COLT S.A.A. 


 てっぽーに興味を持つきっかけになったのが映画であることは「映画いろいろ」コーナーでも書いたとおりです。
その中でも私の「てっぽー観」に大きく影響を与えているのが西部劇です。
一発に命を懸ける潔さ、そして華麗なガンプレイ。
「道具としてのてっぽー」が一番格好良く描かれています。
あらゆるアクション映画に共通する「てっぽーロマン」の原点だと思います。
そんな西部劇の小道具として欠かせないのがシングルアクション・リボルバー。
前々から欲しかったんですよ、でも・・・
エアガンとして考えたら、オートマチックに比べて精度が出しにくいし連射性能も火力も遙かに劣ります。
基本的に「ゲームで使わない銃は買わない」ので、実用性の点でどうにも踏み切れなかったんですよねぇ。
しかし、「使えるてっぽー」でばかりゲームをしていると、だんだん新鮮味が薄れてきます。
ゲットできるのが当たり前というか、なんというか・・・
ライフルで狙撃銃を好んで使っているのは何故か。
一発を大事にしたいから。
ならば、ハンドガンでもこだわりを突き詰めてみようかと。
それに通常のゲームでは、サイドアームはそうそう頻繁に使うモノでもない。
使うことが少ないからこそ「持っていること」に意味のある銃を持ちたい。
という、いつも通りの支離滅裂な理屈で自分を納得させて初の新品ガスハンドガン購入に踏み切りました。

   今回購入したのはタナカ製コルト・シングルアクション・アーミーのアーティラリーHWタイプです。昔、モデルガンをやっていたときの知識では銃身が一番長いのがアーティラリー(砲兵)で、二番目の長さはキャバルリー(騎兵)だったので、タナカのネーミングを初めて見たときは「あれ、逆なんじゃねーの?」と思ってしまいました。しかし、実銃関係のサイトを廻ってみたら、銃身の長い順にキャバルリー、アーティラリー、シビリアンとなっていまして、タナカさんのネーミングが正解のようです。昔のCMCやコクサイの表示が逆だったようですね。
 さて、何故このモデルにしたのか?理由があります。単にファスト・ドロウをするためであれば、銃身の短いシビリアンモデルの方が有利です。しかし、ゲーム中にコンマ何秒の早撃ちは不要です。サバゲユースを考えたら、早く撃てるよりも遊びの部分がはるかに重要です。サバゲシーンにおけるSAAならではの遊びとは・・・
 「パンッ」「あ、ヒットォ」ゲーム中に撃たれたら誰に撃たれたか、思わず見ますよね。で、私が都合良くゲット出来たとします。相手は当然こっちを見ます。チラリ。その瞬間すかさず、クルクルッと銃を回してホルスターに納める。フッ、決まったゼ・・・てなアホなことを考えまして(^^;
 で、ガンスピンをするなら、重心バランスとホルスターへの納め易さが重要なポイントになります。無理なくドロウ出来るサイズで、なおかつホルスターに滑り込ませ易いようにエジェクターチューブよりマズルが長めとなるとアーティラリー、しかもマズルの方に出来るだけ重心バランスを持っていくためにはHWとなるわけです。HW材はオートマチックでは作動に難が出てきますが、アクションを人力で行うリボルバーでは問題になりません。それにHW材は金属が混入されているので、磨くと使い込んだような光沢がエッジ部分に出てくるので、見た目的にも良しなのであります。

   というわけで、実射性能なんかはそっちのけで導入したSAAですが、使うからにはそれなりの実用性も最低限欲しいところです。そこで、見た目を重視しながら(苦笑)、実用性向上のために手を入れていきます。
   まずは、精度向上の要、HOP機構です。ノーマルのHOPパッキンの出っ張り具合はぱっと見た目、そんなに悪くありません。ところが、実射してみると上下左右に弾が散っていきます。これは、後述するチャンバーパッキンとの兼ね合いもありますが、最大の原因はその形状。断面が一般的な半円形ではなく、V字型になっているのです。そのため、細いOリングを使用したときと同じように、回転が急激に掛けられることになり、弾道が不規則になってしまいます。

