Vol.34 2007年2月10日号

「世界の潮流とNGOの動き 第24回」
新しい世界システムと憲法九条(5)   「憲法改正」案の目眩まし

長坂寿久(拓殖大学国際開発学部教授)

キーワード・・・ 9条、憲法改正、改憲、護憲、国民投票、自衛権、集団自衛権、選挙、安倍首相、自民党、民主党

〔日本国憲法第9条〕
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日程入りした「憲法改正」
 安倍首相は新年にあたり、任期中の「憲法改正」への抱負を語り、決意を述べた。「国民投票法」や「安全保障基本法」などの制定を含む憲法9条「改正」への道筋を開き、 9 条を放棄することが、安倍政権の究極的な課題として、具体的に日程入りをすることになった。

  「国民投票法」の制定は今国会の3月か4月に採択される予定としている。そして、7月の参院選を経て、以後いつでも「憲法改正」の発議ができる状況を今会期中に整える。

 自民党の国民投票へのプロセスとタイミングは、巧緻に長けた準備がされており、たくさんの目眩まし(欺瞞)が用意されている。そこを十分読んで対処しないと、本質 を理解しないまま「 憲法改正」に誘導されてしまうことになる。

 自民党の目眩ましをはっきりと分析し、国民の心に届く形で「憲法改正拒否」を説いていかないと、9条を大切だと考える人々の結集も危ない状況にあることも認識しておく必要がある。

 そこで、以下に、今後、どのようなスケジュールと展開が予想されるのか、自民党内部の説明戦術を想定する形で書いてみよう。

1.発議へ向けての戦略――7月の参議院選挙が帰趨を決する
 憲法改正には衆参両議院の議員の3分の2以上によって発議されることになっている。そして国民投票を実施し、その過半数の賛成によって改正が成立する。

 そこで、憲法改正への最初のハードルは、自民党・公明党・民主党の3党で各々の議院で議席の3分の2以上を獲得することである。一昨年の選挙で、小泉政権が両議院の3分の2以上を獲得したため、憲法改正問題は急速に浮上し、 9条放棄の道を今まっしぐらに突き進んでいるわけである。

 自民党と民主党の両党はすでに党として、改正案の骨子を作成・承認済みである。但し、民主党議員で9条2項の放棄に反対する人が10名位はいるとも見られている。公明党はまだ姿勢をまったく明らかにしていない。公明党からは「加憲」論などという言葉も登場しているが(憲法で自衛隊を認めるが、海外派兵は認めない)、依然として、現在検討中という ポ ジションをとっている。但し、公明党は憲法改正に反対の立場をとっているわけでは全くなく、賛成の立場で取り組んでいる(つまり9条2項放棄に賛成である)。

 つまり、今年( 2007 年)7月22 日(告示7月1 日)予定の参議院選挙が、「憲法改正」への国民投票の帰趨を基本的に決することになる。万一、7月の選挙で三党が3分の2以上を再び獲得すれば、安倍首相は改憲へ一直線に持ち込むべく強行突破していくことになる。まさに今年7月の参議院選挙が天下分け目の選挙となる。

 与党側の選挙戦術は、改憲反対の2党、共産党と社民党への投票数を減らすため(全国区選出)、自民・公明の選挙協力のみならず、民主党との協力・連携を図っていくだろう。そして、地方区では、社民と共産が立候補する選挙区を中心に、有名人戦術の展開によって、票が社民・共産に流れないよう強力に対応していくだろう。

 宮崎県知事選挙が浮動票の行方が政党離れを起こしていると分析されているだけに、有名人の擁立による浮動票の獲得が結果として自民党への投票数を増やすということを確認することになった。

 現状では、 3党が3分の2以上を獲得する可能性はきわめて高いだろうと自民党ではみている。

2.改憲派も現行憲法を守ると説明する
 自民党の中でも憲法に対する姿勢は多様である。しかし、いつのまにか9条2項放棄は当然であり、現行憲法の継続(改憲反対)を唱える人は全くいなくなったようだ (まだ2〜3人はいるのではないかと期待しているが)。この現象を「自民党は大政翼賛会的になってしまった」と嘆いた古老の自民党引退議員がいたと思う。

