巻機山
(1967m)


ニセ巻機山からの巻機山




 2010年9月19日(日)に毎日新聞旅行の登山ツアーに参加して標高1967mの巻機(まきはた)山、に登りました。巻機山は登りたい山でしたが、交通が不便なので今回の登山ツアーに参加することにしました。登山ツアーの参加者は16名で前日の18日(土)に22時30分にマイクロバスで新宿を出発し、途中時間調整をして、登山口の桜坂駐車場に向かいました。桜坂駐車場で、夜明けを待ち、5時30分に登山を開始しました。登山コースは井戸尾根のピストンです。桜坂駐車場の標高が740mなので1227mの標高差があります。昔の巻機山登山口は清水にあり桜坂駐車場は、既に二合目になっています。登山途中には巻機山は見えず、九号目のニセ巻機山(1861m)を目指して登ります。途中には、学芸大学登高会が設置した登山標識が何号何勺(しゃく)と詳細に表示されていました。ツアーなので自分の都合で休憩せず、全体の流れに合わせて行動します。休憩の回数は多く取りますが、1回の休憩時間が短いのがツアーの特色です。巻機山の山頂の標識は、御機屋の所にありますが、地図上の巻機山山頂はさらに東(牛ヶ岳の方向)に10分ほど歩いたところにあります。そこにはケルンが積んであるだけでした。植生保護のため山頂を動かしたようです。
 巻機山山頂付近は、池塘が点在する草原にオオシラビソの林がアクセントをつけまさに天空の楽園といった感じでした。

所要時間 9時間30分(5時30分〜15時00分)
歩行時間 7時間44分
休憩時間 1時間46分

巻機山までの登りに要した時間 4時間47分(5時30分〜10時17分)
歩行時間 4時間04分
休憩時間     43分

巻機山と割引(わりめき)岳での時間 1時間3分(10時17分〜11時20分)
歩行時間     30分
休憩時間     33分

割引岳からの下りに要した時間 3時間40分(11時20分〜15時00分)
歩行時間 3時間10分
休憩時間     30分

登山記録 2010年9月19日(日)
桜坂駐車場(740m)5:30 40分 6:10四合目6:25 26分 6:51五合目 48分 7:39六合目展望台(1350m)7:44 35分 8:19七合目8:25

33分 8:58八合目9:05 15分 9:20ニセ巻機山(1861m) 10分 9:30避難小屋9:40 27分 10:07御機屋(1962m) 

10分 10:17巻機山(1967m)10:27 9分 10:36御機屋(1962m) 21分 10:57割引岳(1931m)11:20 22分 11:42御機屋(1962m)11:47

17分 12:04避難小屋12:14 46分 13:00七合目13:05 55分 14:00五合目14:10 50分 15:00桜坂駐車場(740m)



六合目展望台からの巻機山。 左が天狗岩、中央がヌクビ沢、奥が割引(わりめき)岳。

越後塩沢の住人鈴木牧之(ぼくし)(1770〜1842)の『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』の破目山(われめきやま)より
 魚沼郡清水村の奥に山あり、高さ一里あまり、周囲も一里あまり也。山中すぺて大小の破隙(われめ)あるを以て山の名とす。山半は老樹条(えだ)をつらね半より上は岩石畳々(じょうじょう)としてその形竜躍り虎怒るがごとく奇々怪々言ふべからず。麓の左右に渓川(たにがわ)あり、合して滝をなす。絶景又言ふべからず。旱(ひでり)の時此滝壺で雨乞いすれぱかならず験(しるし)あり。一年(ひととせ ある年の)四月の半雪の消たる頃清水村の農夫ら二十人あまり集り、熊を狩んとて此山にのぼり、かの破隙(われめ)の窟(うろ)をなしたる所かならず熊の住処(すみか)ならんと、例の番椒(とうがらし)烟(煙)草(たばこ)の茎を薪に交(まぜ)、窟(うろ)にのぞんで焚(たき)たてしに熊はさらに出ず、窟の深(ふかき)ゆゑに烟(けむり)の奥に至らざるならんと次日は薪を増し山も焼よと焚(たき)けるに、熊はいでずして一山の破隙(われめ)こゝかしこより烟(煙)をいだして雲の起(おこる)が如くなりければ、奇異のおもひをなし熊を狩ずして空しく立かへりしと清水村の農夫が語りぬ。おもふに此山半より上は岩を骨として肉の土薄く地脉(脈)気を通じて破隙(われめ)をなすにや、天地妙々の奇工(きこう)思量(はかりしる)べからず。

深田久弥の『日本百名山」では、破目山(われめきやま)は天狗岩に相違ないと記述されています。



割引岳山頂から北北東にある越後三山。  左から八海山、越後駒ケ岳、中ノ岳です。



割引岳山頂から南南東 谷川連峰に連なる尾根道


巻機山山頂のケルン 池塘
オオシラビソの林 枝が下向き 割引岳からの南魚沼市(直江兼続の生誕地)

まとめ

 前日の天気予報では、降水確率50%で雨に降られることを覚悟して登りましたが、予想外に天候が回復し、山頂からの眺望も得ることができました。避難小屋は、水場も10分ほどなので避難小屋泊も魅力があります。谷川連峰の朝日岳(1945m)への尾根道も印象に残りました。また、コシヒカリで有名な南魚沼の田んぼが黄金色になっているのも見えました。巻機山から流れ出る豊かな雪解け水がコシヒカリを育んでいるのでしょう。山頂付近ではなだらかな稜線歩きを楽しむことができますが、これが巻機山のすべてではありません。今回はピストンでの巻機山登山で、登りではあまり急に感じなかった登山道ですが、下りにはかなりの急坂に感じました。雨が降ったら下りはかなり苦労したと思います。
 帰りは、越後湯沢にある日帰り温泉のコマクサの湯で汗を流しました。3連休の中日で、関越道では、渋川伊香保、花園で渋滞に出合いましたが、予定より1時間遅れの21時に新宿に到着することができました。