者の私でも全く問題なく使えました。 ゲレンデでも多くのスキーヤーが使っていましたし、ガイドさん言わくこちらのマウンテンガイド御用達!、だそうです。DIAMIRビンディングは石井スポーツに片隅に置かれていました。なにか認識の違いを感じました。
私も基礎スキー用以外に、サロモン「XーSCREAM」DIAMIR1セット欲しくなりました。これからの日本山スキーもこれではないでしょうか。!? オシャレにってね。!
 あとは、シール、スキーアイゼン、翌日にハ−ネス、ビーコンをかりました。
 ブーツは、スカルパ、ノルディカの兼用ブーツが良いようです。私もノルディカのブーツを試したみたんですが、歩く時のあの動きには感激きました。! 残念ながら国内販売はしてない様です。っが。?
あの石井スポーツでもないので。行く前に石井スポーツでコフラックのを試したのですが、どうしても納得いきませんでした

4月19日(月)

(プティ)オートルートに向けてツェルマットスキーエリアにて調整
シールを装着してのスキー登行やオフピステスキーの練習

ツェルマット

 さてここからやっとスキーのお話です。
この日からスキーエリアの移動手段を利用しながら、様々な場所でトレーニング的にオートルートでの必要な要素、雰囲気を経験して行く事になります。 ここで本当に山に入って良いのか?、入らない方が良いのか見極めて行く事にもなります。 まず初日はクラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュの河野さんにガイドして頂きました。
今日の同行者は河野さん、谷さん、ツアー同行者の山田さん、と私の4人です。
 ゲレンデマップ上での本日のコースはこちら

プティ・オートルート トレーニング スタート
 今日の起床時間6時、6時50分頃から朝食。時差ボケもありません。
8時45分にZETMATT駅前に集合。天気はまあまあ、ただ山状況は2月頃と変わらない感じ。例年になく雪が降ったようで河野さんも過去20年でも数える位 しかないと。ただ午後から雲が出始めるかな?、という状況。 と言う事で、当初予定していた山小屋2泊の予定も変更し、ZETMATTを基点にして行動できる範囲で経験を積む事になりました。

 午前 (写 真は、Breitforn 4164M, Liskamm 4527M, Monte Rosa 4634M 方面 を見る [SONY Cyber-shot DSC-F2]
 駅前からバスでゴンドラ乗り場へ。ゴンドラ、ロープウエイを乗り継ぎ、Kl.Matterhorn駅3820Mへ。 車中高度が上がるにつれ景色を見て「ん〜、凄い、広い、寒そ〜!」でした。東京から北海道へと言うような感じでした。 河野さんも言ってましたが、距離を「」に置き換えて考えた方が良いとの事でした。状況と調整を良〜く考えておかなければならない様です。
頂上駅に着いてさすが「体に酸素が足りないな〜」という感じ。滑り出しも「つめて〜!」。この状況の中で歩くのも体で覚えておかないと辛いだろうな、と思いました。 途中止まり、顔を日光に当てて暖めます。これも覚えておく一つの方テクニックでしょう。学習!学習!。
 2,3Km圧雪コースで足慣らし後、オフピステへ、FURI駅1864M地点まで降りるコースを選択して行きます。 
スキーをするのも約1ッ月ぶり、勘を取り戻しつつ下ります。雪面の状態も堅くなく、急斜面 も良い状態でフワフワと滑れますし、この時季でこんな状態はとてもラッキーなんでしょうね〜。よだれが出てしまいました。サロモンの幅広の板も良い感じです。 40分〜50分位 でしょうか、そのぐらい要してFURI駅まで下りてお茶休憩。今回はスキーも楽しみながらなのでビールを一杯、一杯でいいんです。これが「
うみゃ〜い!」。
その後昼食、メニューは「
ヤパニッシュ・メニュー」だったけか?、要は日本人向けメニューです。郷土料理各種よいとこ取りって感じ、知ってる人は知ってますかね。旨かったですよ〜お勧めです。

