学名解説(属名)[A〜B]
 
 B
 
Balaneikon n.<属名,1. Balania(属名)+iei(性質がある)。Balania に類する
 性質のものの意。ツチトリモチ科
Balania f.<g. balanos(カシの実)から。ツチトリモチ科
Balanophora f.<g. balanos(カシの実)+phoreo(有する)。植物体が団栗ドングリ
 型をしているため。ツチトリモチ科
Bambusa f.<土名 東インドの土名。イネ科
Bangia f.<人名 植物学者 Hofman-Bang の名に因む。ウシケノリ科
Barbarea f.<人名 St.Barbara(女聖者の名)に因む。昔は St.Barbara の草と云わ
 れ,その種子は西欧では St.Barbara の月近く(12月半)に見られる。アブラナ科
Barbella f.<1. barba(髭ヒゲ)の縮小形。体が細いから。蘚類
Bartramia f.<人名 北米の植物学者W.Bartram(1739〜1823)に因む。蘚類
Basella f.<土名 インドの Malabar 地方での呼び名。ツルムラサキ科
Bauhinia f.<人名 スウェーデンの J.&C.Bauhin 兄弟の名に因んだもの。葉の先が二
 つに割れていることを兄弟に見立てた。マメ科
Bazzania f.<人名 コケの学者Bazzani に因む。苔類
Beckmannia f.<人名 独Goettingen の教授Johann Beckmann(1739〜1811)に因む。
 イネ科
Begonia f.<人名 サンドミンゴの総督Michel Begon(1638〜1710)に因む。シュウカ
 イドウ科
Belamcanda f.<土名 この種に対するインド Malabar 地方の土名による。アヤメ科
Bellis f.<1. ヒナギク(デージー)のラテン名。bellus は美しいの意。キク科
Benincasa f.<人名 イタリアの貴族で植物の好きな G.Benincasa(1500〜1595)の名
 に因む。ウリ科
Benzoin n.<ar. ben(香芳)+zoa(滲出物)。クスノキ科の植物に対する古い呼び
 名で,芳香のある精油を出すため。クスノキ科
Berberis f.<ar. この植物の果実に付いたアラビア名 berberys に由来する。また一
 説には葉の形が貝殻(berberi)に似るためとも云う。メギ科
Berchemia f.<人名 多分18世紀のオランダの植物学者Berhout von Berchem の名に因
 んだもの。クロウメモドキ科
Berchemiella f.<属名 Berchemia の縮小形。クロウメモドキ科
Berteroella f.<人名 イタリアの Carlo Guiseppe Bertero(1789〜1813)の名に因
 んだ属名 Berteroa の縮小形。アブラナ科
Beta f.<1. ケトル語の bett(赤)の意。根が赤色をしているために付いたラテン
 名。アカザ科
Betula f.<1. 古代ラテン名。カバノキに対するケルト語の呼び名 betu に基づく。
 カバノキ科
Bidens f.<1. bi(二)+dens(歯)。果実に歯のような形の刺が二本あるため。キ
 ク科
Bilderdykia f.<人名 Bilderdyk に因む。タデ科
Biota f.<g. bios(生命)の意。ヒノキ科
Bistorta f.<1. bis(二重)+tortus(捩れ)。二重に捩れたの意。根茎の形から
 か。タデ科
Blasia f.<人名 Blas に因む。苔類
Blechnum n.<g. ギリシャ名 blachnon から来たもの。ウラボシ科
Bletilla f.<属名 Bletia の縮小形(Bletia の名はスペインの薬剤師L.Blet の名に
 因む)。ラン科
Blyxa f.<g. blyzo は流れる意。流水中に生ずるから。トチカガミ科
Boehmeria f.<人名 ドイツ Wittenberg の教授Georg Rudolph Boehmer(1723〜1803
 )の名に因んだもの。イラクサ科
Boenninghausenia f.<人名 ドイツの Clemens Maria Friedrich Boenninghausen の
 名に因む。ミカン科
Boletopsis n.<属名 Boletus 属+opsis(似たもの)。ハリタケ科
