飼育活動を3年の教科に位置づけ始めた小学校でのできことが
新聞に掲載されましので、お届け致します。
この学校では、以前は掃除もままならない飼育舎でしたが数ヶ月で
学校全体が変わり、校長先生も担任の先生も嬉しそうに、
動物と子ども、自身との交流に驚いておられます。
この授業には子どもたちも泣きましたが、それに感動して先生も泣き、
校長先生も興奮しておられました。
「愛着があってこそ、心に響く」のだと思います。
自分たちが命を守っているという自覚があってこそです。
中川美穂子
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朝日新聞 (東京) (2006.7.20)
◆◆いのち◆◆
チャボ通じ「死」学ぶ
体触れさせ獣医師説明
〜学年飼育始めた 西東京・柳沢小〜
校庭の片隅で飼育されているチャボやウサギなどの小動物。多くの場合、世話を
するのは一部の児童で、関心の低い子どもも少なくないようだ。
「身近な命を通じて、生と死について考えて欲しい」。
西東京市の獣医師たちが働きかけ、新しい飼育方法に取り組み始めた小学校を訪ねた。
(高橋末菜)
つややかでつるりとした羽根の手触りは以前と同じ。でも、軟らかく温かかった
チャボの「クロッピ」の体は硬かった。
クロッピはがんだった。子どもたちは獣医師による死因の説明に、じっと聴き入
った。冷たくなったクロッピに触れ、「今までありがとう」と別れを告げた。
6月17日、西東京市立柳沢小学校(436人、丸山久美子校長)で飼っていたチャボ
が病死した。3年生74人全員が交代で世話をする「学年飼育」を3月から始めたばか
りだった。
「子どもを悲しませるから、死骸を見せない方がいい」という教員たちに、相談
役の獣医師の中川美穂子さんらは「子どもたちに最後まで世話をさせるのが、飼育
動物としての役割」と、クロッピと子どもが対面するお別れ会を提案した。
同校では2月まで、ウサギ2羽とチャボ6羽を飼育委員会の高学年児童約10人が世
話していた。一方、多くの児童や教員は、校庭の隅にある鶏小屋とウサギ小屋を気
にかけることがなかった。動物たちには、名前すらなかった。
「私自身、動物が苦手。『飼育は好きな人がやってくれたら』と関心が低かった」
と丸山校長は話す。今年1月、獣医師や教員でつくる全国学校飼育動物研究会の事
務局長でもある中川さんが、丸山校長を同研究会の事例発表会に招いた。積極的に
動物とかかわろうとする他校の取り組みを目にし、丸山校長は「ちょっと目覚めた」。
多くの子どもがかかわるべきだと、学年飼育に変えた。ふれあいを増やそうと、
うさぎは校舎内でのケージ飼いに。給食を準備する間にウサギと鶏小屋の掃除やえ
さやりを日課にした。前日にえさを多く与えるだけだった休日は、6月から交代で2
組の親子が世話をする仕組みに変えた。
そんな矢先の、クロッピの死。「世話を始めて一番に近づいてきたのがクロッピだ
った」とふり返る子、「抱いて、なでて、クロッピの最後を覚えていて」と友達に
呼びかける子。「ちゃんと焼いてあげて。楽に天国に行かれるから」とつぶやいた
のは、父親を亡くした子だった。
全国学校飼育動物獣医師連絡協議会 会員名簿
http://www.vets.ne.jp/~school/pets/kaiin_meibo.htm
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中川美穂子発信 m-nakagawa@vet.ne.jp
[2006/08/10 14:15:33]