04 森林生態系保護地域
資料:森林・林業早わかりデータ 林野庁 05.04.01現在
知床半島のミズナラや白神山地のブナなどの原生的な天然林については,自然保護を
念頭においた森林の管理を徹底することになりました。
国有林では,日本の主な森林帯を代表する原生林を「森林生態系保護地域」に指定し
て,自然環境の維持,動植物の保護,遺伝資源の保存などに努めることにしています。
(単位:ha)
名 称 総面積 保存地区 保全利用地区 森林生態系の特徴
知床シレトコ 35,481 25,821 9,660 冷温帯汎針広混交林,高山植生,
森林生態系保護地域 海浜断崖植生等
ヒグマ,エゾシカ等の哺乳類,シ
マフクロウ,オジロワシ,クマゲ
ラ等の鳥類等
狩場山地須築川 2,732 1,408 1,324 下部は原生的なブナ天然林の集団
源流部 〃 としての北限,上部はダケカンバ
帯,ハイマツ帯に至る。
エゾクロテン,エゾヒグマ等の哺
乳類,クマゲラ等の鳥類等
白神シラガミ山地 〃 16,971 10,139 6,832 ブナを中心とした冷温帯落葉広葉
樹林
ニホンカモシカ,ツキノワグマ,
ニホンザル,ホンドオコジョ等の
哺乳類,クマゲラ,ビンズイ等の
鳥類等
葛根田カッコンダ川・ 9,366 7,076 2,290 下部はブナを中心とした極相林,
玉川源流部 〃 上部はオオシラビソを主とする天
然林
ツキノワグマ,ニホンカモシカ,
モモンガ等の哺乳類やクマゲラ等
の鳥類等
飯豊イイデ山周辺 〃 27,251 11,809 15,442 山地帯は広大なブナ林,亜高山帯
には固有種のイイデリンドウをは
じめとする170種に及ぶ多様な高
山
ツキノワグマ,ニホンカモシカ等
の大型哺乳類,イヌワシ,オオタ
カ,クマタカ等の大型鳥類
利根川源流部, 22,835 3,862 18,973 ブナ,オオシラビソ,クロベ,キ
燧ヒウチケ岳周辺〃 タゴヨウ等の天然林とミズナラ等
の多雪地広葉樹低木林
ツキノワグマ,ニホンカモシカ等
の哺乳類,イヌワシ等の鳥類等
佐武流山周辺 〃 4,566 1,827 2,739 日本海側の典型的な豪雪地帯のブ
ナ林, 亜高山帯はオオシラビソ,
シラベ,キタゴヨウの針葉樹林
ニホンカモシカ,ヤマネ,ツキノ
ワグマ,オコジョ等の哺乳類,イ
ヌワシ等の鳥類等
南アルプス南部 4,566 1,827 2,739 ブナ,ミズナラの落葉広葉樹から
光ヒカリ岳 〃 ツガ,シラベ,分布の南限である
ハイマツ等の垂直分布
ツキノワグマ,ニホンカモシカ,
ニホンザル等の哺乳類,ライチョ
ウ等の鳥類等
白山 〃 14,826 6,026 8,800 ブナ,分布の西限であるハイマツ
・オオシラビソ等
ツキノワグマ,ニホンカモシカ等
の哺乳類,イヌワシ,クロジ等の
鳥類等
大杉谷 〃 1,391 509 882 スギ,カシ,タブ,ブナ,トウヒ,
コメツガ等の垂直分布
ツキノワグマ,ニホンカモシカ,
ニホンジカ等の哺乳類,ヒガラ等
の鳥類等
大山ダイセン 〃 3,176 1,118 1,988 日本海型ブナ林地域で,亜高山帯
には特別天然記念物のダイセンキ
ャラボク群落が分布
ミヤマカラスアゲハ,ウスイロヒ
ョウモンモドキ等,珍種を含め100
種以上の蝶類が分布
石鎚イシヅチ山系 〃 4,245 1,230 3,015 暖帯性のウラジロガシから亜寒帯
性のシラベまでの垂直分布
ヤマネ,ヒメヒミズモグラ,モリ
アブラコウモリ等の哺乳類等
祖母ソボ山・傾カタムキ 5,978 1,580 4,398 アカガシ,ツバキ等の常緑広葉樹
山・大崩オオクエ山 からツガ,モミ,ブナ,ヒメコマ
周辺 〃 ツの垂直分布
ニホンカモシカ,ヤマネ,ニホン
ザル,モモンガ等の哺乳類,ホシ
ガラス,コマドリ,アカショウビ
ン等の鳥類等
屋久ヤク島 〃 15,185 9,600 5,585 世界的に稀な高齢ヤクスギ群とヤ
クシマチシダ等多数の固有種を含
むシダ類や豊富な蘚苔類に特徴づ
けられる植生
ヤクシカ,ヤクザル,ヤクコマド
リ,ヤクシマトゲトンボ,ヤクシ
マミドリシジミ等屋久島固有のも
のが多数
西表イリオモテ島 〃 11,588 3,014 8,574 スダジイの優先する照葉樹林,カ
ジュマル等の群落,メヒルギ,オ
ヒルギ等のマングローブ林
イリオモテヤマネコ,リュウキュ
ウイノシシ,ヤエヤマオオコウモ
リ等の哺乳類,カンムリワシ,リ
ュウキュウキンバト等の鳥類等
[次へ進んで下さい]