記事タイトル:ロングヘア・長い黒髪は見る人に不快感・違和感を与える、という言い方 |
(半年くらい前に書いていたものですが、「書き込みが少ないときに掲載しよう」 と思っていたら、日本では黒髪の女性が増えてきたらしく、 時代に合わなくなっているかもしれませんが、せっかく書いたので掲載します。) 「ロングヘア・長い黒髪は見る人に不快感や違和感を与える」 という言い方をされて傷ついた、これを理由にして髪を切るように・ 髪を染めるように言われた、という話を時々聞きます。 手入れをしていない髪ならともかく、きちんと手入れしてまとめるべき時には まとめている髪にそんなことを言われるのは理不尽です。 就業規則についても、 >見苦しい等の単なる主観的な理由による規律は許されません。 (労働相談Q&A) とされていて、 「ロングヘア・長い黒髪は見る人に不快感や違和感を与える」 という主観的な理由でもって他人の外見を自分あるいは周囲の気に入るような ものにするよう要求することは許されないことだと思います。 シンガポールの民族構成は中国系が8割を占めていますが、中国人国家では なく、民族間の対等が原則で、他の民族の文化・宗教の尊重と理解と寛容が 重視されています。少数派であっても、マレー系(イスラム教徒)の女性は 職場でも学校でもスカーフをかぶり、インド系の女性はサリーをまとって 歩いています。 太ももまで、膝まで、あるいは膝丈を超える超ロングヘアの女性達も長い髪を 隠すことなく生活しています。 特にぼくが大切だと思ったのは、「寛容の精神」です。他の民族のことを 理解できればそれにこしたことはありませんが、現実には全てを理解 できるはずがありません。しかし理解できなくても寛容の精神があれば不要な 対立や不信感を生むことなく共存できます。少数民族に対し多数民族(日本民族)への 同化を求めていく日本とは全く違う発想です。 日本人は、日本は単一民族国家で、日本人なら価値観や道徳心も共通だという 思い込みをしていることがあるのではないでしょうか?そこから、 日本人の中の趣味・価値観における少数派に対する偏見やバッシングが 生まれるのかもしれません。 本来は黒髪(または黒に近い髪色)なのに、髪を染めることが圧倒的多数に なると黒髪の人を異端視し、短い髪が圧倒的に流行していると長い髪の 女性をバッシングするのは、少数派に対して多数派への同化を求める行為です。 日本でも、少数派を寛容する精神が当たり前の時代が早く訪れてほしいものです。
[2004/03/14 10:22:29]