1.オーマイニュースの記事
同紙はインターネットでハングルと英語版が出ている。近く日本語版も出るそうだ。とはいえ、既に、日本のインターネット新聞「JANJAN」のリンク集で日本語訳を読むことができるので、最近の紙面から日本に絡んだ記事を幾つか拾ってみた。
@「小泉純一郎首相の謝罪は本物?」(4月22日)
A「僕は靖国参拝したとは言ってないですよ!」(4月25日)
B「植民地支配は謝罪、教科書づくりは拒否」(5月6日)
@は、小泉首相が日本帝国主義の侵略について謝罪と反省を口にしたが、それは心からの謝罪ではなく、国際世論を沈静させ、国連安保理常任理事国入りを果たすための方便だ、という内容。記事では、小泉首相の発言に信頼性が置けないのは靖国神社参拝と歴史を歪曲した教科書問題が影響していると明確に指摘している。同紙が韓国側の反応として取り上げている民族問題研究所事務局長のコメントには考えさせられる。同事務局長は、日本の首相の国内での行動と国外での発言が異なることが多い、と指摘したうえ、「日本の右傾化は昨日今日のことではない。もはや東北アジアが連帯して日本の右傾化に積極的に対応する必要がある」と強調している。
日本の右傾化についてはフランスのルモンド紙も何度か指摘しているので、アジアの新聞の専売特許ではなさそうだ。さらにルモンド紙は右にハンドルを切り続ける小泉氏が「その理由について何も語らない」ことが不思議だとも書いていた。一言で言えば、国内問題として小泉首相の靖国参拝問題を取り上げない日本の世論やマスコミ報道をフランス人は理解できない、ということなのだが…。
Bは、訪韓中の武部自民党幹事長と冬柴公明党幹事長が、韓国側から提案のあった韓中日共同歴史教科書づくりを拒否した、という内容。記事によると、韓国側の与野党代表が日本の歴史教科書の歪曲問題を取り上げ、「ドイツとフランスが共通の歴史教科書を書いたように、日本も信頼回復のために努力すべきだ」「韓国と日本の信頼を高め、国民の間の不安を解消すべきだ」と提案した。これに対し、武部幹事長は「同感だが、現実的には日中韓共同教科書づくりは難しい」「日本の文部省が教科書に対する検証基準に基づいて審議会などで専門家の意見を聞いているが、政府が教科書編集者に修正を命令する立場にない」と答えた、とある。 |