オリコンウィークリー
記事の紹介です。 デビュー2周年記念表紙&インタビュー ((株)オリジナルコンフィデンス,1993.7.19発行) |
インタビュアー(真鍋公彦氏)
「もはや今現在,CMソングは最初からタイアップで作られるのが常識。
しかし,カルピスソーダのCMに流れるQlairの歌声は,3月に『SPRING LOVER大作戦』をリリースした後にオファーがあった…というのだ, ”ぜひこの曲をCMに使いたい”と。広く一般の人にQlairを知ってもらう またとないチャンス,そして7月7日にデビュー3年目を迎えた彼女たちの 新たなスタート&応援し続けてくれたファンへのスペシャルプログラム--- として,『SPRING〜』がバージョンアップして戻ってきた!題して『SUMMER LOVER大作戦』(←結構そのまんま(^o^)),さらなる可能性を求めて グルーヴ感溢れるゴキゲンなナンバーがこの夏を駆け抜けるっ!!」 ●自分の”臭い”を持てていれば何でも出来るんじゃない?
吉田亜紀
−ここ最近の自分の変化って,自分でもスゴイ!とか思っちゃうでしょ。
−逆に,そうした自分の指向性と,Qlairの世界観にギャップを感じることは吉田 んー,スゴイ(^o^) ただ,昔から今みたいな気持ちはあったんですけど,ただ 踏み切れなくて,そのたまってたぶんが今バン!って出せて,その部分が仕事 でも生かせてくるっていうかね。 ない? 吉田 ううん,それは全然ない。なんかさりげなくね,自分の思ってることがなんとなく 入って来てる気がするんですよ。 −「SPRING LOVER大作戦」があのタイミングでバン!って来たり。 吉田 やー,もう待ってました!ってカンジでしたよね。とくに歌詞的な部分でそうですし ね。曲調もそうですけど。 −別段,アクセスしたワケじゃなかったんだよね? 吉田 ってゆーか,そーゆーふうに見えたんでしょうね。私がそーゆーカンジなんだな, ってスタッフに。 −「SUMMER LOVER大作戦」のリリースにはビックリしなかった? 吉田 ううん,ってゆーかね,「SPRING〜」で曲をもらってレコーディングしてて, ”さあこの曲が歌えるんだ!”って,すごくワクワクしてたんですよ。その想いが, 割とライヴツアーの中だけで終わっちゃってね,テレビとかでもそんなに歌わな かったし。 −不完全燃焼って言うとアレだけど。 吉田 そうそうそう,全然ねえ,”このすごいあり余った期待感をどこにぶつけたら いいんだろう!?”っていうくらいの状況だったから,それはちょうどいいなあって。 −そうした”変化”に直接的な,最大の影響を与えたことって何だったのかな? 吉田 ん−−……いちばん大きかったのは,やっぱり(今年の正月の)ニューヨークの 旅行かしら。芸能界って世界はやっぱり華やかで,ついついいちばんエライ 世界なのかと思っちゃったりするじゃないですか---別に威張ったりはしません けど(^o^) だけどなんかむこうに一週間位いたら,”あ,自分なんか全然大した コトない”って。自分がほんとに,ホコリ位小っちゃい存在になれた時,なんで 日本でへんに自信ってゆーか余裕なんか持ってたんだろう?ってはずかしく なっちゃって。 −それを踏まえて,3年目へのヴィジョンっていうのはどんなカンジなのかな? 吉田 そーだな…私はなんか,その場に出されたモノをとにかく消化するってタイプ なんで,”どーゆーコトをやるか?”っていうよりも,自分らしさが大事だな,って こと。うん---平均的なのもヤだし,かといって過激ってワケじゃないけど, なんかひとつ,自分の”臭い”を持つってゆーの? そうーゆーのがあれば何でも 出来るんじゃないかと思って。だから今っていうのは,それを確認する時期なん じゃないかな? ●今後の方向性がパンッ!って”色”で見えてきました
井ノ部裕子
−2年間のなかで,自分自身のターニングポイントになったことって何かな?
