七尾のまちづくりに触れる
最後の訪問は、まちづくりに取り組む七尾の御祓川(みそぎがわ)の寄合処「御祓館」である。人口6万人ほどのまち七尾。私の知識には「和倉温泉の加賀屋」のみであり、それが七尾にあることも、恥ずかしながら今回の旅で知ったような状況である。古くからの醤油屋や海産物屋、ろうそく店等を語り部処とし、ふるさとの大切なものを守ろうとする一本杉通りの取り組みや、御祓川の浄化とまちの振興への取り組みなど、古き伝統と革新の融合が見事である。わずか1〜2時間の訪問で、何が分かるわけでもないが、歴史や産業、伝統など地方ならではの「資源」と「人財」をつなぐ取り組みは、地域コミュニティすら、ずたずたになった私の住むまち東京でもぜひとも参考にしたい。
ほんの短い、私にとっては初めての能登・蔵元訪問であったが、蔵元に限らず、食事処、御菓子屋、民宿、まちづくり会社、そこで出会う青年(壮年も含む!)たちに見た輝きは何であったのか。もう一度たずねてみたいまちである。
能登には、匂いがあって、味があり、そして何より「ひと」がいた。 |