11 樹陰に苔生す岩やその仲間〈日本の地質〉
樹陰に苔生す岩やその仲間〈日本の地質〉
〈日本の地質〉
△日本列島の構造
日本の地質構造は,本州区(本州・四国・九州・北海道西南部)と日高区(北海道中
央部・東部)とに区別されます。本州区は,古生代中頃から発展してきたところで,古
生代の後期から中生代の初期にかけ,激しい造構造運動(褶曲や断層を伴う隆起運動)
や深成岩の貫入,変成岩の生成がなされたところです。日高区は,中生代の頃から地層
が堆積し,中生代の末頃から造山期に入っています。
本州区の東北日本と西南日本は,糸魚川―静岡構造線(フォッサマグナの西縁)によ
って境されています。フォッサマグナ地帯の特徴は,富士山をはじめとする日本有数の
火山が分布しているところです。また,東北日本には活火山が多く,西南日本には活火
山の無い(一部のみ)のが特徴です。
△火山灰
火山灰はその見られるところにより,赤土,黒ボク,ヨナ,ロームなどと呼ばれ,い
ずれも空隙の多い地層です。
火口から噴き上げられた火山灰は,多くの場合,北半球に普遍的な偏西風によって東
方に運ばれて降下します。火山灰の粒度は,噴出した火山から遠ざかるに従って次第に
細粒となります。
△鉱産資源
わが国の地質構造は複雑で,鉱産資源の種類は豊富ですが,量は少ないです。
石炭は,過去の植物の遺骸が地層中で炭化したものです。わが国のものは新生代古第
三紀の若い石炭です。
石油は,過去の微生物の遺骸から由来した油が,地層の空隙中に貯蔵されたものとい
われています。おおむね新生代以後の地層中に胚胎しています。
新第三紀前半の火山作用に伴ってできた東北裏日本の鉱床地帯では,銅・鉛・亜鉛・
硫化鉄などの鉱床が見られます。
△自然災害
東京付近における関東大震災のような地震災害は,徳川時代から約60年に1回の割合
で起こっています。
また,台風や梅雨前線による集中豪雨などで毎年のように洪水や山崩れ,地すべりが
発生しています。
地下水の豊富にところでは,工業の発展に伴う地下水の過剰汲み上げや,天然ガス採
取による地盤沈下,さらに石炭採掘による地表の沈下が問題となっています。
参考 「やさしい地質学」築地書館株式会社発行
地質学入門シリーズ THE END
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