VoCE(講談社)2007年6月号が「髪から美人になる全10章」という髪特集です。 サイドパートの長い前髪は、「スピード感をもたらすので、顔立ちにシャープさが生まれる」(p.49) モデルの田中玲さんのヘアケアは、「マイナス要因を抑える」という発想だそうです。 110ページからは、「痛い髪型 賢い髪型」という記事ですが、 4人のモデル全員をよりきつい茶髪にして髪に手を入れまくっています。 ぼくの感覚からすると、ほとんどの場合、美容師が手を入れる前の方がずっと好印象です。 232ページからは、「古今東西 髪の事件簿」という記事です。 花王ビューティケア研究センターの佐藤氏が、 「(平安時代の女性は)付け毛、足し毛をしていた」(p.234) としています。現実のロングヘア女性を見ていない人に良くある誤解ですね。 知花くららさん(2006ミスユニバース2位)は、次のように語っています。 「日本では、髪の量を調整してわざと少なくしたりするじゃないですか? (中略)だけど欧米では、ふわーっと後ろに流れる豊かな髪がセクシーだとされているんですよね。 だから、毛量のある黒髪をとても羨ましがられたのが印象的でした。」(p.240) 普通に考えれば、豊かな髪は美と健康の象徴ですから、 短いのに毛先の痩せた髪が流行している現代の日本は、ちょっとずれていると思います。 (もちろん、美容業界からすれば、こういっった感覚を持つぼく(達)の方がずれているわけですが(笑)。) 258ページからは「あなたの思いこみ髪質にNO!」という記事です。 「レイヤーを入れるとカットした断面が斜めになり、 まっすぐにカットしたときより面積が広くなります。 つまり、それだけタンパク質が流れ出る面が広く傷みやすくなる」 「セニングシザーですきすぎたり、レザーで削るようにすいてしまうと大変です」 とレイヤーがいかに髪にダメージを与えるかを指摘しています。 まるでロングヘアマガジンのレイヤー批判記事みたいです(笑)。 でも、シャギー・レイヤーでないヘアスタイルを推奨しないところが、商業誌の限界です。 カラーリングは髪にダメージを与えることもそれなりに指摘していますが、 カラーリングはやめよう、という記事を書かないのも商業誌の限界です。 なお、VoCEは次の号がもうすぐ発売になります。[2007/05/21 21:33:17]