構造上の分類 | ビーム | ビーム 五極 | 五極 | ビーム | ||
口金接続形式 | 7BZ | 9CV | 6CC | 7BZ | ||
ヒーター電圧 | Eh | V | 6.3 | 6.3 | 6.3 | 6.3 |
ヒーター電流 | Ih | A | 0.45 | 0.76 | 0.4 | 0.8 |
最大プレート損失 | Pp | W | 12 | 12 | 8.5 | 9.0 |
最大プレート電圧 | Epmax | V | 275 | 300 | 250 | 275 |
最大スクリーン電圧 | EsgmaxV | 275 | 300 | 250 | 275 | |
最大スクリーン損失 | Psg | W | 2.0 | 2.0 | 2.5 | 2.2 |
A 級増幅動作例 | ||||||
プレート電圧 | Ep | V | 250 | 250 | 250 | 250 |
スクリーン電圧 | Esg | V | 250 | 250 | 250 | 200 |
制御グリッド電圧 | Eg1 | V | -12.5 | 135Ω | -18 | -8.5 |
無信号時プレート電流 | Ip0 | mA | 45 | 48 | 32 | 29 |
無信号時スクリーン電流 | Isg0 | mA | 4.5 | 5.5 | 5.5 | 3.0 |
内部抵抗 | Rp | kΩ | 52 | 38 | 68 | 28 |
相互コンダクタンス | Gm | mS | 4.1 | 11.3 | 2.3 | 5.8 |
所定出力時の負荷抵抗 | RL | kΩ | 5.0 | 5.2 | 7.6 | 8.0 |
出力 | Po | W | 4.5 | 6.0 | 3.4 | 3.8 |
表から見る限りでは、ヒーターが大飯食いの割りに力がないけれど、内部抵抗が少し低くて、ドライブ電圧が少なくて済むかな、と言った程度で、特段の特徴はありません。
6Y6G/GT と同様に Esg は下げて使うように指定されています。
6DS5 の最大許容カソード電流 (=Ikm) が判らず、どうも球の設計思想がハッキリしないのですが、ヒーターに余裕があるのは、例えば電源電圧が低下してもネバリ強いなど、何か良いことを秘めているかもしれません。
今回は非直線素子 2SK68A の定電流ダイオード用法を含む所謂 P/K NFB を加えて、超三結V1/V3 併用型としてみました。
B 電源電圧は出力トランスでの電圧降下 5V を見込んで 5+250+60 = 315V 前後が確保されればよいでしょう。
6DS5 のスクリーングリッドの供給電圧をB 電源電圧から 55V 下げるため、直列ドロッパとすれば、抵抗値は 55V/3mA = 18kΩとなりますが、ブリーダ形式にして スクリーン電流相当の 3mA を流すならば残りの設地に逃がす部分は (315-55)V/3mA = 86kΩ となり、ドロッパには 6mA が流れるので半分として 9kΩで分圧することになるので、実際には 82kΩ と8.2kΩの各 3Wの抵抗なら相当な余裕があり、これで良しとします。 動作試験の結果すこし SG 電圧が高かったのでグランドに逃がす抵抗を 75kΩとしました。
もっとズボラして、SG 供給電圧を L/R 共通とするなら、39kΩ+3.9kΩ の 5W/3W で差し支えないでしょう。
● ヒーター電源:
標準的なパワートランスを使用するなら、全く問題ありません。
セパレートタイプとする場合は 6DS5 x 2 = 1.6A と12AX7 = 0.3A で 1.9A となり 2A タイプで丁度です。 3A タイプなら余裕です。
試みに 6AQ5, 6AR5 を差し換えてみました。 6AR5 は口金接続が異なり、ピン#7 が NC となっているだけで、あとは 6AQ5, 6DS5 と同じです。
6AQ5 は、そのまま差し換えて異常なく動作しました。
6AR5 はバイアスが少し深いので、一応調整しなおしかと思ったのですが、6DS5 の調整そのままでも特に異常はありませんでした。 動作状態は下記の通りです。
● 6AQ5:Ek=60V, Ik=30mA, Ep=240V, Esg=200V
● 6AR5:Ek=65V, Ik=32.5mA, Ep=235V, Esg=195V
何れも 6DS5 用に入れたスクリーングリッドのドロッパが効いて、かなり内輪の動作です。 安全設計ではあるけれど、物足りない感じでした。 しかし、静かに音楽を聴くには特段の支障も発見されないので、このまま差し換え可能としておきましょう。(1999/07 rev1)
後日、低域を強化したくなり、愛用の小型出力トランスをシャーシ上面に追加して、単純に並列接続としました。(1999/09 rev2)
ある方からの「余剰の小形アンプがあったら、交換しませんか?」とのご要望にて水平偏向出力管と「お嫁入り」交換して、本機は消滅しました。(2000/08 rev4)