 そこでHOP改良第1段階として、HOPパッキンをマルイ・パイソン用のVカットパッキンに交換しました。タナカパッキンと外径&幅が全く同じなので全く無加工で組み込めます。この部分を交換するだけで弾道も30mくらいまでスーッと伸びるようになりました。
 Vパッキンへの交換は無加工で出来るのでお手軽かつ効果大ですが、その独特の形状から弱点もあります。耐久性です。通常のパッキンが面で弾と接触するのに対し、点で接触するような形になるのでどうしても摩耗するのが早くなります。SAAへの組み込みの場合、5000発くらいでしょうか、もつのは。まあ、使い方にもよるのでしょうが、「くらげ」同様、接触面積が小さいパッキンは寿命が短くなってしまいます。

 というわけでHOP改良第2段階、可変HOP化に乗り出しました。構造は単純で、HOPパッキンの真上からイモネジでテンションを調節する仕組みです。写真のように、バレル・ハウジングにインナー固定用のネジ穴の後方、パッキンの真上に当たる部分に垂直に穴を空けタップでネジを切ります。インナーのHOP用切り欠きはノーマルでは深すぎるので、電動用バレルから新規作り直し、またはノーマルの切り欠きをロウ付けや半田などで狭くする必要があります。HOPパッキンには外径6mmシリコンチューブの輪切りを使い、チューブとイモネジの間には薄切りにしたシリコン製Oリングの切れ端を入れてテンションラバーとします。このテンションラバーがボルトアクションチューンと同じく一番のキモです。硬すぎるとイモネジでダイレクトに押さえるのと同様に調節がシビアになってしまいますし、柔らかすぎると充分な回転がかけられなくなります。個体差がありますので一概にコレだというモノはありませんので、地道にトライ&エラーを繰り返してちょうど良いモノを見つけましょう。で、外観を気にする人はこのまま組み込んで、調整はインナー・アセンブリーを取り出して行うことになります。が、私はゲーム使用がメインなのでフレーム上部にも位置を合わせて穴を空け分解しなくとも調整できるようにしました。穴の場所がリアサイト用の溝の中なので、それほど目立たないからまあイイカということにしています。

 続いては、マガジン部分。実銃ではエジェクターロッドの部分が、タナカのペガサスシステムではBB弾を入れるマガジンになっています。本来は固定ネジの部分がスプリング内蔵のストッパーになっていて、これを押しながらインナーチューブを引っこ抜いて弾を込める構造になっています。ところが、このストッパーの解除位置が深くて、爪を伸ばすか道具を使わないとなかなかリリースできません。そこで、リューターでストッパーの収まる穴のマズル側内部の角を落として丸めます。こうするとノーマルほど深くストッパーを押し込まなくともリリースできるようになります。但しやりすぎるとチューブ先端の肉厚が薄くなって破損しやすくなることも考えられますので、少しずつ削ってリリースに問題がない程度にしておきましょう。
 マガジンチューブを外したついでにノーマルの黒染めを一旦全部剥がし、磨き直して薄めに染め直しました。ノーマルだと削った跡見え見えの状態で黒染めしてあるだけです。SAAの外装が真っ黒のつや消しでは今ひとつ雰囲気でないと思うのは私だけでしょうか。
 バラシついでで、もう一箇所。チューブ固定ネジをねじ込むブッシュを確認して置いた方が良いでしょう。私のは弛めに入っていたため、スピンの練習中にマガジンチューブが飛びました(苦笑。部品加工は良いのに組み付けが甘いですぞ、タナカさん。
 組み付ける時は、ネジ止めだけだと使い込んでいるうちにブッシュが抜けてしまいます。そこで、マガジンのアウターに接する面にカー用品売り場で売っている薄手のクッションタイプ強力両面テープを3cm程貼って補強しておくと、ガタつきもなくなり一石二鳥です。全面的に貼れば補強力倍増ですが、外せなくなる危険があるのでテープの長さはそこそこにしておいた方が無難です。

