http://www2u.biglobe.ne.jp/~gen-yu/plaj_list.html
(連絡先: 佐々木玄祐 gen-yu@mtc.biglobe.ne.jp)
このページは、日本の淡水生三岐腸類=ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目 (Turbellaria: Tricladida: Paludicola)について、以下の文献から一部を引用してまとめたものです。原図の使用を許可され、原稿を校閲していただいた川勝博士に感謝いたします。
なお、原図は水彩画です。また、下表の右端に"-"を入れた8種類は、図版には含まれていません。移入種については当サイトの「水槽のプラナリア」情報 が参考になると思います。
プラナリアの分類では生殖器官の構造が決め手となります(固定標本にして連続切片を作り、顕微鏡で観察する:アマチュアには困難)。虫の形・大きさ・色などについてはかなり変化があるため、外見だけではなんとも言えない場合も多いようです。従って、これらの図はあくまでも目安にしかなりませんので、ご利用に当たっては注意してください。
図に描かれた標本の産地については、大部分省略しました。分布については、文献1のほか、下記の報文も参考になります。
日本産の虫のうち、Rhodax sp. (ブラジルウズムシ) だけは、他の虫とは別の低亜目 (Infraorder) "Cavernicola" に属します。この件については下記の論文を参照してください。
2002/12/30 追記: 川勝博士から、<亜科・科・属の新称追加(「日本産淡水生プラナリア類一覧」)と、表の三岐腸類の部分の訂正・追加(稿末)が望ましい>との連絡がありました。種類数の表については、下記の通りです。亜目を低亜目として扱う分類法もあります。(f.: 科, sf.: 亜科, g.: 属, sp./spp.: 種)
海生三岐腸亜目: | 2f. 2sf. | 6g. 7spp |
淡水生三岐腸亜目: | 3f. 2sf. | 8g. 27spp. |
陸生三岐腸亜目: | 3f. 3sf. | 7g. 15spp. ( +12 "unidentifiable" spp.) |
地下水生三岐腸亜目: | 1f. | 1g. 1sp. |
日本産淡水生プラナリア類一覧 Japnese freshwater planarians: Taxonomy("Turbellaria": Seriata: Tricladida) : 主に文献4による | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
注) (R): 文献3で希少種, (ET):移入種, (*)文献4で新称, 番号は掲載した文献1の図に対応, (**)本Webページで新称。 |
文献1: Plate VII
1a. The Matsumoto stock (sexual race). 1b. The Kyûshû stock (asexual race). |
文献1: Plate VIII 15a. The Himeji stock. 15b. Adhesive organ. 共にヒメジメナシウズムシ Sphalloplana sp. 2 |
参考 Notes日本産の淡水生と陸生のウズムシ綱 ("Turbellaria")の目・亜目と種類数以上のリストは「狭い意味のプラナリア=淡水生の三岐腸類」に限ったものです。プラナリアの属する扁形動物門には、寄生生活をする吸虫や条虫などもいますが、それらを除いたウズムシ綱だけ見ても色々なものがいます。文献4は、 「国のレッドデータブック(環境庁編 日本の絶滅のおそれのある野生生物 無脊椎動物編, 1991年8月刊行)の基礎資料としてまとめられたもので、1998年現在の修正が加えてある。淡水生と陸生の群だけを対象として、海生の群は含まれていない。例外として、カブトガニは産卵のために砂浜へ集まるので、その外部寄生者であるカブトガニウズムシは含まれている」 …ということです。この文献4でリストアップされている各分類群と科・種(亜種含む)の数を以下に示しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
計: 8目, 20科, 96種類 (93種, 3亜種). | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
なお、川勝博士のお話では、ウズムシ綱そのものが“単系統群ではない”ということも明らかになってきて、この表とは多少異なる分類体系も使用されているということです。 |
三岐腸類の種類数については、本Webページの「訂正・追加」を参照してください。