今回は招待状をいただいたこともあり、やはりハーロック作品ともなればいやが上にもいろいろ気になるこの作品、しかも滅多にない機会とあって、この日はなんとか仕事に都合をつけわざわざ早退して観に行きました。
私が会場についたのは開場時間の30分くらい前だったと思いますが、既に扉の前には開場を待つ人たちの長蛇の列でした。
このハーロック作品の試写会にはどういう人が来ているのか興味もあったので早々と開場前に並んで待っている人々を見てみると、やはりいかにもアニメが好きそうな(いうなればちょっとオタクっぽい?)人もいましたが、ほとんど普通の人というか会社員とか学生とかいう感じで、一見傍からみたら、一体何の集まりなのか全くわからない感じでした。
勿論、コスプレしている人もいませんでしたね。
正直、ハーロックとかアニメ作品を鑑賞しにきていることと結びつかない雰囲気とでもいうか、普通の洋画などを劇場へ観に来ている人たちの顔ぶれのようだなぁと思いました。
皆当然この作品に興味がある人たちが大半で観に来ていると思うのですが、 待っている間、少なくとも私がいたところではハーロックに関しての会話は周囲から何故か全く聞こえてこなかったのもちょっと不思議な気もしてしまいました。
後で、トークショーの時の司会者の話で今日来ている人のほとんどが30代、50代の人が多いと言ってましたが(40代は?)恐らくお父さんの方がファンなのか中高生くらいの子供と親子連れで来ている人、夫婦で来ている人、一人で来られたらしい年配のおばさんもいました。
結構昔のハーロックは知らないかもしれない世代の若い学生さんもいましたね。
それから、こういうハーロックの作品を観にくる人は女性の方が多いのではと思っていたのですが、実際来ている方は男性の姿がもとても多かったのが思わずへぇ〜と思ってしまいました。
男女半々かもしかしたら男性の方が多かったかもしれません。
ハーロックやこの作品は男性にもこれだけ興味を持たれているんだなと実感しました。
さて、入場した後、開始時間になると、 スクリーンの前に女性司会者が出てきて、松本零士氏とりんたろう氏を紹介すると、観客の拍手に迎えられお二人が登場。
やはり今回の作品では一旦制作が中止になったことはほとんどの参加者が知っていることを見越して、二人の確執についての釈明というか話題をあえてしていました。
松本零士氏もりんたろう氏もそれは友達同士でやる中のケンカみたいなもので、大したことじゃないんだよ、ということをことさらに強調していました。
零士氏が語るところによると、999の時も激しくぶつかって(あれ?「宇宙海賊キャプテンハーロック」の時だけじゃなく「999」でもだったんでしょうか…?)、りん氏はカンカンに怒ってしまったので、零士氏はもう映像にならないんじゃないのかなぁと心配していると、ちゃんとこちらの言ったことが見事に映像の中に組みこんでくれていたなんてことが前にも度々あったんだということでした。
ところで、今回の作品について−
りん氏によると、昔の「宇宙海賊キャプテンハーロック」は子供向けだったので、今回は、大人向けの作品にしようということでやっていった。
そして、どちらかというとストーリー(内容)よりもハーロックというキャラクターそのものに重点をおいて作ったということでした。
今回のスタッフは皆全員ハーロックファンで、自分の方が昔のことなんで忘れていることが多く、そういうスタッフに「こうだったじゃないですか」と言われることもあったと語っていました。
やはりハーロックというキャラクターそのものへの人気が高いということはりん氏は今までの沢山のファンの反応からも非常に感じられていたようでした。
りん氏は、ハーロックについて、前にアニメ関係のイベントに招待されイタリアに行った時に、ハーロックを製作した人間ということで、会場に大勢の黒だかりのファンが待っていて、サイン攻めにあい、海外でもハーロックは熱烈な人気があることを実感したそうです。
海賊ということも全世界に通じるものがあるのでは、ということでした。
それを受けて零士氏は、以前例のドクロマーク入りの帽子を被って飛行機に乗っていたら、外国人にそのマークは好きだと言われたというエピソードを語りました。
ドクロマークとは骨となっても戦うという信念の象徴であって、決して地雷原や危険地帯にあるような意味ではないんだということを改めて話されていました。
