[詳細探訪] 参考:小学館発行「万有百科大事典」 〈カジカガエル〉 カジカガエル河鹿蛙は、両生綱無尾目アオガエル科に属する渓流性のカエルである。 鳴き声が鹿に似るところから命名され、単にカジカとも呼ぶ。雄は5月頃から流水中の石 の上で鳴き始める。鳴き声の主周波数は約2kHzで、ヒュル、ル、ル・・・・・・と2〜3秒間持 続する。体色は暗灰色で、濡れた石の上では目立たない。日中は川岸の石の下などに潜 んでいる。雄の体長は3〜4pであるのに対し、雌は大きく5〜7pである。指の先端には 吸盤が発達し、後肢には水掻きがある。卵は直径約3oで透明な寒天質に包まれ、水流の 淀みに産み付けられてる。カジカガエルはわが国の固有種で、本州、四国、九州に分布 する。 琉球諸島には、ニホンカジカガエルが広く分布している。これは体長3〜4pの小形種 で、山地よりも低地に多く、特に人家の周りの溝に多い。吸盤は小さく、鳴き声はカジ カガエル程美しくない。5〜8月に溝や水溜まりに小さな卵塊を産む。