10月 |
じゅうがつ |
10月9日(土) 御礼 ソロ・ピアノat代々木NARU 昨晩(10/8)、東京にある老舗ジャズクラブ、代々木NARUで、お店の55周年記念ということで、ソロ・ピアノのライヴを行いました。メモリアルなライヴだったので、今回は書き残しておこうと思います。 おでかけいただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。 思いのほかに多くの方に足をお運びいただき、緊急事態宣言明け、久しぶりに外食、お酒を飲まれた方も多くいらっしゃったかと思います。私もなんだかものすごく久しぶりの雰囲気の中で演奏させていただきました。 このコロナ禍で、家で真面目にピアノの練習をする時間も増えましたが、今回、久しぶりにソロピアノで演奏するにあたり、私にしては珍しく3日前くらいから演奏する曲を考え始め、練習をしたり、シュミレーションをしたりしました。 ついでに言えば、実はいつになく緊張していた私です。前夜から胃が動かなくなりましたから(苦笑)。もっとも本番当日は家のピアノはまったく触らずにお店に入りましたが。 かくて、昨晩は、前半と後半、異なるプログラムで演奏しました。 前半は「NARUに捧げる」ということで、1986年~1987年頃からお世話になっているNARUへの思いを込めた曲を演奏しました。その頃、私は御茶ノ水NARUと代々木NARU、両方で一週間に4回くらいは演奏していたかと思います。私が新宿ピットインの朝の部で演奏し始めた頃のことです。ちなみに、こうした曲を私がソロで演奏するのは、かなりレアです(笑)。 1 Nardis 2 Monk's mood 3 Imagine 4 Alone Together 5 A single petal of rose 1曲目は当時御茶ノ水NARUの店長をしていた小峯さんに感謝をこめて。現在、小峯さんは柏で「Nardis」というジャズのライヴハウスを経営されています。M.Davisが作曲したと言われていますが、本人は演奏を残しておらず、B.Evansの演奏で有名な曲。 2曲目はお茶の水、代々木、それぞれで出会い、今日に至るまで私の演奏をよく飽きずに聴き続けてくださっていると思わずにはいられない大切なお客様というかもはや友人たちと、やはりちょうど30年前に出会った調律師・辻さんに、感謝をこめて。ちなみに、私の一番最初のCDはソロ・ピアノで、その時のピアノの調律をしてくださったのが辻さん。また、そのCDにこの曲は収められています。 3曲目は、やはりお客様で、当時、御茶ノ水の方によく来てくださっていた戦争カメラマン・遠藤さんのことを思って。先日もアフガンからアメリカ軍が撤退した際、いち早く日本人として現地での取材報告を行った人です。彼はいつも決まってイーグルスの「Desperado」をリクエストしていたことを言い添えて。 4曲目は、この歌の歌詞の最後は「We can weather the great unknown, if We're alone together」なのですが、これにこじつけて(苦笑)、故成田さん(創業者)と美沙子さん(代々木NARUのママ)、現在は息子さんのヒロ君(お茶の水)と美沙子さん、ひいては、御茶ノ水と代々木、が「Alone Together」ということで、これまでの感謝の気持ちを捧げました。 ちなみに、「weather」は天気(名詞)ですが、動詞には「困難などを乗り切る」という意味があることを、たいへん恥ずかしながら、私は初めて知りました。いくつになっても学ぶことはあると思い知った次第。 5曲目はD.Ellingtonがエリザベス女王に捧げたという曲を、美紗子さんに。 後半は「大切な人に捧げる」ということで、この数年大切な人を亡くされた方たちへ、また空の上にいる人たちに思いを馳せて、1曲だけピアソラの曲を差し挟みましたが、私が作った曲を演奏しました。「with you」に始まり、「without you」で終わることに決めて。最後の曲を演奏しながら、自らが泣きそうになった時は、まだまだ修業が足りないと思った私です(苦笑)。 1 with you 2 Tears 3 おきな草のうた 4 忘却~傷ついた羽(仮題) 5 遠い呼び声 6 without you EC 海へきなさい アンコール的に最後にお送りした曲は、来月、代々木NARUに初めて出演する歌手・小林貴子さんに加わっていただき、2人で演奏しました。ちなみに、日にちは11月26日(金)、小林さんと私、コントラバス奏者の佐藤きりんさんと3人でのライヴになります。 振り返れば、よくも、まあ、ここまで、この指と耳で生きてきたなあと思わずにはいられません。 そして、ひとりぼっちで演奏すること。これはとても大切なことだとあらためて思いました。とってもさみしいけど、ね(笑)。 この指や耳が衰えない前に、この仕事からリタイアする前に、いい状態のピアノで、いい響きのホールで、ピアノソロで演奏してみたいという欲が湧いていますが、さて、どうしましょう?(笑) 追記 代々木NARUでのライヴは去年12月以来の私でしたが、久しぶりにジャズクラブで演奏しているという雰囲気を味わいました。演奏中、水を流す音やコップ、お皿の音が聞こえてくるという環境でした。そうした音が聞こえてくるたびに、私はB.Evansの名盤を思い出しながらがむばりました(苦笑)。 でも、次回、11月のときは、お店にちょっとお願いするつもりです。 |