記事タイトル:アレルギーのときの対応について 


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お名前: 都筑 功   
中川美穂子 様

 お忙しい中を、こんなにも即座にお答えを下さり、どうもありがとう
ございました。
 おっしゃること、よくわかりました。たしかにそう思います。
 やはり専門家であるからこそ、このように確信をもって答えることが
できるのですね。研修会で質問されたときには、たじろいでしまいま
した。9月に、先生からいただいたお答えをもとに、回答したいと思いま
す。
 学校飼育動物の話は、環境教育の話の中ではメインではなかった
のですが、意外と質問が集中し、小学校現場のニーズが相変わらず
高いことを改めて感じさせられました。

 また、今後ともよろしくお願いいたします。
 
[2003/08/25 18:22:19]

お名前: 中川美穂子   
都築先生、お忙しそうですね、

 アレルギーへの対応についての 一般的な注意については
 「みんなで育てよう学校飼育動物」にも書いたのですが、

 どなたにも当てはまる回答など、ないと思います、
気をつけるべきは
 どの程度のアレルギーか、
 なにに対するアレルギーか、
 そして、本当にアレルギーか、

を自分で知ることだと思います、それが生きる力を培います、つまり、怖い物か
ら闇雲に逃げるのではなく、冷静に見つめて、どのようにしたら、危険を回避で
きるかを 知ることです。

また、単に親がアレルギーを怖がっていることもあり、その場合、できたらアレルギー
検査で確かめてから 子どもの「触りたい欲求」をみながら、あるいは育てながら、よ
り大きな効果を期待して、触れ合わせることになります。この時点で、動物を遠ざけれ
ば大きな効果を失うことを親も含めて考慮すべきです。
 あの春の花粉の時期、アレルゲンを回避できないため、みな、自分で調子をと
りながら町を歩いているでしょう。それを思い出させるべきです。

しかし、命にかかわることがあるアナフィラキシーショックに対する知識を得ておく
ことは重要です。その症状の現れ方などをよく覚えておき、その場合、原因が動物であ
ろうと、食べ物であろうと、漂う匂いであろうと、ワクチン接種であろうと 何か他の
ものであろうと
 すぐに危険な症状だとしって、対応することが肝心です。
 つまり 青い顔をして気持ち悪くなったり、ぐんにゃりと元気がなくなったり、
吐いたり、血便したりなどが一番怖い症状です。また呼吸が苦しくになるときもあ
ります。すぐに医師のところに駆けつけるべきです。救急車です。

しかし、これが現れる頻度は非常にまれなのですから、そのまれを恐れ
て子どもに何もさせないのは、子どもに何も体験を与えないということだと理解
してます、
 アナフィラキシーは、アレルゲンに触ってから数分から15分くらい
に発現します。アトピーなど、何かにアレルギーの子が動物に接触したとき、
心配でも 触ってから40分しても何もなれければ大丈夫です。


ジャンガリアンハムスターに何回かかまれていた人が、ある時かまれて これを起こした
人が、1991年以来散発的に報告されています。おかしいと思って直ぐに、救急車で病院
に駆けつけて、助かっています。かまれないようにすることと、かまれたら40分くらい
は観察しておくと良いでしょう。
今のところ、ジャンガリアンによる報告のようです。
アレルギー体質の人は、咬まれないようにしてください、

優しく咬まないように育てるか、咬む気性のハムスターは飼わないか
アレルギー体質の人にはさわらせないほうが良いでしょう。
どうしても触りたいときは、この体質の人は、
 素手ではなく、軍手に台所用の丈夫なゴム手袋をして、手に乗せましょう、

なお、
 いくらひどいアレルギーの人でも、何かに触ったとたんに死んでしまうことは
ありません。自分の体質を知って、危険回避の方法を知っておくことが必要です。


まれな事例のこの危険性より
 よほど道路を歩かせておく方が危険だろうと、思います

また、動物との接触が楽しければアレルギーの影響は少なくなるときがありま
す。心理が内分泌に結構大きな影響力を持ちます、。
また、アレルギーの治療に わざと毎日アレルゲンを少しつづ与えることも行わ
れてます。減感作療法です。

 だから、一概に恐れるのではなく、冷静にどの程度のアレルギーかを、観察し
ながら、自分でも自覚させながら、対応させるのが良いでしょう。

 それは、医師にアレルギーの原因や程度の血液検査をしてもらうことと、
 獣医師に最初の触れ合いの状況を指導してもらうこと、など、専門家と一緒に
やるのが良いでしょう。獣医師は良い相談相手になります。
なお、アレルギーについて、昨年の資料を次の欄に入れておきます

実際にその動物にアレルギーの子は
程度に応じて、マスクをさせて動物の近づかせたり、手先だけの接触にしたり、
それでも目がはれたりなどの症状があるときは、水ビンを洗うなどの世話にとど
めるのが良いかもしれません。

 その子が アレルギーだから、皆飼うのはやめましょう、
というのは、そのお子さんにとってもつらいだろうと思います、

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教育系大学での講義と実習の後、
 自分は、動物を触ると痒くなるが(見ても痒い)
 昔からこのように動物と遊ぶことができたら、こうはならなかっただろうとい
う感想があります。

なお、
専門のことは、専門家に問い合わせる雰囲気が学校の中にできたら、苦労はずい
ぶん減少すると思います。
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 日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会(動物介在教育支援)
                  副委員長  中川 美穂子
 (お茶の水女子大学 子供発達研究センター 客員研究員)

 電話 0422−53−7099
[2003/08/22 01:16:30]

お名前: 都築 功    URL
 アレルギーについてお伺いします

先日(といってもだいぶ前になりますが)、教職員研
修センターの研修会で、「環境教育」の講師をピンチヒッターで頼ま
れ、何とか責任を果たしました。
 実は、「環境教育」の概論的な講義の中で生命尊重に関連させ、
学校における動物飼育についても広い意味で環境教育としてとらえ、
日本教育新聞の記事を紹介して取り上げたのですが、質疑の時に、
ある小学校の先生から、
「動物の毛などに対するアレルギーの子どもがいるのですが、どうし
たらよいでしょう。あきらめるしかないでしょうか。」
 という質問があり、即答できず、宿題にさせていただきました。

 鳩貝先生と先生が編集された「学校飼育動物と生命尊重の指導」
などの中に書いてあるだろうと思っていましたら、どうもうまい答えが
みつからないので、「困ったときの・・・・」ということでメールを出させて
いただいた次第です。
 何か参考になる資料がございましたら、ご教示いただければ幸いで
す。
 23日の北海道での講演等、お忙しいことは重々承知しておりますの
で、すぐにとは申しません。9月中旬に次の研修会があり、その時に
他の質問の回答も含めて研修センターの担当者を通じて回答する予
定です。
 どうかよろしくお願いいたします。

 なお、今年は特に天候不順ですので、北海道へ行かれたときなど、
どうぞ風邪などに十分ご注意ください。

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都築 功(東京都立玉川高等学校 教頭)

生物教育学会Webページ:
http://homepage2.nifty.com/biol_ed/
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[2003/08/22 00:34:30]

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