ポケモン赤緑青ピカチュウ 状態異常による能力低下について

戦闘中のステータスに関わる、第一世代のGB版特有の現象について

概要

ご存じのように、麻痺すると素早さが1/4になり、火傷すると攻撃が1/2になる。
ここまではシリーズ共通のはずだが、第一世代において後の世代と異なる点が2つある。

まず第一に、「眠る」で状態を回復しても、状態異常に伴う能力変化は解除されない点
これを解除するには一度場を離れるか、「黒い霧」の効果を受けるか、
下がった能力を何らかの方法で変化させる必要がある
(例えば、「高速移動」を使えば麻痺による能力低下を無視して、本来の値から2段階上昇した値になる)。

第二に、場合によってはさらに能力が下がることがある、という点だ。
詳しくは後述するが、麻痺であれば素早さ1/4の効果が再発動し、1/16、1/64とさらに下がっていく場合がある。
条件については以下で説明する。

実例

まずは以下の動画をご覧いただきたい。
2016年7月31日に行われたオフ会「ヒストリアカップ」のイベントの一つ、
「アイゼンヴォルフチーム姉弟対決 クレア VS そら」である(撮影:タッツーさん)

名勝負なので、出来ればじっくり見て欲しいところだが、このページで扱う本題は6分ごろからである。
既に麻痺したサンダースがフーディンに電磁波を当て、お互いに麻痺した状態になる。
ともにLv55のサンダースとフーディン。当然素早いのはサンダースのほうで、両者が麻痺という同条件でもそれは同様。

しかし6分20秒からのターンで、後攻のフーディンのサイコキネシスでサンダースの特殊が下がった次のターンは、
なぜかフーディンのほうが先制してしまうのだ!

このカラクリは「技による能力変化があった場合、その技を使っていないほうの状態異常による能力低下が重複する」というものである。
上の例では、フーディンがサイコキネシスで特殊を下げたので、サンダースに麻痺の効果が再発動する。
既に1/4になっていた素早さがさらに1/4になり、都合1/16まで下がってしまうのだ。
素早さ1/4のフーディンと1/16のサンダース、先制するのは当然フーディンとなる。

ここで重要なのは、「能力が変化した側」ではなく「能力を変化させる技を使った側」という点である。
少しターンを進めてみよう。7分30秒ごろ、カビゴンが麻痺したフーディンの前でド忘れを使用し、
同じターンに後攻のフーディンが電磁波でフーディンを麻痺させる。
お互いが麻痺した次のターンでは、本来なら当然フーディンのほうが早いはずなのだが先に動くのはカビゴン。
もうおわかりのように、カビゴンがド忘れを使ったことで、フーディンの素早さがさらに1/4となったのだ!
いかに遅いカビゴンといえども、相対的に素早さが1/4となったフーディンには先制できる、というわけ。

(なお、11分以降にある試合後の解説は僕である。
そこではサンダースの特殊を下げたことが尾を引いているかのように説明しているが誤り。
その時に下がったのはサンダースの素早さのみであり、フーディンの素早さを下げたのはカビゴンのド忘れとなる。
咄嗟の解説であり、またフーディンとサンダースの行動順変化を見逃していたこともあるのでご容赦願いたい)