 午後
 腹もふくれた処で再度上へあがります。今度はマッターホルン方面 東壁を真下に眺めつつ THEODUL氷河へクレパスを確認しながら下ります。 最高の状態ウホウホでしたが、下半身の動きがチョイト固いですかね。それにしても見れば見る程不思議な山ですね〜、なんでこんな形状になるのか、ホント。
 それにしても長い距離滑ります。「オフピステこんなにやっていいの?」、という感じです。これをやる為に歩いて登る訳でもありますから、この感覚なやっぱり最高ですね。板が細かったら埋まりぎみになるでしょうから絶対ではありませんが面 白くないかな?、と思います。
(写真は、THEODUL氷河エリアにて。右側のシュプール見えますか。?
 [SONY Cyber-shot DSC-F2]
 それとあの静寂間!、人間なんてもんは、ちっちゃいなと感じました。余りにもスケール大きすぎるので、書き切れません。

 

 マッターホルン東壁を下った所で、板にシールを装着して登行練習です。「シールってこうなるんだ〜」っと、装着に時間がかかってしまいました。何と言ってもスキーでの登行は初心者でありますから 要領がいまひとつです。晴天ですから良いものの、悪天候の際には手がかじかむ様なので手早く装着できるようにしなければなりません。
 時間にして1時間に満たない登行、標高差にすれば数十M程度でしたが、ブーツもアルペン用と言う事でしなやかでないですし、時間が経つにつれ重く感じてきまして、慣れない事は疲れました。直線で進む事と、斜面 をジグザグに上がり、その中で切り返しのキックターンの練習です。
 この時、シールをエッジ部に掛けていた箇所があった為か、片方登る際エッジが効かなく横滑りを多くしていました。仕事を1つ1つ正確に終了させなければなりません。移動中にあれこれ手直しするのは良くないですし、やはりすべき事は移動の前に正確にです。

 写真は、登りきった岩壁下での撮影。
写真ではちょっと分りづらいですが、雲のところにマッターホルン東壁がみえます。丁度下にいる訳ですね。 夏場登山もできる訳でしょうが、やってみたい願望はあっても、ちゃんと経験積み、知識を学ばないと危険ですね、この岩肌を登っていくのは、そう改めて感じる一時でした。

 

 写真は登行練習を終え、マッターホルン東壁から北壁へ移動した所で東壁北壁を撮影したものです。 この辺で初日と言う事もあり、深雪深雪でだいぶ足に疲れが出ていました。もう後の深雪はちょっとヘロヘロで、何でもないとこでも止まる際ポテっと転けてしまいました。ブーツもそうですが、疲れない滑り方考えないと、と思いました。サロモン「XーMountain」の板と、DIAMIRビンディングに助けられた1日と言う感じでした。 本日の終了時刻は4時頃でした。

4月20日(火)

ガイドさんと合流
登山電車でゴルナ−グラード、ロープウェイ、ストックホルン駅を経由し、ストックホルン3532Mへ登行(約1時間弱)、登頂
登頂後、FINDEL氷河へ下りオフピステ。氷河脇を下り Blauherd 方面を経由してツェルマットへ戻る

ツェルマット

今日の起床6時(実質なぜか5時過ぎに起きていました?)、6時50分頃から朝食。
疲れとしては、やはり脹ら脛の痛みがあります。このブーツではしかたがないでしょうから、とりあえず筋肉が馴染むのを待つ事としました。 この日の予定はストックホルン 3532Mへ登頂しに行き、その後FINDEL氷河側へ深雪を探しながら下り、氷河横を抜けスネガの方から帰るという経路です。
8時20分にZETMATT駅前に集合、この時本日からガイドをお願いするフランツさんと合流。今日の同行者はガイドのフランツさん、クラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュの河野さん、谷さん、ツアー同行者山田さん、と私の5人です。
右写真は、左がガイドさん。右が同行者の山田さん。

 本日のコースはこちら

  まず昼食分をスーパーで購入。この日の天候は何か朝から優れません。上部も雲がかかったままです。登山電車で Gornergrat 駅3090Mへ移動します。スイスの登山電車に乗るといつも思うのですが、この技術にはただ感心させられます。グリンデルワルトからアイガーまでの登山電車に乗った際も、ただただ感心したものでした。

