衣の会




◆「日本のきものを知る講座」第3回  99年5月6日◆
本多先生
 「日本のきものを知る講座」第3回目です。この日は、いかにも初夏というような陽気。袷の着物では、汗になります。そこで、本多先生の着物のような“胴抜き”が威力を発揮。八掛けはちゃんと付いているのですが、胴裏がありません。つまり、背中の所はひとえなのです。襟もばち襟に仕立ててあって。
生徒さん
 仕立て方だけでなく、色でも涼しさを演出しています。水色の紬に、ターコイズブルーの染め帯。模様はカニです。織り模様のような感じの描き方で、ちょっとユーモラス。あんまり写実的な蟹は、グロテスクですから。

 生徒さんの着物も、涼しげなものでした。左の写真の人は、渋めの梅鼠色にモダンな幾何学模様の帯。色よりはシャープな感じが、初夏らしくて。右下の写真の方は、透明なガラスの根付けがすでに夏。紬の着物は縞のところどころに青のぼかしが入っています。無地の帯はさっぱりしていて素敵だけど、なにかサッと描いてあってもいいかも知れませんね。くどくならないよう、墨一色とか。

 で、私のは「5月の着物」でご紹介した白地に七宝模様の小紋。帯は、いつもの組み合わせだと前回のお出かけと一緒になってしまうので、ちょっと秋の雰囲気になるのを気にしつつ、黄土色地に瓢箪模様です。すくいの織り帯でぺたんとした感じなので、材質的には今頃の季節に向いているのでは。そのうち、深緑色の帯を買おうと思っています。

 冬の間は着物姿の人をけっこう見かけたのだけど、さすがにこの頃少なくなってきました。それでも、レースのコートなど羽織った年輩の方もいましたね。5月16日現在、早くも単衣を着た人を福岡で発見。季節の変わり目は、いろいろな着物を見ることが出来ます。何も一斉に6月1日衣替えでなくてもいいのではないでしょうか。
瓢箪模様織り帯  生徒さん 

 


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