西郷さんと奄美大島



西郷さんは奄美大島体験がなかったら、明治維新の偉業は果たせなかったであろう。
奄美大島で人間として根本的な反省を行うとともに、政治的人間の取り巻く喧騒から離れて自分の人間としての哲学を造った。
30歳台の半ば、すなわち32歳から37歳までを奄美群島で過ごした西郷さんにとってこの島々の与えた影響は大きい。
いわゆる西洋留学組が当時の日本と当時の西洋とを結ぶ線を引いてそれの延長上に日本の未来を見つめたとすれば、西郷さんは奄美大島と江戸や鹿児島とを結ぶ線を引いてその延長上に日本の未来を見たともいえる。
これらの二つの力学的指向性が大いに違ったものになったのもむべなるかなと思う。









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