last updated : 2000/02/19 Sat 19:30
老婆心ながらの念押しであるが、私 : 高橋 秀樹 は 政治的には
中立・ノンポリ である。
なぜこのようなことを先にわざわざ申しておくのかというと、
えてしてアーティストというだけで無条件に、アンチ社会・アンチ現状・アンチ体制
の存在であると捉えられがちであるが、必ずそうであるとも言えないからである。
まことに、
体制側が必ず悪とは限らず、また、
弱者の側に必ず正義があるとも限らず、ゆえに、
常に私が弱いものの味方をするとは限らない。
この前提は踏まえた上で、以下の説明を お読みいただきたい。
駒場寮 について
東京大学駒場キャンパス内にある元・学生寮。古びた素敵な空間。
身内が よくココで 個展 を したり performance を したり している。
[crosstalk] も一回だけ共同企画で絡んだことがあり、そのときには
高橋 秀樹自身 も performance 参加 している。
駒場寮 問題 について
駒場寮の建物自体の老朽化による安全面の問題・及び・敷地の有効活用などの理由により、
廃寮を決定した大学側と、
その決定に反対する駒場寮との対立。
高橋 秀樹としては、政治的にも 心情的にも、どちらの側にも加担する気はない。
以下のいろいろな発言は、あくまで個人的な所感であり、
双方の利害とは全く無縁のものと心得ていただきたい。
第1章
建物自体は残しておきたい。
高橋 秀樹としては、[勿体ないから残しておけば] という意見だが、かといって
存続を叫ぶ駒場寮の姿勢とは大いに違っているようである。
例えば、 [老朽化していない。まだまだ安全だ。] と寮側は反論する。
しかし私は、まさしく老朽化しているからこそ
(老朽化しているかどうかの真否はともかく、見た目が老朽化しているがために)
残せ、という立場である。朽ち果てつつある古い館。Artist に とって なんと
魅力的な空間であろう。もし performance の最中に万一のことが起きて、
崩れゆく老館と運命を共にしても、それはそれで本望かもしれない。
ただしこの私の意見も、あくまで アーティスティック な 要望に基づいてのものに過ぎない。
存続費用の面、万一のときの保険、空間効率 (同じ面積で寮以外の他の何かに使用した場合との比較)
など、そういうことまで考えての発言ではない。
効率の面などを度外視してまで建物を存続するかどうか。それは当事者が決めることである。
また存続する場合も、もし安全面に不安があるなら、居住の用途では使用すべきではない。
ちなみに、寮の銭湯 も 寮の Hall も 同様に、
とても老朽化していて素晴らしく、残してほしかった物件だが、
今はもうない。ああ勿体ない。
第2章
建物周辺の環境も残しておきたい。
寮側は言う。貴重なメタセコイアの木を切るなと。それは 高橋 秀樹 も同意見である。
さらに言うなら、雑草も残してほしい。
寮周辺は、まことにもって手入れがなってなく、草ぼうぼうである。
背の低い伊藤 洋子が歩けば、彼女が隠れてしまうくらい、ぼうぼうの一角がある。
この放置された一角、東京では なかなかに得難い この植生は、残しておくべきである。
古びた建物とセットで。
第3章
その建物に学生は別に住まなくてもいい。
建物もその周りの環境も共に、勿体ないから是非、残しておいてほしいものだと思う。
ただし [寮] は別に廃止で構わないな。
というより私、関係ないからね。本来 寮生とは。
彼らの住むところの心配を私がするってのも変だわね。
でも [国立の] 大学の学生だし、
税金を払っている私としては、現状でも充分、彼らを養っているようなものだが。
(また国家予算は国立の中で均等に振りあてられているわけでなく
東大に偏って投入されている)
それにしても、通常なら、自分が住むところの面倒くらいは自分でするもの。寮が用意されていたなんて
ずいぶん恵まれていたのですね、と私は思う。
(ちなみに駒場寮を廃止にしても、寮がなくなったわけではなく、大学側が他の場所に用意している。
駒場寮は相部屋制度だが、新しいところは個室。
家賃 (にあたるもの) は 男女両方入れるところで 月 \3300、女子寮で 月 \700。駒場寮 (大学敷地内) のように
通学 0 分 というわけにはいかないが、40 分 くらい ?)
