06 世界遺産〈自然遺産〉
資料 環境庁・文化庁・林野庁
世界遺産条約に基づき,「屋久島」及び「白神山地」が,コロンビアのカルタヘナで
開催された世界遺産委員界第17回通常会合において,平成5年12月8日(現地時間),
世界遺産(自然遺産)一覧表への登録が決定された。
1 屋久島(鹿児島県)
世界的な動植物の移行帯に位置する湿潤気候下の高山として,顕著な垂直分布や豊富
な動植物からなる生態系が良好に保たれている世界的にも数少ない地域であ。
年間降水量は4,400〜10,000oに達し,年間を通じた降水と雲霧により,特異なヤク
スギ巨木群を代表とした特殊な植物相を有する。
また,アカコッコ,アカヒゲ等希少な動植物が生息,自生している。
該当地域は,世界遺産のクライテリア(U)及び(V)に該当する。
2 白神山地(青森県及び秋田県)
原生的なブナ天然林が大面積にわたって純林状態で維持されている世界的にも希少な
地域である。当地域のブナ林内には,多種多様な植物群落が共存し,かつブナ林を背景
として豊富な動植物群が生息する。
さらに,イヌワシ,クマゲラ等希少な動植物が生息,自生している。
該当地域は,世界遺産のクライテリア(U)に該当する。
参考1 世界遺産委員会
世界遺産委員会は,条約締結国から選出された21カ国からなり,条約の規定に
基づく決定等を行う機関である。
1995年秋までの任期 コロンビア,インドネシア,オーマン,ペルー,シリア,
セネガル,タイ
1997年秋までの任期 中国,サイプラス,エジプト,ドイツ,メキシコ,フィ
リピン,スペイン
1999年秋までの任期 日本,フランス,米国,レバノン,ニジェール,ブラジ
シル,イタリア
参考2 世界遺産委員会の任務
@世界遺産一覧表への記載物件の審査,決定
A危険にさらされている世界遺産一覧表に記載すべき物件の決定
B締約国からの要請に基づき,遺産保護のための国際的援助を実施
C世界遺産基金の使途を決定
Dその他
参考3 「世界遺産条約履行のための作業指針(仮称)」に基づく世界遺産のクライテ
リア
(U)進行しつつある重要な地質学的プロセス,生物学的進化,及び人類の自
然環境に対する相互作用を示す顕著な見本であるもの。
(V)最もすばらしい自然的現象,自然的構造,自然的特色を含むものであっ
て,例えば,きわめて重要な生態系,ひときわすぐれた自然美または,自然的
的文化的要素のひときわすぐれた組合せ等の,顕著な見本であるもの。
※注:屋久島及び白神山地は,林野庁指定の「森林生態系保護地域」に既に指定され
ており,このネットのBBS「緑の天然記念物」にも収録しております。 SYSOP
[日本の世界自然遺産]
[次へ進む] [バック]