井ノ部 1stコンサート…かなあ? なんか,自分の中には”こうしたいぞ”とかいっぱい あったんだけど,思うとおり自分を操れない気持ちの弱さとかそーゆーモノに ね,なんか愕然としちゃって。その時から半年位,すごいドツボのカンジだったん ですよ。 −傍から見てるとわかんなかったけどなあ。 井ノ部 出ないんですよ。あんまり外に。その次は,ビデオの撮影でニュージーランドへ 行って,それから暮れのコンサート。あれでもう,なんか決定的な自分ていう のが---世界観みたいなのとか,やりたいこととかがはっきりパンッ!って, ”色”で出てきて。 −7月7日のライヴパーティーで披露した自作曲とか,そこに含まれるワケだ。 井ノ部 うん,やっぱりそのニュージーランドへ行って帰ってきたあたりから,割と ポロポロとメロディが浮かんできて。どこだっけかな…春の,大宮かどこかの ライヴでワンコーラス分だけ歌ったんですよ,アカペラで。その時に詞はワン コーラス分しか書いてなかったんだけど,みんなの前で歌ったことで自分の中に ”続きをやらなきゃ”みたいのが割と出て来て,じゃあちょっと形にしてみよう かな?と思って。詞とかは書いてて,すごい鈴木祥子さんの世界に影響受けて るなと自分でも思ったけど(^o^) −将来的には,その部分ってのを成長させて行きたい…って考えていいわけ? 井ノ部 ってゆーかね,なんて言うんでしょうね---そーゆーふうになっちゃうと,ずるい 言い方かもしれないけど”書かなきゃいけない”っていう義務感に追われちゃっ て,出来なかった時にすごく大変だと思うんですね。だからそーゆーんじゃな くて,たとえば自分がどうしても聴いてほしいメロディとか言いたいことが出てき て,それが作品として出せる形であるんだったら,自信を持って出したいなとは 思うけど。もともと趣味で始めたことだったんですよ。なんとなく,Qlairと同時 進行で。それがなんか,自分のやりたい方向性を決定付けてくれたって気は しますけどね,うん。 −Qlairでの話に戻るけど,「SUMMER LOVER大作戦」という今回のスペシャル・ プログラムに対する感想などは? 井ノ部 「SPRING LOVER大作戦」の前あたりまで,”Qlairの音楽性ってだいたいこうだ よね”っていうふうに見られてた部分ってすごくあったんですよね。以前は自分 たちでも”自分たちの路線を守ろう”とした部分があったし。でも今は,なんか どんなことをしてても3人が集まればそれがQlairなんだ,ってのが私の中にはあるし,多分他の2人にもあると思うんですよ。今回は,その「SPRING〜 」を カバーするってことになってますけど---こーゆーグループがあってもいい でしょう?(^o^) Qlairの出来ることの幅が広がった気がするしね。 ●ファン以外の評価が形になったのは大きいですね
今井佐知子
−丸2年やってきて,他の2人に対する印象とかって変化した? 今井 ん−…なんかね,こう,家族よりも家族以上に毎日接してるから,まわりがいろいろ言うほどは感じない。 −じゃ,自分自身はどう? 今井 なんか最初のころはすごい,歌に対してプレッシャーを感じてたっていうのが あって。それまでは何を歌うにしても主旋律を歌ってたから,そーゆー面で ”歌は楽しいもんだ”って思ってたんですけど,Qlairを組むようになってからは 低音パートを任せられて,それに対してすごいプレッシャーを感じちゃったん ですよね。なんか”支えなきゃいけないパートだ”って,自分にプレッシャーかけ てたような---でも今は,そーゆーのがホントに楽になったっていうか。 −いつ頃からそういう考えに変化したの? 今井 シングルで言えば「眩しくて」,アルバムで言えば「CITRON」あたり。”任されて る”っていうよりも”低音パートは自分にしか歌えないんだな”みたいな,そこまで 自信を持って歌えるようになったっていうか。 −Qlairってモノに対する世界観っていうか,バランスみたいなモノは今井さんが 一番明確に持ってるような気がするんだけど。 今井 あ,そうですか?そう言われるほど私は意識は,うん。 −でも,3人のバランスとかすごく気を使ってるよね。性格だろうけどさ(^o^) 今井 あ,それはね(^o^) −インタビューでも,最初に答えを切り出してたじゃない。コレはもう,100% 確実。 今井 それはもう,ホントにね,まわりのスタッフにも言われるし,正直言っちゃうとね, ”間”がダメだったんですよね(^o^) −沈黙に耐えられない系。 今井 うん,だからまとまりがついてないのにしゃべりはじめちゃって,支離滅裂なコト 言っちゃったりっていうのがあったんですけど,テレビとかでもあとで見返した時 に”あー,こーゆーコトをしていくと自分に対してマイナスだな”と。結構まわりも ハラハラして聞いていたりね。かなり意識的になおしたんですけど,最近は成り 行きにまかせられるようになりましたね,ようやく。 −「SUMMER LOVER大作戦」がCMで使われたっていうコトに対しては? 今井 大きいですよね〜,”音楽を使いたい”って話が来たことって。いままでって ファンの人中心の評価しか聞こえて来なかったんですよね。でもこの2年目に してそーゆー話をいただいた時に,やっぱりすごく嬉しかったですね。 −3年目に対するスタイルは? 今井 そうですね,歌で言えばちょっとしっとり系の表情モノを,じっくりと---自分の 声質とかも考えながら。あとはQlairから離れたところで演技のほうもね,さわり 程度でも徐々にやっていきたいですね,うん。 以上です。インタビュー,文ともに今回も真鍋氏ですね。 Qlairのあゆみを見守り続けてらしたんですね。 この後の歴史を知ってて改めて読むと,感慨深いものがあります。 これまで保ってた世界を壊したいような発言がそこかしこに出て来てきて ますね…。あと1年でも2年でも,Qlairっていう”帰るところ”を残しておいて ほしかったなぁ,っていうのは贅沢でしょうか。 でも,それぞれの求める方向性をきちんと発言できているのは, やはり3人ともしっかりしてるなぁ,と思います。 (亜紀ちゃんはさほど語ってないかな?) ('98.11.10)
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