 Gornergrat 駅到着時には雪がパラパラと落ちてきましたが、視界はあります。そこからロープウエイを2つ乗り継ぎ Stockhorn 駅3405Mへ。ここから Stockhorn 3532M へシール、ビーコン、ハ−ネスを装着し登行開始。山の尾根を歩き、右手に Gorner(ゴルナ−)氷河、視界は悪いですが Monte Rosa, Liskamm, Breithorn を見ます。晴れていれば最高なんでしょうね。 写 真はその時撮影したものです。[SONY Cyber-shot DSC-F2]

 1時間程の登行時間を要して Stockhorn 到着、スキーを外して歩きで登頂します。この時私のブーツは通 常のアルペンスキー用でしたから岩場では滑りやすくとても不安でした。通 常のルートでも状況によっては歩くケースもある様ですから、兼用ブーツの方が良いですね。降りる時ちょっとですけど踏み外して滑り落ちてしまいましたから、、そん時二度と使いたくないと思いました。今回はトレーニングと言う事で。
Stockhorn 3532M登頂、狭い頂上で休憩、梅干しを持ち歩いていたんですがここで食べた梅干しは旨かった、かな?、晴れていなんでね。 でも登頂した時の気分は良いモンですね。癖になりそうです。
 下りは FINDEL氷河へ。この時私のスキーが滑らなく、ブレーキがかかった状態になってしまいました。原因は滑走面 が凍結していた箇所がありました。私としてはいつものゲレンデの延長上でいたのですが、シールを装着していた時、隙間の所が氷りついていた訳です。シール脱着時は確認し、氷り付いていれば剥ぎ落とし、温度差を戻してやらないといけないと言う訳です。学習学習!
 降りたエリアの新雪状態はバッチリ!!、かなり深い所もありましたが、それなりに楽しめました。6、7本滑れました。気持ち良かったですね〜、腹のそこから「サイコ〜!。写 真なんて撮ってる場合じゃない!」です。 その内、2回程転倒してしまいました。1回は風が強く当てられた所で表面 が硬い所で、不用意に入ったらエッジが取られてしまいました。そのまま1回転して事なきを得ましたが、2回目は急斜面 の変わり目でスピードオーバー、スキー先端がクロス、ドップリ深雪に。。。でも笑っていました。 1ターンづつしっかりやっつける気持で、の方がいいですね。
 FINDEL氷河の所まで降りると後はゲレンデコースへ抜けて行くだけです。途中氷河の末端部で昼食タイム、この時氷河が大分なくなっている事を聞き、見ると擂り鉢状態になっていました。このお話は別 のコ−ナにて。
Blauherd方面 へロープウエイを使い移動、途中お茶をしながらZERMATTへ下ります。休憩したお茶屋さん、晴れていたらZERMATTとマッターホルンが見えて最高だったんですがね〜。 本日の終了時刻は3時過ぎでした。明日の予定はショーンビエール山小屋まで登行、山小屋宿泊です。

4月21日(水)

ツェルマットを出発し、マッターホルン横、標高2694Mのショーンビエール小屋まで登行(約3時間)
小屋で1泊

ショーンビエール小屋

 今日の起床6時、6時50分頃から朝食。
今日も8時20分にZETMATT駅前に集合、今日の同行者はガイドのフランツさん、河野さん、ツアー同行者山田さん、と私とフランツさんのカナダの兄の知り合いの女性の方の5人です。
 
この日の予定は、ZERMATTからマッターホルン方向、テトブランシュ (Dent Blanche)4357M の手前、ショーンビエール小屋(Schonbielhutte)2694M まで予定では2、3時間の登行です。
天候は?、生憎の空模様です。ZERMATTの下部は雨でも降りそうです、と言う事は登行をする標高2000M上地域は霙または湿った雪、3000M上は雪といったところ。遂行は懸念されましたが、ガイドのフランツさんの判断で行ってみる事に。
 ルートの予定はこちら。赤線が21日行き、青線が22日帰りのコース。

