鉛筆とクマ 黒岳〜赤岳〜銀泉台 (1994年 7月24日・晴れ)


その1. また やらかした! 1本500円の缶ジュース

 じつは、仲良しシスターズにはもう一人、真ン中に兄 (当然 姉から見れば弟) がおります。今回の登山は、兄発案 「 車2台で、縦走しよう! 」 という事になりました。 あらかじめ前日に、下山口である銀泉台に車を止めておけば移動がとても楽だと言う訳です。 なるほど、そりゃいい考えだと皆が賛成。 2家族総出の登山とあいなりました。

 ここでちょっと、兄ファミリーを紹介したいと思います。

兄ファミリー紹介の図


 さて、私達の登山も2年目に入り、利尻山で大失敗した水筒もきちんと3人分買い揃え、山のガイドブックも買って下調べもバッチリ!です。 ガイドブックには黒岳石室に「水」マークがありました。

    「ほーーう、上にも水場があるんだ」

 ・・・・・何となくイヤな予感がしませんか? そうなんです。勘の良い方なら、もうおわかりでしょう。 私達はその「水」マークをてっきり湧き水だと思い込んでしまったのです。しかし、その水場は雪解け水で「要煮沸」とのカンバンが・・・
 それを見た私達に、もちろん言葉などありませんでした。

 じつは、石室で水を足せば良いと考えていた父の水筒は、ほとんどカラ状態。半分だけ水を入れていた姉は、その飲めない水を水筒に足してしまった為 (オイ オイ・・)、これも全滅。 しかし唯一の救い、いや!女神と言っても良いでしょう! 妹だけ、妹だけは難を逃れていたのです。 (妹はふたりと違い、慎重派なのだ。はっはっはっ)

 それにしても、情けないです。利尻でもう二度と水の失敗はしないと、あんなに誓ったのに、またまた今回も3人で1本の水筒だなんて、つくづく間抜けなシスターズですよね。 どうぞ笑ってやってください。

 「気にしないでたくさん飲んでいいよ」 と由美子さん(義姉・美人)からも水を分けてもらい (本当に恐縮です)、利尻ほど水の心配はなかったものの、それでもお昼用の水分がほしいと、石室で売っていた 缶ジュース1本 500円 (・・500円ですと?)、3本で 1500円 (1500円ですとォォー!? こんな高い缶ジュースを買うヤツがいるのか!? いるのだ!ここに!)を買い、こんな所で思わぬ大出費となってしまいました。
 あぁ 情けない・・・・。


その2. 赤岳の下りは、楽しい雪渓すべり

黒岳赤岳・縦走ルート
 赤岳山頂を過ぎ、第四雪渓にさしかかった所で、兄が 「人が滑った跡があるから、ここで雪渓滑りをやろう!」と言いました。 いよいよここで今回の目玉、楽しい雪渓滑りの始まりです。用意していたシートを取り出し、まず最初に父が滑って行きました。 シューーッ!

 「・・・なんかさぁ、今のお父さんものすごいスピードじゃなかった?」と女性群が話している横を、チーちゃんを背負った兄が滑って行きました。 シューーッ! 残るは我々女性群です。チーちゃんを背負った兄が滑ったのだから、たぶん安全なのだろうと3人一緒に滑り出しました。 シューーッ! シューーッ! シューーッ!

 「わーーーっ!!」 「きゃーーー!!」 「げーーーっ!!」

必殺!姉の尻すべり と、と、とんでもありません!物凄いスピードです!! 慌ててスピードを落そうと足で踏ん張っても、落ちるどころか、かえってバランスを崩して転びそうになりとても危険です。

 ただ、おしりのシートを飛ばさないように (約1名おしりで直滑りをしていた者がおりましたけど) 手で押さえているのが、やっとでした。 しかも雪はザラメ状態、手の皮がすれて痛いのなんのヒリヒリです。
 おかげで、あっと言う間に下に着く事ができたのですが、それにしても兄が転ばずに済んで、本当に良かった。転べばチーちゃんの大惨事ですよ、まったく。あぁ 恐ろしい。

 水の失敗さえ忘れてしまえば、今回は最高に気持ちの良い登山です。
前日の雨も快復し、今日はとても良いお天気、青空が広がっています。特に北海岳から見るお鉢平の、雪(白)と空(青)と山(緑)のコントラストが、素晴らしくとても奇麗でした。

 ただ一つ気掛りだったのは、黒岳あたりから疲れの見え出した由美子さんです。もうすぐ2歳になるチーちゃんを背負っている兄も大変だけど、由美子さんのリュックには3人分の食料・水・上着などが入っているんですから、疲労度も私達の倍のはずです。
 それなのに私達に水をたくさん分けてくれて、本当に申し訳なかった。登りを見るたびに 「あそこ登るの? あそこ登るの?」と言っていた、由美子さん。 でも、安心して! ほら、銀泉台はすぐそこです。 元気を出して頑張りましょう!!

ぎゅうぎゅうファミリー
大変お疲れさまでした


※追伸 これ以降は水の失敗は一切しておりませんので、ご安心を。(さすがに、こりました)


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