☆2月24日・後楽園ホール

▽日本ストロー級タイトルマッチ10回戦

○チャンピオン 星野敬太郎 VS ● 挑戦者1位  鈴木 誠

TKO9回15秒

 

[Mario's scorecard ]

星野

10

10

9

9

10

10

10

10

78

鈴木

9

10

10

10

9

9

9

10

76

by mario kumekawa

 96年8月に星野敬太朗が横山啓介から王座を奪取した時は、正直「出来すぎ」

とも思った。だが、星野はその後もどんどん安定感を増し、いよいよ見ごたえの

あるチャンピオンになってきた。

 今回はパンチのある指名挑戦者鈴木を迎えた星野だが、完全にスピードと技巧

で圧倒、自信満々の試合運びで快勝した。

 

 星野の武器は、スピードに加え、ノーモーションでパンチが打てることだ。

パンチを出す直前までまったく気配を発しないため、次に出るパンチが右なの

か左なのか、目を凝らしていても(少なくとも僕には)まったく予測できない。

巧いインファイターの鈴木も、立ち上がりなかなか接近できず、とまどったとこ

ろを突然飛んでくる左右ストレートでびしびし叩かれる。

 

 事態を打破するため、鈴木は3回から強引にテンポアップ。一応は接近に成功

し、星野の顔面に数発フックを決めた。だが、このハイテンポは4回までしか

もたなかった。5回には鈴木はペースダウン、再び星野のカウンターが試合を

支配し始める。本来のスピードには大きな差があるため、鈴木のハイテンポが

続かなくなった時点で試合はワンサイドになっていった。

 

 6回には右カウンターで鈴木のヒザを落とさせ、ダウン寸前に追い込んだ星

野は時折軽くスイッチしながら自在に試合を運ぶ。7回にはラッシュをしかけ

る。ノー・スタンディグ・カウント・ルールでなければ、レフェリーはダウン

を取っていただろう(本来の主旨からいけば、これでストップなのだが)。

 

 8回、鈴木のパンチで星野は右目上を切り、ややリズムが乱れた。だが、続

く9回、右で鈴木を大きくぐらつかせると連打。ここでレフェリーがストップ

した。

 

 星野は、「スパーリングをよくやってもらっている」というロッキー・リンを

のぞけば、日本に強敵は見当たらなくなってきた。今ノッている時期なだけに、

適切なマッチメークで上を狙う力をつけてもらいたいところだ。