 自民党議員の中にも多様な意見があると書いたが、ちなみに安倍首相は現在の憲法を「改正」するという考え方に反対なのである。彼は憲法の全面書き直し論者である。

 「憲法改正」とは、現在の憲法(の考え方)を前提として、時代の変化・進歩に合わせて「改正」するという考え方である。だから改憲派は、「我々は現行の日本国憲法に賛成している」のだと主張する。これが自民党・民主党・公明党の改憲派のロジックであることを知っておく必要がある。

 安倍首相は これとは異なる立場をとっている 。安倍首相は、現在の憲法を一旦すべてチャラにして、「全面的に改正」すべしと主張している。進駐軍から押しつけられた憲法を「日本人自身の手で書き直したい」という論理である。

 ここで注意を促したいのは、自民党等の今後の「憲法改正」問題の説明は、もっと戦争に行けるように「9条2項を放棄したい」などとは決して言わない。次のように言う。「我々は現在の平和主義を基調としている日本国憲法に賛成である」、そして「この憲法の平和主義を踏まえて一層平和な世界にするよう日本も積極的に国際貢献していくために」、「新しい時代に合うよう」、「憲法を改正する必要があります」というところからスタートする。これが改憲派が用意している国民への第1の目眩まし(欺瞞)である。

 同時に、安倍首相は次のようにも言うだろう。「国政は国民から付託された憲法に基づいて行うべきものであり、それが私の役割です。国民の皆様が選んだ国会議員の絶対多数の方々から憲法改正すべしという要請があれば〔私は個人的には憲法改正などには反対なのですが〕、それを進めていくのが私の役割だと考えて進めてまいっているところであります。」

3. 国民投票法の制定
 安倍政権が憲法改正へ向けての手続きの中でまず行う必要があるのは、「国民投票法」の制定である。憲法改正には国民の過半数の賛成が必要となっている。憲法96条には「改定案は国民投票にかけて国民の承認を経なければならない」と規定されているからである。

 日本では憲法で定める憲法改正のための 「国民投票」 をまだ実施したことがない。そのためまずその法律を作らねばならない。

 法律には、例えば次のようなことを規定しようと検討されている。自民党の発想を知るために、以下に手続き的な問題面も含めて自民党の考え方を紹介していく。

 @ 国民投票は議員の選挙(公職選挙法)とは異なる。議員選挙ではないので、選挙管理委員会とは別の管理者(憲法審査会)を設定する必要がある。具体的には議員選挙の時と同じ日に実施するとしても、別の管理者が行うことになる。

 A 「投票権者」とは誰が含まれ、誰を除くのかを決めなければならない。公職選挙法では有権者は20歳以上となっているが、憲法は将来を律するため、若者世代にも参加してもらおうという意見には説得力があるので、18歳あるいは16歳でもいいのではないかという意見等が出ている(自民党案では18歳以上)。

 また、投票権者には納税している外国人を含めるかどうか。自民党案は「日本国籍」を有する人のみで、外国人は除外している。

 B 憲法が規定する「過半数」とは何か。有権者の過半数では投票率が低くなってきているため、決して過半数には達しないから、当然総有効投票数の過半数ということになる。最低投票率や絶対投票率数を設置するかについては、ボイコットの発生を想定して、自民党案では設置しない方向にある。

 C メディア(マスコミ)の「公正」をどうするのか。公職選挙法ではマスコミは「公正」でなければならないとなっている。従って、公示日前から、テレビ局は議員をテレビに出演させることをしない。しかし、憲法の場合は、メディアに対し選挙の時のように「公正」であることを求めるわけにはいかないだろう。報道機関が憲法改正について自説を述べることを禁止はできない(報道規制はしない)。そこで、各メディアは「憲法改正」問題へのポジションを明らかにして報道してよいことになる。