   ガスリボルバーの構造で一番ネックになるのがシリンダー・ギャップ、バレルとシリンダーの隙間です。ココがスカスカだと発射ガスがだだ漏れしてパワーロス&初速不安定化の原因になります。かといって、ぴったり押しつけてしまうと、摩擦抵抗が大きくなってシリンダーが廻らない、つまり撃てなくなります。 従って、バレルコーンの気密リングとシリンダー前面とが、触れるか触れないかのギリギリの位置関係になるように調整してやらなければなりません。
 やり方としては、シリンダーの位置を前後に動かすか、バレルの位置を前後に動かすかのどちらかとなりますが、シリンダーの位置調整は回転不良を招く危険が大きいのでやめておいた方が無難です。私はバレルの固定位置を少し下げることでギャップを減らすことにしました。
 タナカSAAは後方から挿入したインナーをフレーム前方からネジを切った部品で引っ張って固定しています。そこで、インナーベースの、フレームに当たって固定する部分に細い金属線をかませてスペーサーとします。私の場合、ギャップをスパークプラグ用のスペースゲージで測ってみたら0.2mm程あったので、線径0.2mmのスプリングを引き延ばしたモノを利用しています。これを写真で示している部分に挟み込んでマズル側の固定金具を締め込むと、インナーをノーマル状態より後退した位置で固定できるようになります。シリンダーをスムーズに出し入れでき、かつ、光にかざしても隙間が視認できないくらいのギリギリの位置を根気よく探しましょう。こうすることにより微妙なギャップ調整が可能になり、パワーロスを防いで初速もかなり安定します。

 タナカ製リボルバーのシリンダー内部には、BB弾保持&気密用のパッキンがシリンダー前面の穴に一つずつ収まっています。これがすべて同じ出来具合で、同じ保持力なら弾道のばらつきも無くなるのですが、そこはそれ量産品なので見事なまでにバラバラです。シリンダー前面に当たる部分が薄いリング状になっているのですが、ここにバリがランダムに残っていてパッキン毎に弾の保持力がかなり違います。保持力が違うため不規則に回転がかかって6つのシリンダー穴毎に弾道がてんでバラバラ。デフォルトの組み付けでは10mで1mに収まるかどうかという集弾性能でした(^^;
 そこで、この先端部分の外径を揃えて保持力を弱める加工を行います。ただし、単純にカッターやハサミで径を小さくすると上下左右の保持力に差が出てHOP的回転がかかってしまうおそれがあるので、パッキンのセンターをずらさないように加工する必要があります。用意するモノは、毎度おなじみ電動ドリル、そして外径6mmの丸棒です。丸棒をドリルチャックに取り付け、それにパッキンを被せて回転させます。回転するパッキンに軽く800番くらいのペーパーを当てて少しずつ削っていきます。シリンダー内部の穴にはめた時に自重で後ろから1.5mmくらいの所まで入るくらいの外径に揃えると良いでしょう。
 このようにして加工したパッキンをシリンダー本体に組んでみると、弾の装填が格段に軽くなります。ノーマルのままでは弾をグッと押し込まないと奥まで入りませんが、加工後はマガジン内部の最後の弾もフォロワーのスプリングの力でキチンと奥まで入るようになります。パッキンの保持力が均等になったので弾道も安定し、HOPパッキン交換の効果とも相まって10mネコ缶を連射出来るくらいになりました。

 あ、そうそう、タナカさんの組み付けの甘さがシリンダー内部にありました。シリンダー内部のバルブ機構のベース部分が内部で2本のビスで固定されているのですが、これががっちりとしまっていないことがあります。私のは200発くらいで弛んでしまい、ガスが殆ど放出されなくなりました。ガスが充分に入っているのに急にパワーが落ちてきたら、この部分が弛んでないかチェックすることをお勧めします。というより、ノーマルだとシリンダー内部のいらないところまでオイルが廻りきってますから、購入したらクリーニングついでに一旦バラしてネジ止め剤で固定しておいた方が良いかも知れませんね。