それから、零士氏からは前にダフトパンクが自宅を訪ねてくれたときのことの話もでました。
彼らがキャプテンハーロックをTVで観たのは5歳の時で、彼らのパパとママもハーロックを知っている。
だから、零士氏への訪問を両親も応援してくれていたんだそうです。
さて、注目の零士氏の今回の新作ハーロックの感想は、絵が技術が進んでとても綺麗なものになっている、りん氏ならではのもう一つのハーロックの世界ですね、ということでした。
この短い感想の中にこのトークショーの後に上映される本編の出来や印象が既にもうわかるような気がしました。
それから、ハーロックといえば、ということで司会者の方から実写版についての話題がふられました。
零士氏が語るところによると、ハーロック役は零士氏が若い俳優さんを希望したそうです。
「スターウォーズ」などでもわかるように年月が経てば人間はどんどん年をとってしまう。
ハーロックはできるだけ年と取らせたくないから、ということでした。
(しかし現実の人間だったら今若くてもやっぱり年を取るんじゃ?!と思いましたが…。)
女優さんはやはりイメージに合った人を選びたいので、是非自分もその場に立ち合わせて欲しいとお願いしているらしいです。
トチロー役は、やはり日本人にして欲しいという注文を出してあるとのこと。
「自分じゃダメか?」と言ったが、さすがに年を取られていることもあり、断られたとちょっと冗談っぽく(?)話されていました。
有紀螢役とかヤッタラン役とかおっしゃっていたところをみると、おなじみのクルーが実写版でも登場するということでしょうか。
何にせよ、話の内容や感じからして零士氏も原作者ということからも興味を持って立ち会われているらしいですね。
それに、話も今のところ具体的に進んでいることがうかがえました。
ところで、このトークショーで感じたことといえば、やはり!といいますか、零士氏はよくしゃべられていましたね〜。
話が長くなるというのは参加者の誰もが予想していたと思いますが、零士氏自身もご自分でおっしゃっていました。
司会者がそこまで聞いていないことでも自ら話題をどんどん膨らませて話続けるので、ゲストにはもう一人りん氏もいるのに当然こちらはあまりしゃべる時間がなくてちょっとかわいそうだったんじゃ?とも思いました。
司会者の方もそれを事前に心得ていたらしく途中に半ば強引にりん氏に話題をふったりしてこの人も大変だなぁと思ってましたが、それでも全体的にりん氏より零士氏の話を聞いている時間の方がはるかに多かったです。
しかし、そういうりん氏は零士氏が話している間一体どうするだろうと見ていたら、それが終始ニコニコして興味深そうにずっと耳を傾けていたので、(失礼ながらかなり意外な気がしつつ)うーん大人だなぁ…と正直思ってしまいました。
ただ、ハーロックやミーくんやトリさんのモデルのエピソードなど、昔から聞いたことのある話は多かったのですが、内容はやはり面白かったし、特に初めて聞く人にとってはとても興味深い話ばかりだったと思います。
それから、大体予想はしていましたが、ここでは触れてもしょうがないことだったのか、あえて触れなかったのかキャラクターの声や声優さんについての話題は一切ありませんでした。
キャラクターに命を吹き込む役者の存在も大きいと思いますし、 昔のハーロックを知る人も多く気にして関心を持っているファンも結構いると思うんですが…。
井上真樹夫氏のハーロックがなんだか無視されているようでちょっと寂しい気がしてしまったのが正直なところです。
このトークショーは大体30分か40分くらいだったでしょうか。
この作品やハーロックについての話だったので語りつくせぬうちにあっという間に時間が経ってしまったという感じでした。
やはり当り障りない話で表面だけをすくって進められた内容だったなぁと思います。
だから話の内容は興味深く聞いてしまうものばかりでしたが、どこか肩すかしをくらわされたような印象がありました。
その後、すぐ本編1、2話を立て続けに上映となり、鑑賞してきたわけですが、やはりいろんなことを感じました。
会場に来て観ていた他の人の反応や雰囲気から何となく伝わってくるものがありましたが、各地の試写で観た人、発売されたDVDで観た人、それぞれの他の方はこの作品をどう感じたのか…私自身さまざまな思いがあっただけにとても興味のあるところです。
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