3.
ワークショップの実施
「公園を住民で考えよう」と呼びかけ集まった地域住民は50名余りとなった。全員で討議を行い、人数を少し絞って考えていくことで了解を得た。参加者は自治会を中心に住民達で検討した結果、自治会、婦人会、老人会、子供会、街づくり協議会、消防団それに一般参加者などを加えて合計24名が決定し、『公園を考える会』が発足した。そして、筆者がコーディネーターを務めることになった。
『ワークショップ』とはいったい何 ? と言う言葉の意味の説明から始まった会である。
「行政が持ってきた2、3案の中から1つの公園案を選ぶだけかと思っていたら、最初から公園を考えると聞いて、今までそんな経験ないからびっくりした。でも面白そうやな」
参加した老人の言葉である。
始めはいやいや参加していた人々も、近隣の公園を見学したあたりから、がぜんやる気が出てきた。公園に設置してほしいものが明確になってきたのである。
「小高い丘の上にある東屋から夕日を眺められたらいいなあ」
「見学した公園でおばあさんが歩行訓練していたけど、少しクッションのある歩道があれば、足に優しくて、リハビリにもいいかもしれないね。私達も年をとるのだから」
「小さな子供が喜ぶちょっとした遊具があればいいなあ」
「足つぼを刺激するような小石を敷き詰めた遊歩道も健康にいいかも」
いたるところから つぶやき が聞こえてきた。住民達の目に光が灯り始めた。
毎日の通勤や買い物で通る道に公園があると興味をもってついつい見てしまうという。
そういえばグラウンドゴルフはいったい何処にいってしまったのであろう。老人会の人達も含まれていたのだが、不思議なことに公園ワークショップにおいて最後までこの意見はまったく出なかった。 |