 ロープウエイを使い、Schwarzsee駅2583M まで行きましたが、雪はシンシンと降っていて止みそうにもありません。風がないのが幸いです。河野さんは何も見えないし、小屋迄上がっても楽しくないのでは?、という事で遂行を止めた方が良いのでは?、との考えを持っていたようですが、上がって駄 目だったら宿泊せず引き返してくることで、とりあえず進む事に。
マッターホルン北壁下まで来てゲレンデコースとはお別 れ、と言っても雪で何も見えませんが、ここからツムツト (Zmutt)氷河沿いに登行開始です。10時40分、約2200M地点です。
 登行した斜面 はそれ程きつくはありませんでしたが、シンシンと降る湿った雪でウエアが重く感じてくるのと、徐々に上がって行くにつれ視界がなくなってきて、これにはちょっと困りました。 上下左右の区別 が分からなくなってきたのです。そこが雪面なのか落ちているのか?、空なのか起伏があるのが分からない、本当に分からなくなるもんですね。 深刻ではなかったのですが、平衡感覚が乱れてきて、頭がクラクラしました、と同時にやはり足取りが悪くなるんですね、まだ体力的には大丈夫なはずなんですが。 河野さんが「ホワイトアウトで気持ち悪くなると嘔吐するケースもある。氷河の中だと氷河の青色でも助けられる」との事でした。気持ちが分かります。 ポツポツ見える岩や、前の人を見ながら平衡感覚をチェックしました。
晴れていればマッターホルンを左手に見ながらなので、元気も湧くのでしょうが、思いのほかしんどい登行となりましたが、でも良い経験ができました。

 ショーンビエール小屋までの最後の1時間は辛かったですね〜、斜度で40度弱あったとは思うんですが、地図で確認すると 2100M 行って 200M 上がるようです。 皆この小屋に来る時はここでへばるようです。途中軽い雪崩があった所も横切るので早く上がってと言われたのですが、なかなか思うように足が進みませんでした。小屋が見えているんですがね。
同行したカナダの女性は脚力ありましたね〜、キックターンなんかの技術的なものはまだまだだった様ですが、外国人パワーを見せつけられました。

 2時過ぎ小屋に到着、3時間弱要しました。早い人だとZERMATTから1時間で来るとか、、、驚異です。
さて何も見えないので引き返すかどうか?、私としては山小屋を体験したかったですし、宿泊をお願いしました。山小屋のクオリティもよく落ち着きますし、何もせず思い思いのことをしながらゆっく〜〜り体を休めました。
そうこうして5時30分頃でしたか、雲がとれてきました。! 目前にマッターホルン西壁がドオーンっと、今日留まって良かったです。っと。! 写 真は、雲がかかって見え隠れしていた時と、晴れた時のもの。カメラの中に納めると小さいのが残念です。やはり実物を見た方が良いですね。!

   

Matterhorn 4476M ←曇り時 と 晴れた時→  [SONY Cyber-shot DSC-F2]

 カメラを持ち出してカシャカシャやるのは日本人だけかと思いましたが、「晴れたよ〜見えるよ〜」と教えてくれたのは同行したカナダ人女性でした。他のツアー客も続いてゾロゾロと、良いモンはやっぱり良いモンなんですね。! 私の持参したデジタルスチルカメラが好評でした。皆さん好奇心旺盛です。ちなみに私はJ?Cの社員ですがね。。。。 その間にも向山から来たツアーが7時前までに3組程来ました。
「いや〜良かった良かった」の後はワインで一杯やりながら宿泊客皆で食事。就寝までの間、ガイドのフランツさんの弟さんのアンドレさんから、昔の山岳ガイド始まりの事、ZERMATT村ができた当時の事など色々教えて頂きました。これも山小屋ならではの事でしょう。 1泊の短い練習ツアーですが、一応の達成感もありますし良い経験となりました。
 この日は10時過ぎ頃に寝床につきました。寝心地は悪くありません。石小屋のせいか寒くはないですし、毛布2枚くらいでゆっくり休めました。便所に行く為のライトを枕元に置いてぐっすりです。  ZZzzz....

