20 東京の老樹名木
 
               東京の老樹名木
 
                     「老樹は必ずしも名木とは限らず,名木
                    必ずしも老樹とは言えません」と著者の金
                    井利彦氏が述べています。
                     本稿は郷学舎発行の「東京の老樹名木」
                    を参考にさせていただきました。
                     この老樹名木を標的に,都内散策を楽し
                    んではいかがでしょうか。なお,双眼鏡を
                    お持ちになれば,バードウォッチングもで
                    き,一石二鳥です。       SYSOP
 
 〈東京の老樹名木〉
 
  △善福寺のイチョウ:国指定天然記念物
 港区元麻布一丁目の台地中段の東向きの善福寺は,弘法大師の創建と伝えられ,その
後,親鸞上人の挿し杖の言い伝えのあるのイチョウです。「逆公孫樹」「杖公孫樹」と
も呼ばれています。
 幹廻りは9m,梢端は戦災を受けており,大正15年10月に天然記念物の指定された古参
の樹です。
 
  △練馬白山神社の大ケヤキ:国指定天然記念物
 西武池袋線豊島園駅下車,白山神社に2本の大ケヤキが立っています。
 下段のケヤキは根元周囲約13m,目通り幹廻り約7.5m,上段のケヤキは根元周囲約9.7
m,高さはいずれも20mを越えています。
 「欅ケヤキの巨樹として有数のものなり」として,上段の大ケヤキが天然記念物に指定さ
れました。
 
  △雑司ヶ谷鬼子母神のイチョウと同大門ケヤキ並木:都天然記念物
 豊島区にあります雑司ヶ谷鬼子母神は法明寺の支院で,境内にはイチョウ,ケヤキ,
カヤなどの大木が茂っています。
 天然記念物のイチョウは,根元周囲11m,目通り幹廻り約6m,高さ約23.5m,樹勢なお
旺盛な樹で,樹齢600年と推定されます。
 大門のケヤキ並木も樹齢600年と推定され,現在残っているものは5本,目通り5.5mで
す。
 
  △横倉邸のケヤキ並木:都天然記念物
 杉並区の井の頭通りと井の頭線の間の台地に,高さ30mのケヤキの樹数本が残っていま
す。
 
  △大鳥神社のオオアカガシ:都天然記念物
 目黒区下目黒三丁目の大鳥神社のオオアカガシは,目通り幹廻り1.7m,高さ17mです。
 神社の社叢には,このほかオオアカガシ,イチョウ,シイ,クスなどがあり,1368u
を目黒区の保存樹林として指定されています。
 
  △桜小学校のオオアカガシ:都天然記念物
 東急世田谷線上町駅近くの桜小学校の校庭にこのオオアカガシがあり,目通り幹廻り
約3m,高さ約20mあります。
 
 △馬場大門のケヤキ並木:国指定天然記念物
 京王線府中駅近く,大国魂オオクニタマ神社参道の馬場大門のケヤキ並木は,延長800mに及
びます。
 11世紀,源頼義・義家父子が前九年の役の戦勝を謝して植樹したと伝えられ,巨木数
十本,目通り3〜6mが整然と並んでいます。
 
  △谷保天満宮の社叢:都天然記念物
 南部線谷保駅下車,谷保天満宮の森には,イチョウ,ケヤキ,シラカシ,イヌシデ,
コナラ,スキ,ヒノキなどのほか,ヒサカキ,アズマネザサなどが生えています。
 
  △善養寺のカヤ:都天然記念物
  世田谷区野毛の善養寺は多摩川に接し,そこのカヤは,目通り幹廻り5.25m,高さ22.6
mの雌木です。
 山門の前にはタブが茂り,まさに壮齢な景観です。
 
  △上野毛のコブシ:都天然記念物
 大井町線上野毛駅近くの五島美術館の構内に,このコブシが生えています。
 株立の根元は周囲2.77m,高さは12m,枝張りは東西12.6m,南北17.5m,開花時は壮観
でしょう。
 
  △秋葉のクロマツ:都天然記念物
 大田区田園調布の照善寺の守護神である,秋葉神社にあるクロマツです。
 目通り3.9m,高さは約17m以上あり,幹の肌の鱗具合が若々しいです。
 
  △九品仏のイチョウとカヤ:都天然記念物
 九品仏は大井町線九品仏駅近くの浄真寺で,楼門の内参道の両側にイチョウの巨木2
本あり,目通り幹廻り4.2m,高さ約20mです。
 カヤは本堂近くにあり,目通り幹廻り5.25m,高さ31.3m,枝張り東西12.18m,南北
17.87mで都内最大です。
 
 △旧蓬莱園のイチョウ:都天然記念物
 台東区浅草橋五丁目の都立忍岡高等学校の校庭に,小堀遠州の造庭と伝えられる松浦
家の蓬莱園があり,そこにイチョウが生えています。
 目通り幹廻り4.75m,高さ18.5mの枝張りの良い樹です。
 
  △吉祥寺旧本宿のケヤキ:都天然記念物
 中央線吉祥寺駅の近くの町中にあります。
 このケヤキは目通り幹廻り5.35m,高さは30.5mです。
 
  △吉祥寺八幡神社のキハダ:都天然記念物
 中央線吉祥寺の北に武蔵野八幡神社があります。
 このキハダは目通り幹廻り2.22m,高さ約19mで,空洞があります。
 
  △布田のシロバナヤブツバキ:調布市天然記念物
 京王線布田駅の南400mのところにこのシロバナヤブツバキが生えています。
 5本の株立,高さ5m,枝張りは東西7m,南北8mで,樹齢700〜800年と推定されま
す。
 
  △虎狛神社のクロマツ:都天然記念物
 調布市の神代植物公園の近くに虎狛神社があり,別称「虎柏トラガシワ神社」ともいいま
す。
 このクロマツは目通り4.4m,高さは30mあり,社叢にはシラカシ,イヌシデなどが生え
ています。
 
  △青渭神社のケヤキ:調布市天然記念物
 調布市の神代植物公園の近くに青渭アオナミ神社があります。
 このケヤキは,目通り幹廻り5.6m,高さ34mあります。
 
  △玉林寺のシイ:都天然記念物
 上野の谷中一丁目に玉林寺があります。
 このシイは枯れたようになっており,目通り幹廻り6.5m,高さは16.8mで,以前は都内
最大の樹でした。
 
  △延命院のシイ:都天然記念物
 山手線日暮里駅の西日暮里近くに延命院があります。
 このシイは樹齢600年以上といわれ,目通り幹廻り5.3m,高さは16mの枝振りのよい樹
です。
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