環境への負荷や皮膚炎の可能性の低さについては石鹸は優れていると思います。ぼく自身、ボディシャンプーでかぶれた経験もあって、身体を洗う時には石鹸を愛用しています。
しかし、石鹸シャンプーは髪がきしんだりして洗い上がりに満足できない、使いこなしが難しい、という人もいます(当然ながら、うまく使いこなしておられる方もたくさんいらっしゃいます)。また、髪は本来弱酸性であるのに対し、石鹸はアルカリ性に大きく傾いていて、アルカリによる髪へのダメージを指摘する意見もあります([2004/02/02]石鹸シャンプーは髪を傷める?参照)。さらに、大メーカー製の一般のシャンプーでは一度もかぶれたことがない人が石鹸シャンプーでかぶれる、という例もあり、石鹸シャンプーなら安全、とは言い切れません。
万人にお勧め、というシャンプーは、一般のシャンプーにも石鹸シャンプーにも存在しないと思います。従って、ロングヘアマガジンとしては、特定のシャンプー剤をサイトとして推薦する、ということは行いません。
また、石鹸作成は強アルカリを使う非常に危険な行為で、化学の知識のない人が安易に手を出すことは推奨できません(2002/05/19 椿油のシャンプーバーについて(強アルカリの危険性)参照)。石鹸づくりに使われる苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は、国によっては劇薬として市販禁止になっています。安全性を考え、ロングヘアマガジン掲示板に、石鹸手作りの話題を書き込むのはお控えいただけるようお願いします。
石鹸は人類が最初に化学合成した合成界面活性剤であり、他の洗剤を「合成洗剤」、石鹸を「自然」と区別するのは科学的観点からは違和感を感じます。天然の界面活性剤は、石鹸発明以前に洗剤として使われていた植物に含まれています。
石鹸シャンプーに反対しているのではありません。ぼくは、一般のシャンプーでかぶれる人にとっては石鹸シャンプーがよい選択肢になると思っていますし、そういった人には石鹸シャンプーを試すことを勧めています。また、ロングヘアマガジンのシャンプーの仕方の写真付解説でも石鹸シャンプーと一般のシャンプーとを同列に扱っており、石鹸シャンプー派のための情報も提供しています。
なお、石鹸販売を行っておられる方へのお願いですが、個人の製造販売であれ販売代理店としてであれ、サイト内で許可なく石鹸シャンプーの宣伝・販売またはその類似行為を行うこと(サンプルの無償提供を含む)はメンバー規約の禁止事項に触れますのでお控え下さい。