大事なことですので、もう一度、入れておきます
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飼育舎の構造について
以前からHP上や文部科学省とのマ二ュアル作成会議などあらゆる機会に
飼育舎の土床の不便さ
・繁殖管理ができない。
・真菌やカビ、寄生虫などがはびこり、衛生管理ができない、
・必要な時に消毒ができない
などを発信してきたため、現在コンクリート床に改造する学校が多く見られてい
る。
しかし、そのときに地域の獣医師への相談がないまま改築することが多くみられる。
それで、その注意点を理解しないまま 改築し、事情が改善されないことがしばしば
見られるので、学校の近くにいる獣医師の方に、御願いいたします。
問題点
1、季節への対応
コンクリーにしても、暑さ寒さを防ぐ手当てをしないままにしておくので、土の
中のですごしていたウサギが、障害を受ける。
・夏には、大きな落葉樹の下になるように飼育舎をつくるか、あるいは、ウサギだ
けでも涼しいところに昼間置くようにする。
・冬には、木製の巣箱が入れておき、防寒対策とする。
中に藁を入れるとか、隙間風を防ぐとか、保温を考えるとかは、地域によって
必要性が異なるが、東京あたりでは、なにも入れなくても、過ごせるようだ。
しかし、木材はベニアにしても厚い、ホルマリンなどの接着剤を使わないものにし
ないと、動物は入らない。合板はさけ、棚にするような木材を使う方が良い。入り口
の大きさも寒さを防げるように、ウサギの体の大きさと相談しながら、なるべく小さ
いほうが良い。
2、構造の欠陥
学校でよく見られるのは 床の半分、あるいはほとんどコンクリートにしているの
に、一部を穴掘り用の土にしてあることである。ウサギは少しの土の部分からでも、
深く土中にはいり、コンクリート床の下いっぱいに巣をつくる。
結局、土床の不便さはまったく解消されずに、土を変えることもできなくなる。
ウサギはコンクリートの下にいるため、捕まえることもできず、雄雌鑑別も必要な手
当てもできない状態である。
改善するには、コンクリートを壊さなくてはならないことを、覚えていて欲しい。
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(飼育舎のコンクリート化の場合の注意点)
・コンクリート床の一部分の「足休めの場」は、必ず10センチの深さにしてウサ
ギがもぐれないように、しかも尿などの水分は 下に浸透していくような、構造にす
る必要がある。(金網や敷石を敷き詰めて潜れないようにする学校があるが、うさぎ
は金網や敷石はやぶってしまうことが多い。割栗石、コンクリートガラが良い。)
・季節には、人が飼育舎で過ごせるかを考えて、対応すること、特に夏は 緊急避難
が必要なときがあり、冬は慢性の風邪を引き起こし 目から膿が出るような状態に
陥って、いくら治療しても治らない、
動物は飼い方ひとつで、健康にすごさせ、きれいな動物を子ども達に抱かせること
ができる。
また、心をかけて動物の世話をしている子は、いつも動物の健康に気をつけて、病気
の心配ばかりしていることを、忘れないでください。
飼育でうれしいのは:動物が良いウンチをしたとき
飼育でつらいのは:動物が死んだとき
だと、彼らは口をそろえて、教えてくれます。
動物たちは、子ども達の「わが子」ともいえる存在になっています。
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日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会 (動物介在教育支援)
副委員長 中川 美穂子
( お茶の水女子大学 子供発達研究センター 客員研究員)
電話 0422−53−7099
「学校飼育動物を考えるページ」http://www.vets.ne.jp/~school/pets/
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[2003/09/22 08:42:09]