今回の公益法人改革の<問題>として
@公益認定法ではなく「非営利法人法」にしなかったのか。
A国や行政の干渉なく、自律的な団体活動が可能か?
B非営利の財団法人の設立も可能となったが、非営利の財団は、財産隠しに使われる恐れが大きい。
C一般法人を使って、本来は非営利・公益活動を自由にすることができるはずだが、公益認定法が足かせになりはしないか。
(例)反政府活動をするNGOは公益認定を受けられない可能性→
アムネスティ・インターナショナル→アムネスティ日本支部
D一般法人税は会社法の規定をベースに作られており、非営利法人の活動形態に対する理解が不十分
E残余財産の帰属の仕方についての自由度が増したが、一般社団法人にあっては、定款で社員に残余財産の分配を受ける権利を与えることはできず(11条2項)
財団法人では設立者に残余財産分配請求権を与えてはならない(153条3項)
残余財産の帰属は定款の定めるところによる(239条1項)
をあげた。
その上で
市民社会にとっての問題点として
@公益認定を行政の審議会がやるということは結局、行政が公益認定をすることになる。
それが今回の大きなねらいではないか。
反政府活動、行政に対抗するNGOの活動などは公益認定を受けられない可能性が高くなる。
A制度の根本的問題点をマスコミも見抜いていない。
制度そのもの、また、その制度運用についても市民の関心を惹起し、市民が監視する必要大。市民オンブズマンの創設が必要。
B公益認定の審議会の事務局は結局官僚がやることになる。官僚には任せない審議会運用が必要。そもそも審議会の委員 の選考の方法が従事型である。
委員の選考に市民参加、チェック機関が必要。→
委員の選考についての条例を作るべきでは(自治体分について)
↓
国向けの法律も必要。
C公益法人に対しても市民の目での評価のシステムと情報開示の義務付け、市民からの要請で情報公開させるしくみづくり。
D“効率的”な公益法人の事業運営というが、効率のモノサシは結局お金ではないか。
本来、公益法人の評価の基準は公共性、公益の増進にあるはず。根本的認識がおかしい。
E効率的な公益法人の事業運営というたてまえのもと、ガイドラインの基準が窮屈で自由な事業運営を阻害する結果となるの ではないのか。
F地方の自主性の尊重は重要な理念ではあるが、現実には国のガイドラインにただ従うことの事実上の「強制」になる、地方分権の名目のもとに結局、国の力を強める結果になる恐れがある。
↓
公益法人改革は、小泉改革のときの“官から民への流れ”の延長にある。民の中にNPOやNGOはほとんど含まれていなかったこと、結局市場化路線であったことが、今大きな格差問題を生んでいる。
本来、公益法人改革によって市民社会が活性化すべきであるが、今回の“改革?”特に“公益認定法”は、市民社会を公にからめとろうとする動きともいえる。官から民へといいながら、民(=本来は市民社会)を官に吸収していく動きといえるのではないだろうか。
と課題を整理した。
今回の公益法人改革と公益認定法は市民社会という領域の主権をおかす改悪、悪法であると思う。
当日筆者は、
公益法人改革及び公益認定法の運用に関する「市民オンブズマン」の創設を呼びかけた。
賛同していただける方は 「市民オンブズマン」の創設準備会
(呼びかけ人世古一穂 k-seko@xvh.biglobe.ne.jp)までメールで連絡をお願いします。
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