第一話:私の選ぶ新潟弁ベストスリー


 新潟って所は最近ではどうだか知らないけど、昔はそれはそれは田舎だと思われていたもんです。高校の修学旅行で京都に行ったら、「新潟にはデパートってあるんですか?」なんて聞かれたりね。調子に乗って「え、デパートって何ですか?」なんて言って顰蹙買いましたけど。

 今でも誤解されているのは「雪」ですね。いつも雪のシーズンには出ますね、テレビに。でもあれ新潟市じゃないんです。山間部には降りますけど。新潟の地図みてください。新潟市は丁度マゾが島じゃなかった、佐渡が島の陰にかくれてるんで降らないんです、はい。

 さて、そんな新潟ですが、新潟弁ありますよ。何とも言えない微妙なアクセントとかね。

聞くたびに感心するベスト1は、「あちさん」です。

第一位:あちさん

これは、「よそのひと」という意味に使います。幼児語ですね。親が小さな子に向かって、「これはあちさんのだからさわっちゃダメよ」などといいます。これを第一位に選んだ理由は、その合理性にあります。強いて標準語の単語に当てはめれば「他人」ということになりますが、そのニュアンスはあくまで「よそのひと」です。つまり、名詞プラス助詞プラス名詞でやっと表現される事が、たった一つの単語、4音節に凝縮され、しかも敬称まで付いている!

第二位:なじだね〜、なじらね〜

これは、「いかがですか?」の意。

 八百屋のおばちゃんが客に向かって「トマト、なじらね〜」と勧めます。また、久しぶりにあった友人が、「なじらね〜?」と来れば「私とあなたは随分会っていなかったが、その間に病気をしたり、宝くじや車に当たったり、奥さんに逃げられたり、逮捕されたりしませんでしたか?」という深い意味があります。初対面の人なら大阪弁の「もうかりまっか〜〜」みたいなニュアンスもあります。

高校二年のある日、新潟の繁華街、古町を歩いていたら、いるいる、モルモン教のの布教をする外人さん。「アナタハ〜〜カミヲ〜〜シンジマスカ〜〜」やってますね。

つかつかと歩み寄った私の友人、「なじだね〜〜?」「???」外人さん目を白黒。友人めげずに「なじらね〜〜?」「????」首をかしげる外人。友人ますます大きい声で「な〜じ〜だ〜ね〜〜?」わかりました、とばかり大きくうなづくモルモン教徒、ぐっと腕をあげると腕時計を見つめ「ハ〜〜イ、イマ〜2ジ〜50プンデ〜ス〜!!」

(註)私はこんな嫌味なことはしませんでしたよ。

第三位:かける

 この部分は、実は新潟のひとに読んでもらいたい。はいはいそこのあんにゃ、おめさん(おまえさん)の事だがね。

 おめさんが、ずっとずっと標準語だと思っていた、「かける」これは新潟でしか通じねえんだてば。よそで使うと大恥かくすけね!

 学校で授業中に先生が生徒を指名しますね、それを「かける」というのです。新潟では。

「算数の時間に先生にかけられて困ったれ〜」などと使います。

 新潟の人達、今、あなたはびっくりしてますね、標準語じゃないと知って。

でもこれ、漢字ではどう書くんでしょう?ちゃんと「かける?」なんちゃって。知っている人、教えてください。

次点:あたける

これは懐かしい響です。子供があばれたり、ふざけたりすることです。「先生、丸山君が休み時間にあたけていました。」なんてしょっちゅう告げ口されたなあ。


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