4月22日(木)

朝ショーンビエール小屋を出発し、マッターホルン西壁 Tiefmatten 氷河をダン・デラン山方面へ登行(約1時間弱)
登りきった所から
、マッターホルンの西壁と北壁を見ながら、ツェルマットの村まで標高差の1800Mのスキー滑走

ツェルマット

 本日の帰りのルートはこちら。滑り降りるだけです。 その前に Tiefmatten 氷河を、Dent.d Herens山 4171M 方面へ少し登行する計画です。

 朝は7時起床、寝起きは爽快でした。昨晩一緒に居た他のグループはもう既に出発していました。山小屋の朝は早いです。 ここからの目的地によって出発時間がある訳ですね。テトブランシュ (Dent Blanche)を越え、10時間位要して次の小屋まででしたら朝2時起き、テトブランシュ (Dent Blanche)登るんでしたら5時起きでした。 5時頃便所に起きたら準備をしている組がありました。 隣に寝てた人は6時前頃ごそごそ出て行きました。私達はその他、戻るだけですからゆっくりと、です。
 と言う事で、私達は7時30分迄に食事を済ませ、8時出発迄に出す物を出し(下品でした)準備です。

 左下の写真にあるように、とても綺麗で爽快でした。昨日の天気はどこえやらで、風も少なくとても静かで穏やかでした。 雲がかかっていますが、こんな時下界の方では「あ〜、雲が〜」と言ってるんでしょうね。! とにかく最高でした。

 さて8時過ぎ、準備も終え出発です。 まずは下の氷河の方に滑りおります。表面 が硬くなった上にうっすらと雪があって、そこを大きな山に囲まれながら シュリ−ン、シュリ−ン っと滑って行きます。 「気持ちえ〜〜!」っと叫びはしませんでしたが、気分はそんな感じです。
降り切った所で、シールを装着し
Tiefmatten 氷河を、Dent.d Herens山に登行開始です。 この時9時過ぎでしたが、かなり暑かったです。ウエアも帽子もグローブもしまいました。
 シ〜〜ンとしていて、時々氷河が崩れる音がするくらい、今日は天気が良いので景色を眺めながら歩けます。少しづつ山に近づくにつれ、今度はその氷河の荒々しさを感じました。

 

ショーンビエール小屋の寝室です。
綺麗ですよね、ゆっくりできました。

朝のマッターホルン、ツェルマット側を撮りました。
泊まった者しか見れない。!写 真で出しちゃ意味ない?
[SONY Cyber-shot DSC-F2]

 
登行約1時間程を要して、行ける範囲の所まで到着。とは言っても氷河の上。ガイドのフランツさんが雪面 下部の状態を調べます。クレパスなんかがあると、スキーを外しブーツで立った時に「スポン!」っと言う事も。?!
クラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュの河野さんからも、「こんな所でスキー、シールを外す時はまず片足のスキー、シールを外してから、ブーツで立つ」と言う事を教えて頂きました。 ですからこうゆう所は危険地帯であるので、いくら眺めが良くても長居は無用と言う訳です。
 

Tiefmatten 氷河

ショーンビエール小屋から、登って来た所です。どうでしょうか?、良い天気ですね。帰りはここから滑って降りて行きます。

[SONY Cyber-shot DSC-F2]

 

Matterhorn 西壁

Tiefmatten氷河上部迄来た所から見たMatterhorn 西壁です。右に見えるチョコンと出ている所は「ライオンの頭」と言うそうです

[SONY Cyber-shot DSC-F2]
 
帰りは昨日登行開始した地点まで、滑りおります。余りにも早く降りましたので余り書く事はありません。なにせ20分もかからないで降りてしまいましたので、、、行きにあんなに苦労したのに。雪の上の交通 手段としてスキーはホントに効率良いんですね。改めて感じました。
 途中マッターホルン北壁下部を通 るのですが、上を見上げれば氷河の壁がデデ−ンっと、あれが落ちてきたら、、、と思うとぞっとします。その下部、雪崩があった場所があったのですが、スキーで通 ると「カチン、カチン」と音がします。そうです、雪ではなくて氷り状の物でした。規模は小さかったと思うのですが、こんなのに出会ったらひとたまりもないでしょう。
ルートの中、幾ら綺麗でも何でも、危険箇所はなるべく早く通 過する認識を持っておくべきでしょう。

