一日に一個のりんごは医者を遠ざける(イギリス)
一日一個のりんごで医者いらず、寝る前のりんごで医者がやせ細り、とも。しかし、昔は一日一個のりんごを食べるのは不可能だったのではないか、とも言われますが…
毎日のりんご一個は医者の費用を節約できる(スペイン)
上に同じ。
赤いりんごは虫食いりんご(ブルガリア)
真っ赤に熟れているように見えるりんごは、かえって中が虫に食われて腐っていることがある。美貌の女性でも心が腐っていることがある。
赤いりんごと敵の友情を信じるな(タジキスタン)
外見だけで判断するな。
赤いりんごだが、芯は虫食い(ウクライナ)
見た目ばかり良い。
綺麗なりんご、中に虫(エストニア)
外見の美しい人は、隠れたところに人を傷つけるものをもっていることがあるということ。女性に用いられることが多い(う~ん)。日本の「綺麗なバラには刺がある」と似た意味。
りんごは木から遠くへは落ちず(フィンランド)
親より飛びぬけた上出来の子供はいない。「蛙の子は蛙」に近い。
りんごの実はりんごの木から遠くへは転がらない(リトアニア)
子供たちは多くの点で両親によく似ている。
りんごの実はりんごの木から遠くへは落ちない
(ラトヴィア、チェコ/スロヴァキア)
子供は親に似るものだ、血統は争えない。上に同じ。
こういうりんごの木でこういうりんご(タタール)
親に似た子である。
りんごはりんごの木の近くに落ちる(ロシア)
子供に親の欠点が現れる。子供を見れば親がわかるの意。ここまでは他の国と似ているが、ロシアでは非難の言葉。
りんごの木から遠くへりんごは落ちない(モルドビン)
部分は全体の枠を出ない。
りんごの木は根に虫がいると萎える(ラトヴィア)
夫と妻の間にわだかまりがあると、家庭は崩壊するというたとえ。
アダムが野生りんごを食い、わしらの歯がうく(ウクライナ)
他人のせいでとばっちりを受ける。責任転嫁。
赤きりんごに投石する者あとを絶たず(トルコ)
投石するのはりんごを落とすため。赤く熟しているからこそ石を投げられる。「出る杭は打たれる」の意。
まるいものすべてがりんごというわけではない(ジプシーのことわざ)
食えないもの、食えない奴もいる。
良いりんごはよく糞の上に落ちる(ナイジェリア)
いい人は早死にするものだ。お悔やみの言葉(すごいお悔やみの言葉かも…)。
赤く熟した良いりんごでも、糞の上に落ちては誰も食べてはくれない。それと同じようにどんなにいい人でも早く死んでしまえば残念であるということらしい。熟したりんごが落果するように、いい人ほど早死してしまうものだということか。
<参考文献>
「世界ことわざ大事典」柴田武、谷川俊太郎、矢川澄子編、大修館書店(1997)
「世界の故事・名言・ことわざ総解説」三浦一郎他著、自由国民社(1996)
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