MAZDA Roadster RS / VS / Special package 1998年1月〜

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1800RS(6MT)

    内装とシートポシション
いささか旧聞に属すことになりますが,現行のロードスターには,発表されてすぐに試乗しました。最初に乗ったのが一番スポーツ志向の1800RS。内装のデザインは今風ですが,仕上げのちゃちさ(質感の低さ)にはちょっとびっくり。これなら多少レトロっぽいユーノスの方が,嫌味がないだけにましかなぁというところ…まぁ好き好きでしょうね。ただ,ユーノスのように,グラブボックスの扉の隙間から中が覗けるということはなくなりました。

シートポジションはユーノスそのまま。ドアが厚くなった分,囲まれ感がつよくなったかな?と感じますが,大差はないようです。ABCのペダル配置もほとんど変わりません。ただ,フットレストが妙に手前なのには閉口しました。私の手足の長さのバランスだと,膝が曲がってしまい,どうも落ち着きません。
このフットレストの高さについて,某自動車専門誌の1999年10月号にようやくマイナスのコメントが出ました。私の体形の問題ではなかったようです。それにしても,新車発売後2年近くたって,ようやく本当のことを書けるようになるなんて,雑誌の記者も悲しいですね。(1999/09/29)

    エンジンは必要にして十分
走り出すとなかなか快適です。1800cc,145psのエンジンは結構パワフルで,必要にして十分という印象。我がNA6CE,つまりユーノス1600中期型(後期型?)にくらべ,上り坂で高いギアを選んでも,楽々と加速していきます。ライトウエイトスポーツはバランスこそが大切で,絶対的なパワーでは問題ではない,といわれますが,このくらいのパワーの余裕があるほうが,気持ちがいいことは確かです。高回転域での回転の伸び悩みはあいかわらず感じますが,ま,昔ながらのB6/BP系だからしかたがないのでしょう。実のところ,ユーノス時代の1800って乗ったことがないので,どのくらい改善されたのか判断のしようがないのです。

    ビルシュタイン+ミシュラン
ブランド志向丸出しの,ビルシュタインのダンパーとミシュラン・パイロットSX GTとの組み合わせは,名ばかりではなく”さすが”といえます。タイトなコーナリングを試みても,安定した姿勢でクリアしました。50扁平のタイヤですから,決して乗り心地はいいとは言えませんが,ボディ剛性があがっているせいか,不快感はありませんでした。ところで,1600時代のユーノスの「ひらひら感」がよくいわれます。比較的深いロールでトラクションを確保するというのも,それなりに「攻めている」気分が出ていいのですが,この1800RSのもつコーナリング性能は,ワインディングを飛ばすにはさらに気持ちがよさそうです。

8年落ちとなった我がユーノス。エアコンを入れたときのパワーの低下と燃費の悪化,ボディ剛性の低下など,年相応のやれが出てきています。しかし,しょせんセカンドカー=遊びぐるまですから,古いおもちゃはこんなものと,諦めることにしています。マツダ・ロードスターの,ちょっとマッチョな外観が好きになれないこともあって,代替を考えるには到っていません。しかし,もし買い換えるとしたら,ホンダのS2000よりもマツダの方がいいかなァというのが,今のところの感想です。

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1800VS(6MT)

    なんだか平凡
タン色の本皮シートやソフトトップ,ウッドのステアリングホイールなどからみると,かつてのV‐SpecialUに準じた豪華グレードでしょうか。1800ccのエンジンや6速MTはRSと共通のはずなのに,足回りのセッティングのせいか,乗り味はずいぶん違います。一言でいえば平凡。なんだか普通のクルマっぽい乗り心地です。タイヤは60扁平ですが,それを言えばNA6だって同じこと。スポーツ志向のRSに対して,ラグジュアリー志向のセッティングと,はっきりと性格わけをしているのでしょう。

私のような素人にも,そしてごく限られた試乗の間だけでもはっきりと分かるのですから,その違いは相当のものです。ちょっとスタイリッシュなオープンカー,ということで乗るならこうしたVSの足もありなのでしょうが,ライトウエイトスポーツとしては,若干物足りなさを感じた次第でした。

1600 Special package(5MT)

    雑誌の試乗記不信
マツダ・ロードスター1600を「ベストバランス」とほめている雑誌記事がたびたびありますが,どうも納得がいきません。エンジンのパワー感は,試乗当時7年落ちの我がNA6なみかそれ以下のもっさりしたものだし,レーンチェンジでの挙動も,落ち着きを欠いた不安定なもので,ヒラリというより,不安を感じるようなグラリ,グニュッだし…。9年も前に発表された先代に較べてもぱっとしないモデルです。(余談ですが,「勝るとも劣らない」とはいいますが,「劣るとも勝らない」という言い回しはありません。どうしてでしょうか。そればかりか,そうした意味の表現も見当たらないですよね)

さらに,ステアリングホイールがデミオの部品の流用というのも興ざめです。せめてNARDIやmomo製がオプション設定でもされていればいいのですが,1998年春の試乗時点ではそれもなし。ほんとに「廉価モデル」そうろうです。こうした車って,やっぱり雰囲気を大切にしたいですよね。まぁ,何でもいいからオープンカーに安く乗りたいという需要もあるでしょうから,こうしたモデルを否定はしませんが,「ベストバランス」とはとてもいいがたいこの1600をほめる雑誌の意図って,いったいどこにあるのでしょうか。