34b 日本名庭100選〈別選京都〉
72 智積院庭園
@京都市東山区 A国名勝 B延宝2年 C運敞僧正 D智積院
智積院は新義真言宗智積山派総本山で,その庭園は中国の揚子江に基づき,細長い池
泉と,鋒鋩たる仮山聚景です。築山に枯滝石組を施置し,石橋を架けて主景としていま
す。
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73 東福寺庭園
@京都市東区 A― B昭和14年 C重森三鈴 D東福寺
臨済禅の名刹東福寺の庭園は,欧米における枯山水の理解と流行をもたらした三鈴の
作品です。八相庭の立石は,気魄に満ちて大胆です。
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74 芬陀院庭園
@京都市東区 A― B室町中期 C― D東福寺芬陀院
芬陀院庭園は,書院前庭としての枯山水ですが,その形式は手前に白砂を不等形に配
し,背後を樹林とし,苔を敷き詰めたところに鶴島,亀島を置いて,ここに豪快な石組
を用いています。
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75 東福寺開山堂庭園
@京都市東区 A― B江戸中期 C― D東福寺
東福寺開山堂庭園は,山水池と枯山水の折衷形式ですが,江戸初期から中期にかけて
の作庭の典型です。荒々しくびっしり組まれた石,蓬莱式の枯山水,市松砂紋の白砂敷
などが観賞のポイントです。
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76 京都御所庭園
@京都市上京区 A―(宮内庁) B桃山期〜江戸初期 C小堀遠州ほか D宮内庁
京都御所の庭は,いわゆる泉石庭と,わが国古来の御所としての内裏の白砂庭とに分
けられます。内裏の紫宸殿前の広庭は,平安の昔からの様式をそのまま伝えているばか
りでなく,中国の制度にも則ったものであり,またその清麗で崇高な白砂は,その源流
をわが国神道シントウの籬ヒモロギとしての清浄なる世界に発するものでもあります。紫宸殿
の東北にある泉石庭の小御所庭は,正面には美しく小さな栗石の形の整った小石を池泉
及び汀曲に敷き詰めた山水庭です。同じく泉石庭の御常御所の庭は,平安の昔の寝殿造
りの作庭を伝える曲水式の,御所らしい庭です。
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77 仙洞御所庭園
@京都市上京区 A―(宮内庁) B江戸初期 C小堀遠州ほか D宮内庁
仙洞とは緑同(すなわち仙人の住まうところ)をいい,御所では上皇が隠棲する御所
の称号です。仙洞御所庭園は,南長に細長い林泉庭です。池泉の北を「真の山水」,中
を「行の山水」,南を「草の山水」などと呼んでいます。
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78 本法寺庭園
@京都市上京区 A― B桃山〜江戸初期 C本阿弥光悦 D本法寺
日蓮宗叡昌派本山の本法寺の「巴の庭」は,枯山水庭にして,中央に輪状に池をつく
った意匠で,京都の古庭園のなかでも特異です。名物「巴の庭」は書院東庭に作庭され
たものですが,三つの石組と中央の築山が巴の字状に配されています。巴の三石組は,
蓬莱,方丈,瀛州エイシュウの三神島を教理としてつくられています。
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79 渉成園
@京都市中京区 A国名勝 B平安〜江戸初期 C源融・石川丈山 D東本願寺
渉成園は東本願寺の別邸で,別名枳殻キコク邸とも百間屋敷ともいいます。庭園の作風
は奥州塩釜に求め,幾多の島,廻遊式としての数々の茶亭,また華・静・幽の要素をも
盛り込んでいます。
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80 二条城二の丸庭園
@京都市中京区 A国特別名勝 B慶長年間・寛永3年 C― D京都市・文化庁
二の丸庭園は,二条城の城郭庭園です。国宝二の丸殿舎などの建築美と,豪宕の趣き
に徹した庭園美の対象美が,完全に保存されている全国唯一の遺構といえます。観賞の
ポイントはなんといっても,美しい曲汀をもった大小の石組の,豪快にして,揺るぎな
く,いかにも武家好みの護岸石の素晴らしさです。
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81 西本願寺庭園
@京都市下京区 A国史跡・名勝(滴翠園) B桃山期〜江戸初期 C―
D西本願寺
西本願寺の庭は桃山芸術の遺構で,有名な庭が二つあります。大書院及び対面所の前
庭としての「虎渓の庭」は,武家様式を全面に打ち出し,蘇鉄ソテツを主景にした本格的
な枯山水庭です。飛雲閣を含む大池泉廻遊式庭園の「滴翠園」は,飛雲閣,鐘楼,茶亭,
そして護岸など大石の石組,桜・梅・楓の樹々などは,廻遊の面白さを演出しています。
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82 醍醐三宝院庭園
@京都市伏見区 A国特別史跡・特別名勝 B桃山期 C豊臣秀吉・竹田梅松軒ほか
D醍醐寺三宝院
醍醐の花見のために作庭したのが醍醐三宝院の庭園で,豪健にして,壮大,まさに桃
山文化史を語る上で貴重な庭園です。秀吉がまだ見ぬ富士に想いを寄せた,白砂を頂い
た築山,主護石の藤戸石など,寝殿造りの古法の庭を踏襲しています。
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83 平等院庭園
@京都府宇治市 A国史跡・名勝 B平安中期 C藤原頼通 D平等院
平等院庭園は,平安時代特有の浄土庭園の形式を持っていて,池泉は「阿宇池」とい
って阿弥陀堂(鳳凰堂)の前庭として,八功徳水を満たした極楽浄土の七妙宝池です。
平泉の中尊寺庭はこれより数十年を経て生まれ,さらに毛越寺庭ができます。これはこ
の平等院の池泉庭である浄土庭園を真似たものと伝わっています。
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参考:「日本名庭100選」秋田書店
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