2.第三者評価のすすめ方
大学の評価の観点も様々なものがある。財務体質を評価する「格付け機関による評価」、教育研究水準を評価する「国際的認証評価機関による評価」、既存の指標を組み合わせた「出版社などからの評価」、大学基準協会など認証評価機関による評価などがある。
今回わたしの勤め先が受けた評価は、短期大学基準協会の基準による第三者評価である。次の10の領域にわたる総合的評価を自己点検・評価して、報告内容に対して第三者による評価を受けるというものである。評価基準は、評価領域、評価項目、評価の観点という三層構造になっていて、高等教育機関として短期大学の必要な水準を設定している。
評価領域の構成
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T 建学の精神・教育理念、教育目的・教育目標
目的の明確性、適合性 / 目的の短期大学構成員への周知、社会への公表
U 教育の内容
教育課程 / 授業形態 / 授業内容 / 教育方法 / 教員、教育支援者等の資質向上を図るための取り組み
V 教育の実施体制
教員の配置 / 教員の採用及び昇任等 / 教育支援者の配置 / 教育研究組織・教育課程に対応した施設・設備の整備 / 図書等資料の整備
W 教育目標の達成度と教育の効果
成績評価 / 単位認定 / 卒業認定 / 卒業後評価
X 学生支援
入学に関する支援 / 履修指導、学習支援 / 学生生活・就職等に関する支援 / 多様な学生に対する支援
Y 研究
教育目的を達成するための研究活動 / 条件の整備
Z 社会的活動
社会活動への取り組み / 国際交流・協力
[ 管理運営
管理運営体制及び事務組織 / 人事管理
\ 財務
財務運営の適切性 / 財務体質の健全性 / 教育研究組織・教育課程に対応した施設・設備の管理
] 改革・改善
向上・充実を図る体制 / 相互評価等への取り組み
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評価に際して、ピア・レビューという考え方が強調されている。評価員が基準にもとづいて評価して適格かどうか認証評価することが趣旨であるが、そのプロセスを通じて教育研究機関としての水準を高めていくことに意味があるとしている。互いに対等の立場から、自己点検・評価報告書の内容を確認し、議論することによってよりよい教育研究組織のあり方を求めていくという考え方である。
勤め先の短大でもプロジェクトを組んで、2年間にわたって認証評価基準に基づいて自己評価を行い、不足していた部分を補いながら教育研究組織を整備してきた。昨年認証評価を受けた。第三者の目で改めて自分の組織を評価し、その特性を理解することは意味深い作業であった。