03f 日本の自然100選
 
〈東海〉
 
  45 柿田川湧水群 ― 富士のわき水,日に120万トン(静岡県)
 
 砂礫を揺るがし,川面を盛り上げ,あちこちからこんこんと水が湧いている柿田川カキ
タガワ湧水群は,なんとも神秘的な自然の現象です。富士山の雪解け水や,山麓の雨水が
集まって,地下溶岩流の中にできた隙間を流れて地表に出た水です。
 植物:ミシマバイカモ,オランダガラシ
 動物:アユ,マス,アマゴ,コイ
 
  46 寸又峡 ― 南アルプス一番の原生林(静岡県)
 
 南アルプス最南端の高峰光岳(2591m)を水源に,南走する寸又川を挟んだ渓谷が,
寸又峡スマタキョウです。約30q,大井川へ合流するまで,深い谷が刻まれ,谷へ落ち込む山
腹には,日本では残り少なくなった原生林が広がります。南アルプスの中で,最も自然
を残した地域といわれています。
 植物:ブナ,ツガ,トウヒ,シラビソ
 動物:ニホンカモシカ,シカ
 
  47 葦毛湿原 ― 市民が手づくりで散歩道(愛知県)
 
 葦毛イモウ湿原は,愛知と静岡両県を分ける弓張山系を背に,三方を小高い山に囲まれ
た標高約70mのところにあります。広さ約5ha,山の中腹3ケ所から湧く水が,地下に
浸透しないで湿原になっています。
 植物:ハンノキ,カヤツリグサ,ショウジョウバカマ,ハルリンドウ,カザグルマ,
ミカワバイケイソウ,モウセンゴケ,シラタマホシクサ,ミミカキグサ,リンドウ,ヤ
マラッキョウ,ウメバチソウ,カタクリ
 動物:ノウサギ,リス,ムササビ,キジ,アオゲラ,ギフチョウ,ハツチョウトンボ
 
  48 汐川干潟 ― 本州最大,愛鳥家が守る(愛知県)
 
 渥美半島のなだらかな丘陵を流れて三河湾に注ぐ汐川シオカワは,長い年月をかけて河口
に土と砂を運びました。一帯の干潟は,かつては2000haもあったといわれています。今
は280haです。
 動物:ソリハシセイタカシギ,シギ類,チドリ類,カモ類
 
  49 宇津江四十八滝 ― 神秘に連なる大小無数の滝(岐阜県)
 
 宇津江ウツエ四十八滝は,急峻な山に刻まれた渓谷のそこかしこに点在する大小無数の
滝,つづら折りの道を登るにつれて,トチノキやミズナラ,カエデなどの樹間越しに水
音が響いてきます。
 植物:トチノキ,ミズナラ,カエデ
 
  50 金華山 ― 歴史と自然―岐阜のシンボル(岐阜県)
 
 街並みのすぐ間際まで迫る照葉樹林に包まれた緑濃い山が金華山キンカザンで,岐阜市民
の自慢です。
 植物:アカマツ,ヒノキ,アベマキ,カゴノキ,ツブラジイ
 
  51 御在所岳・江野高原 ― ツツジの群落守る町民(三重県)
 
 鈴鹿山系麓の湯の山温泉街と御在所岳ゴザイショダケ山頂(1210m)を結ぶ,全長2159mの
ロープウエーが上がり始めますと,すぐ眼下に江野エノ高原が広がります。菰野コモノ高原
と呼ばれる小高い山の山裾に横たわる約500haの丘陵です。
 植物:ヤマザクラ,アカヤシオ,シロヤシオ,ヤマツツジ,カエデ,サザンカ,アカ
マツ
 動物:サル,タヌキ,ノウサギ,キツネ,ウグイス,メジロ,
 
  52 七里御浜 ― 1市3町村22キロの石浜(三重県)
 
 熊野市の海岸部,木本町の北はずれに突き出た奇岩,奇勝の鬼ケ城の七里御浜シチリミハマ
は,ここから南へ,ほぼ一直線に和歌山県境の新宮川河口付近まで続きます。1市3町
村にまたがる約22qの石浜の海岸です。
 植物:トベラ,クス,ヤマモモ,ハゼ,ツタ類,イバラ類,キノクニシオギク
 動物:ノウサギ,タヌキ,ムササビ,ムクドリ,キジ,メジロ,アカウミガメ,タイ
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