漢方には、「医食同源」「薬食同源」という考えがあります。そこから、漢方薬を料理に融合させたものが薬膳です。本来、薬膳自体が漢方薬ですから、専門家の処方に従って摂るべきものです。しかし、薬膳で使われる漢方材料は、特殊なものばかりではなく、馴染み深い食材も数多くあります。
漢方の処方は、いくつもの材料を組み合わせてはじめて薬効(および異作用を抑える効果)が得られるもので、髪によいとされる個々の食材を勝手に組み合わせたからと言って、薬膳になるものではありません。しかし、漢方や薬膳に関する専門的な知識がなくても、髪によい食べ物を摂り、髪によくない食べ物を控えることは、健康で美しい髪をつくるための基本となるでしょう。
そこで、今回はまず、薬膳で用いられる髪によい食材を紹介してみます。なお、ぼくは漢方の専門家ではありませんので、漢方関係の通俗解説書からの知識であることをお断りしておきます。
1 髪に悪い食べ物
張・竹内著「漢方食美容法」(山海堂)には、酒類・レモン・ニンニク・唐辛子が挙げられています。ニンニクは抜け毛や、艶を失ったりする作用があるようです。
輸入レモンは防腐剤・防かび剤・防虫剤が使用されていますので、髪以外にも健康には有害でしょうね。ぼくはレモンは国産と分っているもの以外は食べません。
2 髪によい食べ物
「漢方食美容法」と「一日薬膳」(多摩川新聞社)共通にあげられているものとして、黒ゴマ・クルミがあります。
「漢方食美容法」に挙げられているものは、昆布・小麦・生姜・シソ・山芋・椎茸・タケノコ・ハトムギ・ユリの根・ラッキョウなどです。
「一日薬膳」に挙げられているものは、緑黄色野菜、栗、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、黒くわい、ナツメ、プルーン、ぶどう、豚の腎臓、貝類、なまこ、えび、カニ、サザエ、ウナギ、スッポン、乳製品、クコなどです。
「一日薬膳」に挙げられている黒豆、黒ゴマなどの色の黒い食材は、「神農本草経」などで生命力を活性化する食材として挙げられているようです。黒豆、黒ゴマに、黒米、黒松の実、黒カリンを加えたものを「黒五」と呼ぶようで、「黒五入りそば」や、「黒五入り黒すりごま」というのが商品として売られています。「黒五入り黒すりごま」は、香ばしくて、そのまま食べてもおいしいです。ぼくはおやつがわりに食べたりしています。発売元は、
大盛食品株式会社(福岡市南区清水4-8-31 電話092-541-4031)
です。以前、TVで、黒ゴマで白髪が消える、などというのをやっていたので、自分の白髪で実験しているのですが、効果は???です。
なお、薬膳に限らず漢方薬は、体質によって処方が変わるものですから、本格的にやるのなら、専門家に相談するのがよいでしょう。
[1999/06/05]