(ちなみに今までの駒場寮は、一般学生にさっぱり人気がなく数年間ガラ空き状態)
一般学生は (自宅の人は除き) みんな数万円の家賃を工面して生活しているが、
その心配がなくていいのだから、ずいぶん優遇されている。
第4章
センスに問題あり
[基本的人権を尊重して] などと言うのだもの。
いえね。[crosstalk] も 一回だけ 寮との共同企画で [駒場寮を存続させるためのアートイベント]
をやったことがあって、私、高橋 秀樹 ( & 伊藤 洋子 & まほまほ) も performance 参加していたんだけど、そのときの
全 出し物 終了後の寮長の演説さ。
ここで [基本的人権] とか言ってしまうそのセンスが ちょっとどうもね。
(演説の内容は大体こういうことであった。そもそも駒場寮は大学側が大幅に自治を認めて始まったものだったはずで、それを今になって一方的に廃寮を決めるとは何事だ、とまあそんな感じ。自分流に翻訳すると、せっかく与えてもらった既得権は今更返さないぞ、ということのように受け止められた。なんにしろ、この演説を聞いた時点で、[あー こりゃ もう この運動、勝てないわ] という印象を強く持つこととなった。その上で、[基本的人権を尊重した世の中を云々] とかおっしゃる。)
第5章
駒場寮側とアーティストたちとの間の意識のズレ
参加 Artist たち に とって、駒場寮なんか別にどうなったっていいんだよ。
要はこの魅力的な空間で何ができるか、それが大事なのであって。
ところが駒場寮側にこの感覚がわからない。[オフビート] ということがわかってない。
Art 活動 を 直接、運動に結びつけなくてもいい。
賑わいを見せ、文化的に花盛りであるさまを見せ、
なるほどここの空間はこのまま潰すのは惜しい、と意識させるようにもってゆけばいい。
運動の一環として Art event を考え、Artist を 募るのは いい。
その場合、各 Artist は、その空間で何ができるか、ということのみ考えればいい。
それが Artist の仕事であって、それ以外 (以上) のことは領分でない。
呼ばれた運動について意識する必要はない。
運動する側は、それでよしとすべきである。
で、実際、私が参加した event に おいては、
皆、素晴らしいものを出してくれた。
私、高橋 秀樹 ( & 伊藤 洋子 & まほまほ ) の performance も当然、
(誰に恥じることもなく自分で言うが) 素晴らしいものであったし、
例えば、森下 泰輔 氏 の installation など は、
まさにその場に ( [運動] にも ? ) ぴったりの、実に見事なものであった。
その event は、興行的にはどうだかしらんが、内容的には間違いなく大成功であった。
(その event の Art 内容 の 良さ は、そういう Artist を呼び集めた [crosstalk] 主宰 小坂 圭司 氏 の功労によるところ 大 で あろう。
ちなみに 私 (高橋 秀樹)
も 小坂 圭司 氏 に呼ばれたクチだが。)
(ちなみに [crosstalk] とは別なところから呼ばれてたアーティストもいたが。半々くらい ?)
ところが。
event 終了後の [反省会] とやらで、
Artist の [意識] の問題が取り沙汰され、
[crosstalk] 主宰 小坂 圭司 氏 の姿勢が問題視され、
[あなたがたの運動を利用して event を やりました、すみません]
みたいな話になったそうである。
にわかには信じられない話である。
第6章
廃寮反対運動と一般の学生たちとの間の断絶
一般の東大の学生はどうも駒場寮存続問題についてあまり関心がないらしい。
あの [Art event] の何が失敗だったかというと、それは [集客に失敗した] の一言に尽きよう。
(客が集まらなかったということは入場料が取れなかったということで、ひいては採算の面でも失敗ということだが)
その日は 駒場祭 でも あったので、普通ならば一般の客が相当見込めたはずだった。
ところが始まってみたら、ほとんど身内。そうでなければ廃寮問題とは関係なくやってきた
もともとの [crosstalk] の客ばかり。つまり、最もアピールしたい一般の東大の学生は
ほとんど客として来てくれなかった。
Artist の側に問題があったはずはない。
そもそも関心なんか持たれていなかった証明である。一般から見向きもされていない運動では
勝てそうにないな。
( [反省会] とやらで、 [客があまり来なかったのは、あんまりたんさん Artist を呼んだからだ] と言った奴がいたらしい。)
第7章
ところで、[駒場寮] とは [誰] か
別に私に関係ない話だが、そういえばわからないので。
廃寮阻止運動の主体は一体 誰 (どこ) なのか。
今まで会って話した人は、駒場寮に住んでいない人であったり、
住んでいるが学生ではない人であったり、というケースが多かったが。
なんの母集団を代表しているのか。駒場寮住民か。東京大学の学生か。
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