16g キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド1〉
 
〈晩秋・・・・・・10月下旬〜11月〉
 △ムキタケ
 [別名]ノドヤケ
 [特徴]傘径5〜15p,半円形,淡黄褐色で,ときには紫を帯びるものもあります。
     ヒダは黄白色で肉は厚く白く,柄の断面のつけ根も白いです。
 [発生時期]10月上旬〜12月下旬
 [発生場所]倒木,切株,枯木
 [見つけ方]みぞれの降る頃,湿度の高い谷沢の奥まったところを歩きますと,ブナ,
     トチ,ナラなどの広葉樹の倒木,切株,枯木に重なり合うように生えていま
     す。柄は短く柔らかな感じで,湿っているときには少しヌメリがあります。
     細毛に覆われた表皮は薄く,剥がれやすいです。
 [紛らわしい毒キノコ]ツキヨタケ
                                                                              
 △ブナハリタケ
 [別名]カミハリタケ
 [発生時期]10月中旬〜11月下旬
 [発生場所]倒木,切株,枯木
 [見つけ方]晩秋に霧が立ちこめる沢地などのブナ,カエデの倒木,枯木,切株に重
     なり合って生えます。不規則な半円形の傘は,純白色で下面に無数の針状の
     突起が密生しています。海綿のように吸水性があり,雨後に採ったときは絞
     ってから袋に入れます。コウタケのように強い甘い香りがあり,ハエが群が
     ります。乾くと縮み紙にように薄くなります。
                                                                              
 △ナメコ
 [別名]ヌラボコ
 [特徴]傘が開くと傘径3〜8p,古くなるにつれてヌメリも少なくなり,色も淡く
     なります。ヒダは灰色,柄は3〜8p,傘と同じく粘液に包まれています。
     市販のものは,ビン栽培でつくられた幼菌のものです。
 [発生時期]10月中旬〜1月下旬
 [発生場所]枯木,倒木
 [見つけ方]晩秋から初冬,高山には新雪が見られる頃,紅葉したブナ林などの広葉
     樹林を歩くと必ず見つかります。風倒の大木や枯木,切株にビッシリと生え,
     傘の粘液が陽光にキラキラ光っています。生え始めると何年間も生え続けま
     すので,その樹を覚えておいて下さい。
      傘は幼菌のうちは半円形で厚い粘膜に包まれていますが,大きくなると平
     らになり径は10pにもなって,柄の上部にゼラチン状のツバができます。寒
     さに強く雪に遭っても元気で,味が一層美味しくなります。
 [紛らわしい毒キノコ]ニガクリタケ
                                                                              
 △ヌメリササタケ
 [別名]ヌルッポ
 [特徴]半球形のヌメリの多い傘が扁平状に開きます。黄色を帯びた淡い褐色で中央
     が濃いです。ヒダは淡紫から茶褐色に変わります。柄は淡紫色を帯びます。
 [発生時期]10月上旬〜12月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]ナメコの出る頃,湿気の多い沢地,窪地などの地上に生えます。水分が
     常に多く苔むしたところにも発生します。ヌメリの多いキノコは水が好きで
     す。広葉樹,針葉樹,混生林と広範囲で,笹の中にも生え,見つかると沢山
     採れます。雨後はゼリーをしたたらせたようにヌメリが全体に付いて,紫が
     かった柄が美しく輝きます。
 [紛らわしい毒キノコ]ヌメリが全体にかかったキノコには毒キノコはありません。
                                                                              
 △ムラサキシメジ
 [別名]コノハカブリ
 [特徴]丸山形の傘が開き扁平になり,傘形4〜10p,大きくなると紫色があせ,淡
     褐色〜淡黄色になります。ヒダも紫色,柄は淡紫色で肉がしまっています。
 [発生時期]10月上旬〜11月下旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]マツが点在する水はけのよい雑木林が紅葉して落葉しはじめ,地上にキ
     ノコの姿がなくなる頃,落ち葉を頭に載せた美しい紫色のムラサキシメジが,
     輪状に生えてきます。竹ヤブなどにも出ます。翌年のためにシロを荒らさぬ
     ように採取し,その場所を覚えておきましょう。
                                                                              
 △クリタケ
 [別名]アカモタサ,シモタケ
 [特徴]幼菌はクリ色の丸山形でヒダは白いです。傘が開くと径3〜8pになり,周
     囲に綿毛を付け,ヒダが灰褐色になります。湿っているときは少し粘性があ
     ります。
 [発生時期]10月下旬〜12月下旬
 [発生場所]倒木,切株,埋もれ木
 [見つけ方]ナメコと同じく日中も寒く霜が降りるようになってから生えます。湿度
     と土を好み,沢地や窪地の倒木,切株,埋もれ木,地中の根などからまとま
     って束生します。比較的腐れの進んだ木材の地際部から群生します。主に広
     葉樹に生えますが,カラマツ,スギなどからも生える強いキノコです。見つ
     けると大量に採れ,数年は同じところから生えます。
 [紛らわしい毒キノコ]ニガクリタケ
                                                                              
 △エノキタケ
 [別名]アシグロナメコ,トキシラズ
 [発生時期]11月中旬〜2月下旬
 [発生場所]倒木,切株,枯木
 [見つけ方]寒さに強く秋遅くミゾレが降る頃から,雪が舞う中でゆっくりと生長し
     ます。カキ,ヤナギなどほとんどの広葉樹の枯木,倒木,切株に毎年群生し
     ます。白いモヤシのような栽培されたものと異なり,傘径2〜10p,ヌメリ
     が強い茶褐色の美しいキノコです。ヒダは淡黄〜シロ色,柄は硬くしまり根
     元が暗褐色です。冬から早春に採れるキノコです。
 [紛らわしい毒キノコ]ニガクリタケ
 
                    参考 農文協発行「キノコ狩り必勝法」

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