 ガスガン特有のチューンが一段落したら、今度はSAA独特のチューンナップを各所に施していきます。
 まず、トリガーを交換します。SAAはハンマー自重がオートやDAリボルバーに比べて格段に重いのでフルコックし損なった時に、かなりの負担が細いトリガーの接点部分にかかります。その為、ノーマルの亜鉛合金製のトリガー接点ではあっという間にいかれてしまうので、長興製のスチール・ワイドトリガーに交換しました。6Kちょっとと、パーツとしては結構イイ値段なのですが、柔らかい金属ではもたない部分なのでやむを得ません。で、このトリガー、ポン付けできないのはお約束通り。そもそもモデルガン用を念頭に採寸されているので、トリガースプリングのかかる部分が分厚すぎますから、前部をかなり削り込みます。ハンマーとの接点部分も1.5mm程長すぎるのでカットし研磨。指のかかる部分の左右にかなり切削バリが残っていたのでヤスリで角を落として鏡面仕上げします。ハンマーとの接点部分に軽く表面焼き入れをしてから、全体を再度研磨。仕上げは、薄くガンブルーで染めてなんとなくケースハードゥン風に仕上げました。

 続いて、シリンダーストップの加工です。といっても、こちらはノーマルが充分使える作りなので、リターンのタイミングを微調整して両側面と上面を研磨するくらいで充分です。リターンタイミングは、シリンダーの重い実銃やモデルガンと違って、タナカペガサスはシリンダーのガワだけが廻る構造なのでストップさせやすいことから、ちょっと遅いかな?くらいでも充分効きます。そうそう、側面研磨する際には角を落とさないように気を付けましょう。角が丸くなると、当たり前のことですが、シリンダーが停まらなくなってしまいます。

 トリガーとシリンダーストップの加工が終わったら、お次は、その二つのパーツにテンションを与える板バネの加工です。シリンダーストップ側は側面を研磨するだけ。一方、トリガー側はトリガープルを軽くするために根元の部分を軽く削ります。写真で赤く示した部分を削るだけで、プルは半分くらいに軽くなります。軽すぎるとハンマーとトリガーの接点が舐めてしまうことがあるので、削りすぎには注意しましょう。削ったあとはバリなどが残らないように綺麗に研磨して、錆びないようにオイルを軽く塗っておきましょう。

 組み立て順に進めてきたので、続いては、ハンマーです。こちらも、カスタムパーツが何点か出ていますが、ノーマルもなかなかの作りなので、ノーマルに少々手を加えれば充分だと思われます。ノーマルのハンマー本体は亜鉛合金製ですが、トリガーのかかるノッチ部分はスチールと組み合わせた二重構造になっています。そのため、スチール製トリガーと組み合わせて使ってもノッチが欠ける恐れはかなり低い作りになっています。ただし、ノッチの仕上げ自体はかなり荒いので目立てヤスリとペーパーでしっかり仕上げます。ハーフコックノッチが少々深すぎてシリンダーストップをオーバーランしてしまうことがあるので、突起部分をちょっとだけ削り、ハーフコックしやすくしておきました。角度調整等が終わったら、コックがスムーズに行えるようにトリガーに接する部分を一通り研磨しておきましょう。
 ノッチのチューンが終わったら次はハンマーの親指をかける部分、スパーの加工です。ゲーム用なので、片手にライフルを持ちかえてのワンハンドシュート、サミングでの使用がメインになります。サミング使用する場合、ノーマルのままではハンマーのスパー部分が滑らないため素早いコックが出来ません。エッジも立っているので強引にやると、指の皮が剥けてしまいます。また、スパー部分自体の大きさも、指がそれほど長くない私には少々大きすぎます。そこで、写真の赤く示した部分を削り、表面を滑らかに仕上げて、ドロウしながらのコッキングが楽に行えるようにします。スパー部分が僅かに短くなったので、若干ファニングはやりにくくなりましたが、両方やりやすい形状なんてのは機構的にあり得ないので致し方ないですね。まあ、やりにくい部分は徹底的に練習して出来るようにするしかないです。もっとも、練習しないと使いこなせないと言うのが、こういうレトロ趣味(変態ともいう)の醍醐味とも言えますな。
 で、練習で撃ち込んでいるとハンマーのバルブノッカーと当たる部分がだんだん凹んできます。ノッカーはスチール製でハンマー本体は亜鉛合金なので当然です。この部分が凹むとノッカーを打ち込むストロークが減少し、パワーダウンを招きます。そこで、ノッカーと同じ材質、スチールのピンをハンマーに埋め込んで摩耗対策を施しました。加工は至って単純で、打痕のあるところにドリルで穴を掘り、エポキシ接着剤を塗ったピンを打ち込めば完了です。埋め込むピンですが、単なる平行ピンでも良いのですが、ピン自体が使い込んでいるうちにハンマー本体にめり込んで思わぬ破損を招く恐れもない訳ではないので、釘のような頭が付いた物(おそらく電動ガン用HOPチャンバーの部品)を今回は利用しました。ルーターで座グリ部分を削り込むのが少々面倒でしたが、こちらの方が耐久性は上がるのではないかと思われます。

