6S4-A シングル無帰還アンプ試作記

2014/06   宇多 弘
6s4as.jpg


いきさつ、概要設計

 KM さんから 6S4-A を頂きました。 これまでにツイ巡り会わなかった、以前から「使ってみたいな」と感じていた管種でした。 画面上からお礼もうし上げます。
 早速シングルにて様子を見ようと、特性表とデータを探して・・・ 取りあえずは無帰還で何処まで行けるかを知りたい訳です。 以前、小パワー・アンプとして試作した 12AU7 パラシングル無帰還アンプにて結構な結果を得た記憶があり、「似たようなものになるといいな」と期待にワクワクします。
 まずは単純に 12AU7 をパラレルにして Ih/Ip/Pp/Gm を二倍に Rp を 1/2 にして比較してみると、ヒーター点火電力およびプレート損失 (Pp) には開きがありますが、三定数が殆ど同じでビックリ。 Eb-Ib 特性から作図して最適負荷を概算すると 11kΩとなりました。
 手許の出力トランスは愛用の 7kΩ/8Ω仕様、とりあえず三極管だからある程度のミスマッチはカンベンくれると頬冠りしましたが、いずれ12kΩ/8Ω仕様のものを入手して確認しましょう。 出力はミリミリに搾り取らず、かなりアンダーに見積もって (Ep x Ip)/5.0 程度と想定し、丸めて 1W 程度としましょう。

出力管Eh(V)~Ih(A)Ep(V)Eg(V)Ip(mA)Pp(W)Rp(Ω)Gm(μmho)μRL(kΩ)
12AU7 パラレル6.3V0.3A250-8.5215.53,8504,40017-
6S4-A6.3V0.6A250-8.0248.53,7004,50016.511

実装・調整、仕上がり

 例によってスピード工事をすべく、目を付けたのがバラック工法の 6BQ5 超三結アンプです。 電源まわりその他をソックリ転用、基礎工事と調整が半日にて完了しました。 自己バイアス抵抗値は計算上からは 333Ωですが、様子が判らず 390Ωから始めて、すこしアンダーの 350Ωに調整しました。
 早速火入式を済ませて・・・音的には、記憶にある 12AU7 パラシングル無帰還アンプでの印象よりもシッカリしている感じは、シングル・プレートおよびカソード規模の差でしょうか。 同じ出力トランスを使用して A/B 切替比較をしないとわからないですが。 夜間に静かにパソコンに向って作業するときにピッタリの、BGM アンプとなりましょう。 
 下記に回路図を示します。

6s4as.gif

以上

改訂記録
2014/06:初版