4.ステップアップ計画
平成19年より、当団体は弥生人の集落跡や酒蔵のある馬橋仙元谷津と傾斜林を第2の拠点として地域の人々と自然の共棲をめざし、住民が主体となって取組む恊働による「地域創造の里山づくり」のための仕掛けづくりを初めた。
5.プレゼンテーションに対する受講者のコメント
この度、筆者は恊働コーデイネーター養成講座 中級・上級編において、恊働コーデイネーター受講生として地域に置ける実践活動の事例報告を行い他の受講生から今後の問題にたいするコメントを受けた。
プレゼンテーションでは、@地元組織の主体性や自主性に基づく合意形成において、地域に潜む住民間の長年にわたる人間感情の綾が障害になっていること。A内部組織構成員の社会的・公共的活動としての課題に関する関心の欠如。 B行政の縦割り組織、 NPO が公共的活動団体であることについての理解不足 を今後の問題として提示した。
下記は受講者のコメントに筆者の意見を加味して纏めたものである。
(1) 組織内のプロジェクトチームだけに頼ることなく、大学ゼミナールとの合同によるプロジェクトチームを編成して、全ての権限と責任を委託することで糸口が開けることも考えられる。
(2) 取組みの糸口は地域の参加する小さな成功体験や子供と大人の触れ合いによる楽しいイベント(祭り)等を企画することから始めることである。
(3)これらの行事には他の里山活動団体や課題を共有できる団体との連携、女子大生の参加があれば多くの若者の増加も期待でき、これら若者に里山活動に置ける新鮮な体験を通して新しい価値の発見の場ともなり、若きリーダーの誕生も期待できる。
(4)また、これらの参加者に谷津や傾斜林の課題等の情報の共有化を期待するものの、 初めての参加者が自然に気づくことが必要であるので、里山活動の意義等を語ることはしない方が良い。
(5)一方、「里山活動」に参加することの条件付で、地域の休耕地を市民農園として貸出せば、日常における地元と会員の交流を促進することもできるのではないか。
(6)上記(1)〜(5)の取組みを地道に継続して取組むことにより、若きリーダーも生まれ、関係先の理解も深まり、主題の具現化に向けた動きが生まれてくるのではないか、10年間腰を据えて気長に取組む姿勢が必要である。
(7)森林整備とは森林の変遷を止め、再生する作業であることでもあり、その季節や適切な施業時期を遅らすことはできないが、組織能力を超えた作業量とならぬよう、むやみに協定面積を増やすことはせず、会の固定人員で可能な能力を超えることがないよう配慮していく必要もある。 |