2005/01/10:PET(ペット)検査vs内視鏡検査

近年、PET(ペット)検査が、癌の早期発見に利用され始めました。(ちなみにPET検査は西台クリニックが有名)。当院では、消化管の癌(食道癌、胃癌、十二指腸癌、大腸癌)を早期に発見しようという目的の患者さんが多いこともあり、患者さんから、PETで癌がすべてわかるといううわさを聞くが本当ですか?という質問がよくあります。この件を調べに、東大の核医学検査室を見学に行き、担当の先生方に尋ねたところ、塊をなす癌で1cmが感受の限界ということでした。PET検査は、細胞の糖分(グルコース)のとりこみを調べる検査方法なので、平滑筋が動く消化管では、疑陽性例が多くなるそうです。平坦な癌や5mm以下の微小な癌の診断は、PETでは無理とのことでした。消化管において、PET(ペット)では早期癌は見つからないということです。平坦陥凹型癌は、5mm程度の小さいうちから浸潤することもあり、当院でも行っているような、熟練した医師による色素法を併用した拡大内視鏡検査が、現在のところ、消化管癌の早期発見・早期診断には、最も正確で精密で安全といえそうです。ちなみに、今年から、内視鏡によるポリープ切除付消化管ドックを始めました。腸をきれいにするための前処置を含めて、拘束時間、約7時間(個人差あり)で食道癌、胃癌、大腸癌の完全なスクリーニングを行います。詳細