 D テレビなどへのスポットCMをどうするか。発議以降は全面禁止にするか、2週間( 14 日)前から禁止か7日前から禁止にするか。自民党案は14日前からとなっている。CMを自由にすれば、お金持ちの勝ちである。改憲派を支持する自民党と財界が膨大に時間を買い流し続けることになる。そこで時間の均等分割(護憲派と改憲派)方式とするか、スポットCM放送の全面禁止とする必要があるのだが、どうなるか。

 E 公務員の政治活動は禁止されているが、憲法の国民投票についてはその規定を適用除外にする。

 安倍政権は、この国民投票法案の議会への上程を3月か4月中には行い、今国会で制定したいと考えている。それは議員の過半数で可決なので、可決されていくと自民党は考えている。

4.9条2項の放棄へ向けての戦略
 憲法改正案の発議は、衆議院と参議院がそれぞれ別々に行う。憲法については衆議院に先議権があるわけではない。両院で各々3分の2で採択されたものを、両院の合同委員会で調整され、最終的には一本化した両院調整案を両院が可決し、国民投票には一つの具体的な案によって国民の審判を受けることになる。

 以下に9条2項の放棄を目立たせないようにするため、どのような隠れ蓑戦略を考えているか紹介する。

( 1 ) 国民投票に付される改正案は、関連テーマごとに個別投票方式とするか、一案(一括)方式とするかが問題となる。一案による明文改憲の方が分かりやすいからいいという案と、いくつかのテーマごとに個別に投票する案の方がいいと言う考え方とがある。

 これは、国民投票で勝つためには、複雑過ぎては国民には分かりにくいので、できるだけ改正箇所を少なくすべしとする考え方と、本丸である9条を争点にしないよう、改正項目はある程度あった方がいいという考え方に基づいている。

( 2 ) 9条1項はそのまま残す方向にある。9条2項を放棄するのが改憲の究極の目的であるので、1項も削除してしまうと国民の反感を強めかねず、「現行の平和憲法を支持している」のだという説明に説得力を欠くことになりかねないため、敢えて残す。

 ちなみに、9条の1項を変更する必要はないと考えている議員は80%近くいるとみられている。

( 3 ) 憲法の他の改正部分は、改憲派にとっては付け足しに過ぎず、9条2項放棄を達成するための目眩ましとして使われようとしている。何故なら、その他のことは議会の過半数で法律を導入すればそれで済むものがほとんどだからである。その他の改憲案については後述のとおりである。

( 4 ) 現在の9条2項を削除し、2項として新たに「自衛権」〔自衛のための戦力・交戦を認める〕を明示する。そして、自衛のための「実力組織」をもつことを明示する。この点が改憲の目的であり、改憲派の共通点である。この「実力組織」をどう呼ぶかという点では、「自衛軍」「防衛軍」「国防軍」等いろいろある。国防軍という名称は公明党が反対している。「自衛軍」という言葉がすでに巷間使われている。

( 5 ) 「集団的自衛権」も憲法に明示したいのだが、この点は改憲派内でも別れている。憲法の中に明示すべしとする議員と、改憲(国民投票)が成功すれば後は法律で定めればいいという人、さらに国民投票前に法律で解釈改憲してしまおうという考え方もある。9条を「改正」するためにあまり条件をつけない方が戦術的にいいと考えるからである。

 安倍政権としては、集団的自衛権は、今年( 2007 年)秋の国会で『安全保障基本法』といったものを上程し、国民投票以前に採択(解釈改憲)し、決着しておこうと考えている。国会の採決は過半数であるから、現在の自民党は何でもできると考えているわけである。「憲法改正」をめぐる議論の中で、「集団自衛権」という余計な議論はしないですませたい。むしろ、現行憲法下ですでに集団自衛権は認められているのだというところから「改正」の必要を訴えた方が国民には分かり易いし、素直に改憲案を受け入れられるだろうと見ているのである。

