17d キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
 
《高山モミ・ツガ林コース》
 
 △アカモミタケ
 [別名]アカハツ
 [発生時期]8月下旬〜11月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]比較的高い山のモミ,ツガ,マツなどの霧が舞う針葉樹林内によく群生
     します。全体が橙黄色で,大きくなると傘がじょうご状に反り上がり,ヒダ
     から朱色の乳液が出ます。乳液は空気に触れても変色しませんので,苔や下
     草の緑の中で目立ちます。太い柄に楕円状に窪んだ点々があります。
 
 △マスタケ
 [別名]アカンボウ
 [発生時期]8月下旬〜10月下旬
 [発生場所]倒木,枯木,生木
 [見つけ方]モミ,ツガなどの針葉樹に生えるサルノコシカケの仲間で,比較的奥山
     の大きな倒木,枯木,ときには生木の樹皮にも生えます。20〜50pもの大き
     な鱒マスの肉のような朱紅色をした団扇ウチワのような形をし,何層にも重なっ
     て生えます。樹下だけでなく大木の上方にも注意して探しましょう。
 
 △ショウゲンジ
 [別名]ハチマキボウズ
 [発生時期]9月下旬〜11月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]比較的高山のモミ,マツ,コナラ,ブナなどの混生林の少し湿った苔の
     生えているところによく群生しています。丸山形の黄土色の幼菌のうちは,
     綿毛のようなツバが鉢巻のようです。傘を開くと4〜15pになり放射状のし
     わができます。ヒダは白から褐色に変わります。1本見つければ必ず近くに
     群生しています。
 
 △シモフリシメジタケ
 [別名]ユキノシタ
 [特徴]傘径4〜8p,黒色の細かい模様を帯びています。湿ると少しヌメリが出ま
     す。
 [発生時期]10月下旬〜1月下旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]秋遅く高い山にはミゾレや霜が降り初雪が舞う頃,モミ,マツ林や混生
     林の地上にかたまって生えます。山の峰近くの水はけのよい冷たい風のあた
     るところに出やすいです。煤ススを被ったような傘が垂れ下がります。ヒダや
     柄は黄白色で根元が少し太いです。エノキタケを採りながら登って行きます
     と,頂上付近でシモフリシメジに出合うことが多いです。
 [紛らわしい毒キノコ]ネズミシメジ
 
 △オオツガタケ
 [別名]ホンツガタケ
 [特徴]幼菌は丸山形でヌメリが多く,傘が開くと5〜10pになります。ヒダは白色
     から黄土褐色に変わります。
 [発生時期]9月下旬〜10月下旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]山の下ではマイタケが終わりシメジが出る頃,高い山の頂上付近のモミ,
     ツガ林,特にツガの樹下の地上に点々と生えます。水はけ,日当たりがよく
     下草の少ないところに出やすいです。地表を眺め透かし,モコッと持ち上が
     った部分に,黄色のキノコが見えたらしめたものです。大型のナメコのよう
     にヌメリが多く,白い綿毛のある柄は太くて硬いです。
 
《家の近くコース》
 
 △コムラサキシメジ
 [特徴]芝生には菌輪をつくり円状に生えることもあります。梅雨と秋雨後,初夏と
     秋の2回発生します。
 [発生時期]6月中旬〜7月中旬,9月中旬〜10月下旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]野菜畑,芝生,道端など土の肥えたところにかたまって群生し,生える
     と沢山採れます。傘径4〜8p,高さ2〜8p,小型で美しい灰紫色をして
     います。大きくなるにつれ,傘が平たくなって色が淡くなります。何故かモ
     チ米の藁ワラが好きで,畑にモチ米の藁を堆肥にして入れておきますとよく生
     えます。
 
 △ハタケシメジ
 [別名]ニワシメジ
 [発生時期]6月中旬〜7月上旬,9月上旬〜11月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]肥えた畑,道端,庭,草地など,いたるところから長雨の後に群生しま
     す。数本が株元でくっついて大株になり,地面が見えなくなるほど発生しま
     す。傘径が4から10pにもなり,ネズミ色〜淡灰褐色の傘,灰白色のヒダ,
     柄はホンシメジによく似て味も最高です。一度出たところには毎年出ますの
     で覚えておきましょう。
 [紛らわしい毒キノコ]クサウラベニタケ,イッポンシメジ
 
 △コガネタケ
 [別名]キナコタケ
 [特徴]傘径5〜15pの大型で,スカート状のツバがついています。
 [発生時期]8月中旬〜10月下旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]旧盆が過ぎ朝夕涼しい風が感じられる頃,日当たりのよい草むら,道端,
     庭,畑など肥えたところに群生します。糞尿などをかけたところに出やすい
     です。ただし,毎年同じところに生えるとは限りません。柄が長くツバがあ
     り,全体に黄金色の粉が付着しています。食べ過ぎると不消化で下痢をする
     ことがあります。
 [紛らわしい毒キノコ]オオワライタケ
 
 ツブエノシメジケ
 [発生時期]5月中旬〜6月下旬,9月上旬〜10月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]梅雨や秋雨が続くとき,庭,道端,草地,林内にかたまって生えます。
     白色,丸山形の傘は,初め中央が臍ヘソのように突出し扁平になった後,反り
     上がってロート状になります。ヒダ,柄は灰白色で,柄には褐色〜黒褐色の
     ヒビ割れ状の鱗片模様があります。大きくなると傘径が20p以上にもなりま
     す。
 
                  参考 農文協発行「キノコ狩り必勝法」THE END
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