仙台城

杜の都・仙台には、伊達家62万石の威容を今に伝える仙台城跡、通称青葉城があります。

天然の要害である青葉山に築かれたこの城は、壮大な天守こそ残っていませんが、その歴史的な雰囲気と壮大な石垣群は訪れる人々を圧倒します。

今回は、JR仙台駅からレンタカーを利用し、広瀬川を渡って城跡東側の駐車場へ。
そこから城巡りを開始しました。

まず、長沼と呼ばれる水堀を左手に眺めながら北上し、「脇櫓(隅櫓)」を目指します。
道中には、日本フィギュアスケート発祥の地として知られる「五色沼」があり、近代日本の証を目にすることができます。

さらに進むと、復元された「脇櫓(隅櫓)」が現れます。
この北側は、かつて大手門があった二の丸(現在は東北大学の敷地)であり、戦災で焼失した門を惜しむ声が聞こえてきそうです。

ここから本丸を目指し、木々が生い茂る坂道を登ってゆきます。
かつての面影を想像しながら進むと、S字の坂道を経て石垣を残す「中門跡」、「中曲輪」跡、そして「沢門跡」へとたどり着きます。

「沢門跡」から左に坂を下った先が三の丸(現在の仙台市博物館)ですが、こちらは後ほど触れます。

そしていよいよ、本丸エリアへ。
まず訪問者を迎えてくれるのが、高さ約17メートルにもなる「本丸北壁石垣」です。

その高さ、積まれた石の大きさ、そして見事な反りが織りなす景観は、多くの訪問者の足を止めます。


もしかすると、ここが仙台城跡の最大の見どころと言っても過言ではないでしょう。
大小さまざまな石が積み上げられた威風堂々たる石の壁を鑑賞しながら進むと、本丸の入り口である「詰門跡」へ到着します。

石段を登り切った先は、広々とした本丸跡です。
天守などの建物は残っていませんが、仙台市街を一望する大パノラマに心を奪われます。

本丸跡のシンボルといえば、やはり伊達政宗公の騎馬像でしょう。
観光のシンボルとして、多くの方の心に真っ先に浮かぶ存在です。
広大な市街と遠くの太平洋まで見渡せるこの場所は、まさに天下人の視点。
政宗公がこの地で未来を見据え、城下町の発展を構想していたのだと思うと、感慨深いものがあります。


跡地には、大広間跡の礎石や埋門跡、土塁の形跡なども見て回ることができます。

ところ変わって三の丸には、仙台市博物館が建てられています。
ここでは仙台城だけでなく、地域の歴史に深く触れることができます。
展示品を通じて、伊達家の苦労や発展を知る手がかりも得られますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

三の丸と本丸は、清水門跡がある曲がりくねった登坂道で行き来できます。
ここは城内でも特に木々に覆われ、短いながらも山城の雰囲気を体験できる貴重なルートとなっています。


仙台城は別名を青葉城とも言われている。青葉山の地形を巧みに利用しており、東と南側が断崖という様に天然の要害である。 関ヶ原の戦い直後(慶長5年(1600年))から伊達政宗により縄張りが行われ、翌年より本格的に築城が行われた。 徳川家への配慮からか、壮麗な天守は築かれることはなかったと言われている。 江戸時代を通じて、伊達家の居城として長らく仙台藩の中心となり幕末を迎えるている。

別名:青葉城
築城年:慶長5年(1600年)
所在地:宮城県仙台市
主な遺構:石垣
関連武将:伊達政宗
アクセス:仙台駅からバス、徒歩
駐車場:あり