 さて、あっという間に降りて来て、おしまい。歩いてマッターホルン北壁東壁の見えるお茶家迄、世間話をしながらビールを一杯。!旨い。!(結構良い場所でした)
その後 Furi駅迄まで降りて、ガイドのフランツさんとお別れ。 私達はツアー同行者の山田さんの要望でゲレンデの方を2、3本滑ろうと言う事で上部に上がります。滑る前に Trockener Steg駅(2939M)で昼食。ここのレストランでは「世界一高い所で本格ピザが食べられる」が売り文句だそうです。
適当に降りて来て、終了時間は、3時過ぎでしたか。貴重な2日間でした。

4月23日(金)

天候予備日
イタリア、チェルビ二ア方面 でスキー、およびツェルマットのスキーエリアを案内して頂く

ツェルマット

 さて、事実上スキーをする最終日。この日は天候予備日でもありました。ですので今日は純粋にスキーを楽しんでみると言う事になりました。 目的地はイタリア側チェルヴィ二アです。

 朝9時30分頃集合し、Kl.Matterhorn駅(3820M)を経てイタリア側へ、ですが私はちょっとしたミスをしてしまいました。今日はオフに入らないだろうから、ウエアの上着はどうしようかと思った結果 、ザックに入れても荷物になるだけなので置いて行って、フリースで下にシャツ1枚多く着て行く事にしたのですが、Kl.Matterhorn駅は 3820M、寒いです。下に降りれば問題ないのですが、ちょっと判断ミスでした。 私のウエアは4、5年前の厚手の物だったので融通 が効きませんね。上は薄手の生地の物で、中で調整できるようにした方が良いと思いました。
朝遅くした理由は河野さんの配慮で、朝早く出てもこの時季、状況から圧雪ゲレンデはカチンカチンになっているだけ。お日様が出て暖まって表面 の2、3CM柔らかくなった所、いわゆる春雪っぽくなった所をシュイシュイっと滑ろうと言う事です。

 さてKl.Matterhorn駅からイタリア側へ。いっきに最下部まで滑ります。標高差1800M、距離にして約16KM、20分ちょい、小技ターンはしません、疲れるだけです。 中ターンから大回りで行きます。上はカリカリバーンですが、下に行くにつれサクサクになりシュワシュワになります。 日本のスキー場ですと、「板に乗ってるかな?どうかな?」と言うのが数ターンの中で「ん〜」と言うが多いんですが、これだけ距離があるとゆっくり大きく確認できて、楽しめて良いですね〜。最高でした。 コースはこちらで、赤が1本目、緑が2本目です。
 下迄降りて、お茶です。カプチーノでも飲んでゆっくり休みます。

2本目、てっぺん迄登り、また下まで一直線!、標高差1500M、距離にして約12KM、20分ちょい、何も考えず景色を楽しみながら高速クルージングです。 下迄降りて昼食、スパゲッティにビール、ピザにエスプレッソ、食事を満喫しました。

Matterhorn 南壁

これで、Matterhornを東西南北から見た事になります。!

外に出るとイタリア側はシーズンも終わりでゴーストタウン化していました。

これでイタリアは終わり、「もう終わり?」と言われる方もいるかもしれませんが、これでも十分でした。条件が合えば上部でオフも楽しめる訳ですし。
 これでツェルマット側へ戻る為に上部に上がった時刻は2時頃でした。1日でしたらこんな楽しみ方もアリ?では。

 あとはツェルマット迄まっしぐら、オフも入れて貰いながら長〜〜〜い距離を降ります。ツェルマット下部へ着いた時間は3時頃でした。これで本日終わり。 どうでしょ〜、十分じゃないですか。? 3本しか降りてないですけど。
個人的には、「楽しめたな〜!」と言う感じです。 雪を楽しむ、距離を感じる、これをゆっくり噛み締めながら、コースに自身がないのであれば、その日の状況を含め把握してもらう為にガイドさんを付けてみるもの良いでしょう。安いモンだと思いますよ、ホント。! お勧めします。 