( 6 ) 新9条には、第3項として、「国際貢献活動」(国際的活動)を行う旨も追加されるだろう。自衛のための軍隊を「国際貢献」という名目で海外派兵できるようにするためである。

 すでに国際貢献の名目で、イラクなどに派兵されており、解釈改憲されてしまっているのだが、それを憲法に明示し、その上に立ってさらに自由に海外派兵できるための根拠としいのである。

( 7 ) もう一つ重要な点として、国際貢献のためとの海外派兵ができる要件として、民主党案は「国連安全保障理事会の決議による」という言葉を入れて歯止めとして担保したいと考えている。すでにイラク派兵しているのはこの改憲案をも逸脱していることになる。自民党は9条2項さえなくなれば、後は何とでも無限に解釈改憲が可能と考えているので、ともかく9条2項放棄を成功させるために、世論調査の動向によっては、この民主党案を受け入れることになる可能性がある。

 その前に、憲法に明記はせず、政府はその見解をとるという解釈論の発言を自民党や首相が行ない、民主党を納得させ、憲法明記を避けようと努力してみるだろう。

( 8 )9条以外の点では、以下の点が「改正案」として議論されている。

 @ 「環境権」と「プライバシー権」――現在の憲法にはこの2点について明確に規定されていないという理由で、挿入したいとしている。

 A 「憲法改正条項」――現行憲法では、改正発議は議員の3分の2以上としているのは改正手続きとして厳しいとして、議員の過半数で発議権できるよう改定する案(自民党案)も出てくるかもしれない。

 B 国民投票制度――憲法改正の国民投票以外に、国民の一定数の署名による申請に基づき国民投票が実施できるような制度の導入(一般法としての国政問題国民投票制度)を求める声がある。「諮問的国民投票制度」である。法的拘束力はないが、国会の過半数で発議できるという方式ではなく、国民の一定数(5〜10%)の署名で発議できる制度である。自民党は賛成していない。

 C 「前文」の改定――9条の変更にともなって前文も同様に変更を行う必要がある。前文を検討する自民党の憲法部会には中曽根元首相など長老が多く入っており、俺が前文を書くのだとがんばっている

 こうした改正案の調整はすでに自民・民主両党間ですでに意見交換が行われている。

5.国民投票の実施日(Xデイ)
 
さて、こうして3党と両院によって一本化された改正案に基づき、いつ国民投票を行う(発議)かが次の最も重要な選択となる。発議後から国民投票実施までの日数は国民投票法で決定されるので、まさに発議の日の決定が重要となる。確実に過半数の賛成を得られるタイミングで行うのが、Xデイの選択を決断させる要因となる。

 何故なら、改憲の目的は9条2項の放棄にあるからである。もし、改正案が国民投票で過半数を得られず否決された場合、国民が「自衛権」を拒否したことになる。現在の通常の憲法解釈では、自衛権(集団的自衛権は含まず)はもっているということになっている。それが否決されてしまったら、現在の憲法解釈(解釈改憲)からも遠ざかってしまうことになるからである。しかも、一旦否決されたら、以後10年以上は「憲法改正」を提案することは不可能であろう。

 このため、国民投票の実施日については、タイミング論として慎重論が自民党内でも強いという。しかし、景気の上昇基調の定着と共に、楽観論が急速に浮上してきているともいう。ともかく、世論調査の精度を高め、世論調査を何回も行ない、Xデイの決定を行うことになる。この時こそ、各種の世論調査が重要な役割を果たすことになる。

 世論調査では、現在のところ、憲法改正に賛成か反対かでは、60%以上が賛成と回答するが、9条を変えた方がいいかどうかは60%が9条改正に反対と回答している。しかも、9条維持には賛成だが、自衛隊を認める人は多数になっている。かつての護憲派は自衛隊を認めない人々だったが、今は9条護憲派でも自衛隊をなくせという人は少数になっている。ちなみに、経済界の人々に9条について聞くと、「9条によって日本の一方的軍事化への道の歯止めになっている」、「9条という歯止めがなくなったら、日本は再び軍事大国化への道をひた走りかねない」と危惧する気持ちをもっている人が意外と多い。