 そうそう、タナカさんの作りが甘いところ、もう一箇所ありました。シリンダーハンドについている板バネが、ハンド自体が亜鉛合金製のため締め付けが弱く、外れてしまうことがあります。私のは箱出し20発くらいで外れてシリンダーが廻らなくなりました。
 で、外れるだけなら、綺麗に脱脂してエポキシ系接着剤で留め直してやれば大丈夫なのですが・・・この板バネの溝、一番力が掛かる軸の真上にあるんですなぁ。バネが外れた時点で嫌な予感がしていたのですが、ご覧の通り、やっぱり逝ってしまいました。
 撃った弾数で言ったら5000発くらいでしょうか。コッキングしながらドロウする練習の空動作も含めれば倍の10000回くらいの作動回数になりますかね?2ヶ月間ほぼ毎日なにがしか動かしていましたから、まあ、寿命とも言えます。しかし、やはりSAAの内部部品はオートに比べて負荷が大きいので材質を何とかして欲しいところです。
 で、ここもカスタムパーツに交換したいところですが、シリンダーハンドもトリガー同様イイ値段です。そうそう高額パーツを入れても居られないので自作してみました。ジャンクパーツから適当な亜鉛合金のブロックを選び、サンダーで大まかに形を削り出し、ヤスリで丁寧に削って整えます。ノッチの形状、間隔、軸との位置関係は、シリンダーの回転や停止だけでなくハンマーポジションにも影響するのでノーマルと完全に一致させます。注意すべきは厚さ。ノッチのある大方の部分は4mmですが、軸の根元部分は4.5mmと一段厚くなってますので、削り出しの際、気を付けましょう。ノーマルでは板バネの挿入溝がテンションが掛かったときに抜ける方向に切られているため、なんども力を掛けられると抜けてしまいます。そこで、自作ハンドでは根元部分に厚みを持たせて保持力を強化させるのに加え、板バネ挿入溝をテンションのベクトルとは垂直方向に変更しました。板バネは自動車のワイパーゴムに内蔵されているステンレス材を利用、ハンドの軸はM4サイズのネジを直径3.3mmに削ったモノを圧入しています。

 最後に残ったSAA定番チューンはハンマースプリングのスリム化です。SAAはハンマーが重いので、多少スプリングか軽くなっても充分な撃発力があります。その為、実銃でもモデルガンでもハンマースプリングの幅を細くしてコッキングを軽くすることが良く行われます。ガスガンの場合、ハンマーの打撃力でバルブを解放するという機構上、あまり軽くすると急激にパワーダウンしてしまいますので、少しずつ試し撃ちしながら削っていった方が良いと思われます。私の場合、4cm位の長さに緩くアールを付け、最も深いところで左右2mmくらい削り混んだ程度に留めていますが、これでもコックは随分軽く感じるようになります。ファストドロウ仕様の場合、もっと細くしたモノを組み込んでいますが、まあ、ゲーム用なのでこれくらいで充分じゃないかと思っています。
 ちなみに、ファストドロウ仕様ではハンマーのオーバーラン防止のためにトリガーガードの付け根にイモネジを仕込んだりすることがありますが、私のSAAは摩耗対策にフルコックした時にトリガー先端がノッチギリギリの位置になるようにセッティングしていますので、オーバーラン防止ネジは設けていません。