 これで、私の今回の「プティ・オートルート」ツアーは終了です。「スキー」と言うスポーツを満喫できたと思います。思う存分遊ばせて貰いました、良い山でした。暫くまたおさらばです。

4月24日(土)

朝ツェルマットを出発し、列車にてイタリア、マルペンサ空港へ移動。アリタリア航空便で帰途。

機内

 なぜか来る時よりも、帰りの荷物が多くなった訳ですが、家を留守にして手ぶらで帰る訳にはいきません。次の機会の為にも。! 来た路をまた1人で帰ります。ツェルマット駅発7時18分、イタリアはマルペンサ空港を14時15分発です。
 朝は5時起き、鳥がピーチクパーチク鳴いてるんですね、暫く忘れていた音です。 子供、田舎に居た頃は朝鳥の鳴き声で起こされたもんです。うるさくて寝てられないんですね、目覚ましが要らないくらい。 この1週間久しぶりの体験をした気がします。 人間らしい生活できて良かった!良かった!。
朝風呂入って準備して、朝食すまして、、、この日は生憎朝から雨、荷物を搬入してる人しかいない通 りを駅へ。 電動カーってのはこんな時、ほんと気分を邪魔してくれなくて良いですね。これでエンジン車でも「ブオ〜」っと走っていたら、ア〜アっと思うでしょうね。 朝は静かな方が良いです。!
 暫くまたおさらばです。

 駅に行って列車に乗って、帰りの車窓を見ていると、来る時は雪一面 だったのがもうありません。緑一色へっと言う状態です。 羊の放牧が始まっていたり。 スイスはホント良い国ですね(色んな意味で、良くない処もあるでしょうが)、これだけ各国から観光客が入る国、自分の国の良さをキチンと把握しているというか、変な乱開発している所あまり見かけた事ないですよね、どこかの国も見習ってもらいたいもんです。せっかく良い部分の文化もってるんですから。
 一つどこの国でも同じなのかな?、っと思ったのは、下の町に通 学する中学生位の男の子かな?、列車の中でたばこをプカスカ、喫煙席だったので吸う席は間違いないのですが、限度があるでしょ!、っと。 車掌さんに注意されるも、お構いなし。 私の前にいた老人夫婦も「仕方がない」という表情。他のお客も同様。 仕方がないのかな。?

 そんなこんだで、列車を乗り継ぎ帰路へ。
乗り継ぎの際、ヨーロッパのホームって低いですよね、そしてホームとホームの間を枕木で渡れるようになっている箇所があるかと思います。 急いでいて其処を渡ろうとしたら注意されました。いい加減な駅はそうでもなかったのですが、国境手前の駅では注意されました。「山から降りて来て、ここで事故にでもあったらどうします。?」と言うような事を車掌さんに注意されました。
いかにも渡れそうですが皆さんも注意致しましょう。! 列車が通 過する時も場内アナウンスは基本的にありませんから。

 無事マルペンサ空港着。
帰りの飛行機の中へ、、、温泉帰りのバスの中のようでした。! 日本おばちゃんパワーをここでも見る事ができました。イヤースゴイスゴイ。! ピーチクパーチク。。。。

4月25日(日)

日本帰国

 

 と、言う事で帰ってきました。 また仕事して資金ためて楽しも〜ッと。!

 いかがで、ありましたでしょうか。? 「オートルート」初参加の体験記と言う事で読んで頂ければと思います。
今回お世話になりましたクラブ・ドウ・バカンス・モンター二ュ さん、ありがとうございました。良いスキーをさせて貰いました。また楽しみに行けたらと思います。

 皆さんにも、色んな人にも、是非体験してみては?、と思います。ガイドブックにはない面 白さがあると私は思います。 その参考体験記とでもなれば幸いです。 何かありましたら、e-mail またはホームページ「らくがきコーナー」へ。

 今回掲載した写真は SONY Cyber-shot DSC-F2 での物だけですが、他に通常のカメラで撮ったものもあります。なかなか!、の写 真もありますので随時ご紹介できていけたらと思っています。(スキャナー買おうかな〜、どなたか要らないのあったら譲って下さいませ)


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