あの日あの時後悔はしない

24歳で結婚するのが夢だった。 軽井沢高原教会。 しあわせになる道を みずから捨てた。 あの日から わたしは しあわせになれない子になったのかもしれない。 何が不満だったのか。 ただ、自分が自分でなくなる気がした それから逃げたしたのはわたし。 自分勝手だといわれても仕方がない。 責任とれとののしられた。 替わりを用意しろと責められた。 でも、そう言われても仕方がないことをしたんだと思う。 いまでも 心から人が好きになれない。 もし、プロポーズされたら わたしはきっと 思い出してしまうかもしれない。 逃げてしまうかもしれない。 好きになって 遠くから見てるのが 一番楽だから。 淋しい。 だれか側にいて欲しい。 そう思うのはたしか。 でも、 それ以上に 相手に想われるのは怖い。 だから、わたしを嫌いな人を 想いつづけるのが、 一番楽な道だった。 それで満足だった。 いまさらなぜ 何かを求めているのか。 ううん。 大丈夫。 1人で生きてくことを決めたとき、 わたしは強くなることを 誓ったのだから。 大丈夫。 これからも ちゃんと生きてくからさ。

by Haruki Murase