 タイミング論の一つとして、自民党内では、「北朝鮮がミサイルを日本に向けて発射あるいは誤射してくれれば一挙に日本の世論は改憲へと変わるのに」と語られているという話しをよく聞く。だから、北朝鮮問題には強行策一筋で行くべしというのが自民党の考え方である。

 また、自民党内では、軍事的国際貢献によって死者が出るのはよいことだと思い込んでいる人が多いようだ。「改憲反対派は日本国憲法があるために憲法発布以来、交戦によって死んだ人がいないという点が日本の誇りだとよく主張する奴がいるが、死者ゼロなんて名誉ある国とはとても言えない」というのである。

 さて、こうしてXデイが決定され、国民投票が行われ、現在の9条2項は放棄されることになる。 3党はそうみている。

6.自民党が用意する目眩まし
 今まで書いたことを整理しておこう。改憲派が国民に対して用意している目眩ましは次のようなものである。

( 1 ) 私たちは現行の平和憲法に大賛成なのである。この基調こそ大切に持続させるべきだと考えているのです、という言い方をする。

( 2 ) 9条2項の「改正」は、単に現状の9条の解釈を分かりやすくするためであって、平和憲法の主旨を変えようとしていのるでは全くない。「自衛権」は国連も認めている権利であり、現行憲法でも同様の解釈となっている。つまり、憲法が、戦後60年たって、現在の時代状況に合わなくなっているので、その点を少し修正するだけに過ぎないのだ、という言い方をする。

( 3 ) 日本が国際貢献の立場から自国の軍隊を海外等に派遣する場合には、国連安全保障理事会の決議に基づき派遣するものとする。国連主義に従って日本は行動するのです。

 この民主党の主張を自民党は受け入れると思われる。国連主義に従って行動することによって、これが歯止めとして今後の日本の軍事化を規制することになる。これは現在の9条の精神と同様である、という言い方をする。

( 4 ) 9条2項がなくなっても、上記のように何ら平和憲法の根本を変えることにはらならない。まして、日本が日米関係を基調として動くことを(日米安全保障条約によって日本は米国の傘の下にあることを)、アジアの国々にも承知させれば、アジアの国々は9条2項放棄に対して何も脅威に感じることはなく、納得してくれるだろう。

 「日米安全保障」による米国との連携、そして「国連主義」の論理によって、改憲派は国民投票を乗り切れると考えているわけである。

( 5 ) 改憲に反対する(擁護派)社民党と共産党を切り崩すための想定問答も用意されている。

 社民党はすでに(村山内閣の時)自衛隊の存在を認めている。改正案は社民党の考え方に何も矛盾していないはずだ。

 共産党は、現行憲法の採択時の採決に当たって反対を投じている。その理由は「皇室制度」に反対だったからだといい訳を言っている。つまり、共産党は皇室をなくせと今も主張している、という言い方をする。戦後60年を経て定着した皇室への国民感情をこうした発言によって逆撫でさせることによって、皇室に反対でない日本の大多数の人々の支持を得ようとするわけである。

 こうした説明によって、私たちはすっかり催眠術をかけられてしまうのだろうか。

 こうした目眩ましの説明に対して、私たちはどのように反論するのか、そして広報していくのか、しっかり準備する必要がある。

 『目眩まし』を見極め、「憲法改正」の『国民投票』で否決すれば、それこそ21世紀の新しい平和運動を、世界に向かって発信するまたとない機会となる。人類史の上からも、間もなく行われる『国民投票』はまさに世紀のチャンスなのである。

 『改正』の策動を逆手にとるための方策と、『国民投票』の否決の意味については、次回の稿にまとめてみたい。


 

 



 

 

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