青糖舎
SHAMAN
彼岸と比岸を結ぶその長き髪
黒の流れはうねりながら
深遠な謎に満ちた河のように
その純潔は
神への供物
ひとの身でありながら
ひとの心を持つことは許されず
独り叶わぬ想いに身を焦がす
神の花嫁と呼ばれ
巫女と呼ばれ
ただひとり乙女は
夜ごと髪を櫛けずる
誰に告げることもないままに
ただ髪だけが伸びてゆく
長く長く身の丈よりも長く
漆黒の闇は
届かぬ想いを宿して
夜は深さを増してゆく
乙女の心そのままに
(2004/10/27 投稿)
背景素材:Atelier Little Eden様