Boletus m.<g. bolos(土塊)から。印象の類似からか。一説にケルト土名(bolit-
 es,食べられるキノコ)からとも云う。ハリタケ科
Boniniella f.<地名 Boninia 属の縮小形。Boninia は小笠原諸島に対する英語名
 Bonin に基づき,この語は munin(無人島)の音便である。ウラボシ科
Boschniakia f.<人名 ロシアの植物学者A.K.Boschniaki の名に因む。ハマウツボ科
Bothriochloa f.<g. bothrion(小穴)+chloa(禾本)。穎に一個の凹みがある特徴
 から。イネ科
Bothriospermum n.<g. bothrion(小穴)+sperma(種子)の意。ムラサキ科
Botrychium n.<g. botrys(葡萄の房)の縮小形。房状をした胞子葉の外観による。
 ハナヤスリ科
Botryopleuron n.<g. botrys(総状)+pleron(肋骨)。花序が茎の両側に並んで腋
 生するから。ゴマノハグサ科
Boykinia f.<人名 アメリカ(ジョージア州)の初期の植物学者Samuel Boykin に献
 じられた名。ユキノシタ科
Brachycyrtis f.<g. brachys(短)+cyrtis(湾曲)の意。Tricyrtis に似ているた
 め。ユリ科
Brachyelytrum n.<g. brachys(短)+elytron(外皮)の意でその苞穎が非常に短い
 ことから来たもの。イネ科
Brachypodium n.<g. brachys(短)+podion(小足)の意。イネ科
Brachythecium n.<g. brachys(短)+theca(箱)。胞子嚢が短いため。蘚類
Brasenia f.<土名 ペルシャ語が語源と云われるが意味は不明。ヒツジグサ科
Brassica f.<1. キャベツの古いラテン名。ケルト語でもキャベツのことを bresic 
 と呼んだ。アブラナ科
Briza f.<g. ライムギのギリシャ名を転用。イネ科
Brodiaea f.<人名 スコットランドの植物学者James Brodie の名に因む。ユリ科
Bromus m.<g. カラスムギ(燕麦)に対するギリシャ古名で broma(食料)の意から
 来た。イネ科
Broussonetia f.<人名 フランスのモンペリアの医者で,自然科学者でもある P.M.A.
 Broussonet(1761〜1807)に因んだ名。クワ科
Bruguiera f.<人名 フランスの医者J.G.Bruguieres(1737〜1798)に因む。ヒルギ科
Brunfelsia f.<人名 ドイツの本草学者Otto Brunfels(1489〜1504)の名に因んだも
 の。ナス科
Brylkinia f.<人名 ロシアの Brylkin から来たもの。イネ科
Bryopsis f.<g. Bryum(コケの属名)+opsis(似)。概形が細かい葉のコケに似る
 から。ハネモ科
Bryoxiphium n.<g. bryum(コケ)+Xyphium。葉の集まり方が Iris xyphium とよく
 似ている。蘚類
Bryum n.<1. コケの意で,それを限定して使用。蘚類
Buckleya f.<人名 アメリカの諸学者Samuel Botsford Buckley(1809〜1884)の名に
 因んだもの。ビャクダン科
Buddleia f.<人名 イギリスの植物学者Adam Buddle(1660〜1715)の名に因む。フジ
 ウツギ科
Bulbophyllum n.<g. bulbos(鱗茎)+phyllon(葉)。鱗茎から葉が出ているから。
 ラン科
Bulbostylis f.<g. bulbos(鱗茎)+stylus(花柱)。花柱の基部が鱗茎条に膨れて
 残るから。カヤツリグサ科
Bupleurum n.<g. bous(牡牛)+pleuron(肋骨)の意。葉の付き方に対する連想。
 セリ科
Burmannia f.<人名 オランダの植物学者Johannes Burmann(1706〜1779)の名に因
 む。ヒナノシャクジョウ科
Buxbaumia f.<人名 コケの研究家Buxbaum に因む。蘚類
Buxus f.<1. 植物のラテン名。箱(puxas)から来た名で,この植物(ツゲ)の材で
 小箱などを作るため。ツゲ科
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