 一通りチューニングが終わったら、後はひたすら練習です。SAAは現代の銃と使い勝手がかなーり違います。狙いを付けるのはサイトではなく、あくまでもグリップフィーリングです。指を差すのと同じようにSAAの銃口の向きをコントロールできるようになるためには、数撃ち込むしかありません。で、そこで問題となるのがランニングコスト。残念ながら、弾とガスなんて大したことないじゃない、と言えるほど私は金持ちではありません(^^;
 また、ゲーム用として考えた場合、タナカ製リボルバーは若干オーバーパワーであるという問題も抱えています。常温で0.2弾を使用した場合、初速は80m/s台後半から90m/sくらい、と電動ガン並みになることもあって接近戦ではちょっと・・・というところです。
 この、コストとパワーの問題を、細かい加工一切無しで解決してくれる一石二鳥アイテムがあります。御存知、OA器機用エアーダスターです。ガスガン用のHFC134aより10%ほど圧の低いHFC152aが充填されていて、地元のホームセンターでは420ml缶が398円。ガスガン用格安ボンベよりさらに安い!もっとも、ボンベのノズル形状がかなり違うので、そのままでは使えません。そこで、適当な真鍮パイプや既存のアダプター類を組み合わせて注入アダプターを自作しました。まあ、パイプの材質は別に金属でなくとも良いのですが、たまたま手元にゴロゴロしている材料で径が合わせやすかったのが真鍮パイプだったというだけのことです。で、この自作アダプターを利用してHFC152aを充填して撃つと、常温で0.2弾を撃って70m/s台半ばとガスブロ並みの初速になります。これで至近距離でも気兼ねなく抜き撃ち出来るようになりました(^^)。
 エアーダスターボンベは、ノーマルのガスブロにそのまま使うには少々パンチ不足ですが、タナカ製リボルバーだけでなくデ○コンやM○XIなど箱出しでのゲーム使用がためらわれるガスガンにも応用できると思います。あと、K○Cみたいにブローバックパワーが強すぎてすぐ壊れてしまうモノにも使えるかも知れませんな。是非お試しアレ。

 で、SAAは銃だけもっていても何ともしまらない銃であります。この銃にはやはりガンベルトが必須でしょう。というわけで、メキシコ製のパチ物ガンベルトも購入しました。8kなり。本格的な早撃ち用のモノに比べ、角度が中途半端だしスチールライニングも入ってないしで、決して使いやすいとは言い難いところです。一応メキシカンループスタイルですが、本物のトラディショナルスタイルとは厳密にいえば違う、いわゆる土産物的な出来映えです。が、いずれのスタイルを採るにも、本格的なモノを買おうと思ったら最低でもこれの倍以上は出さなきゃいけないので、コスプレアイテムとしては充分ではないかと。エングレーブと色合いはなかなか良い感じです。
   ベルトを締めてウェスタン・スタイルをするなら、どうしても欠かせないのがレザーのベスト。っつーことで、ベストも2kで買ってしまいました。こちらは本場物のメイド・イン・USA。コスプレ用として買ったんですが、着心地がイイし、ポケットの配置も使い勝手がよいので、殆ど毎日身につけるお気に入りアイテムになりました。
 ガンベルトとレザーベストまで揃えたら、もう止まりません。当然、次なるアイテムはカウボーイハット。マックィーンのようなベージュやリー・バン・クリーフのブラックも魅力ですが、理想はうーむ・・・やはりここは「夕陽のガンマン」でイーストウッドが被っていたような、焦げ茶色のハードフェルトタイプ。しかーし、これもステットソンなどの本物を買うとえらい出費になってしまうので、地道にオークションで探します。気に入ったデザインと色合い、かつ手頃な値段というものがなかなか無くて時間がかかりましたが、ようやく良さそうなものが見つかりました。カナダ製のハードフェルトタイプ、3kなり。薬缶のスチームを利用して自分の頭の形に合わせ、鍔のシェイプも整えます。ふふふ、なかなか良いぞ。
 もうこうなると、あとはブーツとなりそうですが、サバゲー・フィールドをウェスタンブーツで走り回るのも如何なものかということで、踏み切れません。つーか、ブーツより春に出る予定のKTWのウィンチェスター2ndロットが待ち遠しいところです。
 コスプレって・・・金掛かるのねぇ(^^;



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