2.地域食堂でつながり高齢者の命と生活を守る
この 「地域食堂」 の場所は、開業医が移転し1階部分が空き家になっていたところを、無償でお借りしており (2階は自宅利用)、家賃は先生のご好意で無料、おまけに法人の理事にもなっていただいております。 1食300円で独立採算の事業として成立しているのは、家賃が無料なのとボランティアスタッフが17人とシェフ1人(有給)で毎月一回のローテーションが確立しているのが最大に理由だと思います。
1年前の話ですが、 近所の独居老人が認知症らしい噂を地域の人が聞きつけ、 わたぼうしの家に相談にきました。 とりあえず、行政に家庭訪問してもらった結果、認知症で近くに身寄りが居なく、リフォーム詐欺まがいの業者が来ている様子でした。民生委員と介護保険担当と「わたぼうしの家」とで協議し、介護認定を受け在宅支援をしていただきましたが、本人は「呼んでも居ないに何で来たの、お金払えないから」とヘルパーを追い返してしまいました。それで、「地域食堂」に誘い出すと、「食べたから料金は払う」と意識していただき、その後スタッフが何度と通い、友達になり、「わたぼうしの家」の事業である、認知症通所介護に繋ぎ、今はグループホームに入居し穏やかな生活を満喫しています。
約1年程度かかりましたが、そのまま放置しておいたら、大掛かりなリフォーム詐欺にかかっていたことと、満足な食事が出来ずに健康を害していた可能性もあります。虚弱な老人でもディサービスに通うのは抵抗感があるものですが、この場所は「食堂に行くから」と思えることで、抵抗無く来ることができることが価値あることだと思います。このような実例を地域の人が自分の目で見て、救われた事実を知るたびに、法人の信用が増してきております。 10月の末日に地域住民と「わたぼうしの家」のスタッフで1泊のぶどう狩りツアーにでかけましたが、町内会の温泉旅行より楽しいと好評でした。帰りのバスでは、来年の日程を決めようとの意見もだされ、理事としては嬉しい限りです。法人設立から5年目で地域の人と温泉に行けるとは当初、想像もしていませんでしたので感無量の旅でした。
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