1.「集う・食べる・語る」をテーマに地域社会の再構築への社会実験
この「食堂」の企画は、 NPO法人「わたぼうしの家」が設立した平成12 年から話題として出ていましたが、地域のネットワークや人材が揃った平成 16 年4月から事業実施となりました。
地域食堂は「地域の人が気軽に集える場所が欲しい」「気軽にコーヒーが飲めるような場所が欲しい」わたぼうしの家の理念でもある「地域と共に安心して暮らしたい」の具体化でもありました。2年間継続している「地域食事会」のメンバーが、大勢で食事する喜びや楽しみを実感していただいた後、参加していただいた方と相談しながら「自分で出来る範囲・無理しない範囲でのボランティア」で協力を得、シェフも近所の下山さんにお願いしての事業です。
高齢者になると食事の手抜きが多くなるとか、食品素材数が減少するとか、一人さみしく食べるとか、総体的においしく食べることが少なくなりがちです。また、料理の種類数も減少したりする事が多いです。独居高齢者は外出しなければ、会話するチャンスさえ生まれません。「地域食堂」はそのような悩みを少しでも解決するお手伝いとして開設しました。
「集う・食べる・語る」をテーマに崩壊した地域社会の再構築への社会実験でした。
お店の名前をカタカナで表示しようかと地域の方に提案しましたが 、ボランティアスタッフの皆さんに「横文字は理解して友達に紹介できないから、日本語にしてほしい」と言われ、その場で「地域食堂」に決まりました。参加する皆さんが自信をもって地域の皆さんに紹介できる名前が一番だと思います。
営業は、毎週月曜日の11時から13時まで開店し、メニューは一品として注文を簡素化することで、誰にでもお手伝いできる仕組みにし、白飯は避けて混ぜご飯等にして、個食では造りにくいメニューにしています。固定スタッフは理事で地域食堂のマネージャーである、田村悦子・シェフの下山洋子・山森・川崎の4人。ボランティアスタッフは地域の高齢者の人17人が4回のローテーションで毎月1回を無理しない範囲でお手伝いしています。開店当初から新聞やテレビで数回取り上げられているので、参加する皆さんは自分が社会の一員として役立っている自負心も芽生え、参加する喜びを感じているようです。
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