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2000年4月 EJインタビュー その4

出典:  ej-l Mailing List dd 27/APR/2000
copyright: Park Street/Eric Johnson, 2000
original text transcribed by: Nancy Kampe
「日本語文責: 山巻 由美子」

PS:
さて、いくつか機材関係の質問をするよ。みんないつも知りたがってるからね。
まず、新品か、少なくとも30年ものみたい古くはないギターやアンプで、気に入ったものはあるかい? Gibsonは好きだよね?
EJ:
ああ、うん、新しいGibsonはとてもいいと思うよ。すごくいいアンプだと思う。
すごく、すごくシンプルなアンプなんだ。ボリュームとトーンコントロールが1コずつついてるだけなんだけど、トーンがほんとにいいんだよ。リヴァーブもついてる。
PS:
そりゃいいね。メーカーは今でも君に色んなアンプを送ってくるかい? えーと例えばTwo-Rocksとか、Guyton、Top Hat、Matchless、Dr.Zといったアンプは?
EJ:
ギターショーなんかに出かけてって試したりはするにしても、どうも僕はそれ程でもないという評判を得ているみたい.....
PS:
(((((笑)))))それほど興味持ってないって?
EJ:
うん。誰だって、ねえ、それなりには、とは思うけど
PS:
そうか、じゃあそんなには送ってきてないんだ。
EJ:
そう、以前ほどはね。
PS:
よし、次。ハイデガーのような哲学者の影響を受けたか。(((((笑)))))
EJ:
はあ?
PS:
ないよね。
EJ:
僕が影響を受けたのはShirley Temple(訳注: 昔一世を風靡した子役出身の女優)...失礼、じゃなくてShirley Boothだよ。
PS:
誰だって?
EJ:
テレビでHazelをやってた人。
PS:
ああそうか、そうだった。そういえば、テレビ番組のテーマ曲集作りなよ。
EJ:
いいかもね。
PS:
なにしろ君はよくテレビ番組のテーマ曲を一杯弾いてるからねえ。もちろん、ビッグヒットはAndy GriffithとBiverly Hillbillesのやつだけどな。
EJ:
そうそう。そうだ。
PS:
うん。そういうのどんどんやるべきだと思うよ。
EJ:
ハイデガーのこと、聞いた事はあるけど、彼については何も知らないな。
PS:
よし、次。フリジアン・モードやドリアン・モード(訳注: いずれも「モード」と呼ばれる、現代の音楽形態に、やや形を変えて取り入れられた教会旋法や各種民族音楽の旋法の一種)みたいなのをやったり、そういう他の時代の様式を取り入れることに興味はあるかという質問。要するに、他のジャンルに興味あるかってことだと思うけど。
EJ:
ジャズギター奏法をもっと習得したいと思ってるんだ。でも僕の興味は、ほら、そもそもコルトレーンやらウェス・モンゴメリーから来てて、ハービー・ハンコックとかだから。個人的には、これは僕だけの話だよ、僕は音楽を接合することにはそれほど興味なくて
PS:
技術的な接合ってことかい?
EJ:
非常に技術的なタイプの接合は、大きな焦点なんだけど。つまり、僕だったらとてもやらない事をやる人がいて、それがすごくぶっとんでることもそりゃあるけど、僕としては、流動性を学んで、もっとスケールやギター奏法の叙情性を身につけた方がいいと思うんだ。これは個人的な話だよ。ほら、Pat Metheny路線なんかだね。違った時代の特徴やスケールを合体させてはいるけど、でも
PS:
彼はまちがいなくハートがあると思うよ。
EJ:
そう、そうなんだ。そういうのがさ、僕はむしろそういうのに惹かれる訳なんだ。
PS:
なるほどね。さて、君のチューブ・ドライヴァ−にはバイアス・コントロールがついてるかい? 使っているのは標準のFT12AX72?
EJ:
そうだよ。あれにはバイアスはついてないんだ。
PS:
で、インピーダンスは? Marshallのキャビネは4オームに配線してなかったよね?
EJ:
してない。ストックの16オームのままだよ。でも実際の話、僕は8オームの方がいいけど。
PS:
8オームね。Chandlerのチューブ・ドライヴァ−では標準の真空管を使ってる?
EJ:
そう。両手一杯持ってきて、どれが一番いいか試すんだ。
PS:
そうか。前はMarcusが気に入ってたユーゴ製の真空管を使ってたよね、で
EJ:
もう手に入らないよ。
PS:
もう手に入らないの?
EJ:
誰かユーゴ製の真空管持ってる人っている?ユーゴスラヴィア人かな?(((((笑))))) PS:頼んでみるといいんじゃないかね。さて、テレキャスターやエスクワイアを弾くかい?
EJ:
うん。テレ1本持ってるもん。
PS:
そうだね、ほとんどはチキン・ピッキングみたいなカントリーものやる時に使ってるんだよね。
EJ:
そう。(コメントは続くが、聞き取れず)
PS:
クリーントーンは、Vox AC-30を通してたっけ?
EJ:
うん。
PS:
パワーディストーションサウンドとして、Marshallの代わりにHi Wattを使うってのはどう?
EJ:
そうだね。Hi Wattは試してみたいんだ。それは前にも考えた。
PS:
よし。アコースティックギターの弦で気に入ってるのは?
EJ:
そうだ、Hi WattはElectromagnets時代に使ったことがあるよ。アコースティックね、D'Addario J16を使ってる。
PS:
OK、次。アンプのEQをセットする時、ピーク値が過大になるのを防ぐとか、同期---(後ろで電話が鳴る音が入り、聞き取れず)---、そういうトラップをかけているよね。ギターの音で、きらいだとか、あんまり聞きたくないような周波数域があるの?
EJ:
そうねえ、3〜5K(Hz)になると、ほんとにとんがった、なんていうかがちゃがちゃした音に簡単になっちゃうんだよ。ちょっとだったらそういう音も又いいんだけど、僕は高音域使うならほとんど、高めの耳当たりのいいトレブルの方が、低めの鋭いトレブルよりいいな。とんがったトレブルもちょっとならいいよ。でもやり過ぎると、ぎすぎすした音になっちゃうんだ。
PS:
George Lケーブルがちゃんと機能しないでトラブった経験は?
EJ:
おかしいんだけどさ、あれはしょっちゅうショートするってみんな言うんだよね。その点僕はとてもラッキーなんだ、僕のはショートしないもん。そりゃねえ、時たまショートすることもあるんだろうけど、でも僕はこのケーブルがあってうれしいよ。なにしろ僕が気に入ってる唯一のケーブルなんだからさ。(((((笑)))))
僕にとっては、ほんとにピュアなサウンドなんだ。だから製造中止にならないといいな。
-------その5に続く--------