コメント ディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアーン」もアカデミー賞も米国のものである。なので、米国の企業の考えや市場に左右されるのは仕方がない。しかし、一方では米国の映画界は世界が注目しており、多くの国で上映されるので、世界中の人が米国映画の描き方や、賞のあり方の裏に潜む思考に一喜一憂する。アカデミー賞にノミネートされるまたは賞を獲得するということは、世界で成功する、または世界に自分たちの抱えている課題を訴えるのに有効なのだ。
カニバリズムという言葉は知っていたが、その言葉の由来は知らなかった。征服者は往々にして抵抗している人々に対して汚いレッテルを貼り、自分たちの行為を正当化するのだ。そのことは知っていても、カニバリズムがスペインの南北アフリカ大陸征服に関わることから生まれた言葉だとはしらなかった。そして、それに対して自らの先祖の汚名を濯ごうと活動をしている人々がいることも。
2 つの記事は、アカデミー賞が世界的に影響のあるものであるということ、だからこそ自分の扱いの不当な部分に対して抗議したいという思いを抱えたり、ノミネートされたことで世界的な成功に結びつく可能性が大きくなることを現している。「モーターサイクル・ダイアリーズ」は既に日本では公開されていて、ロングランになった映画である。私も映画館で観て、チェ・ゲバラが思想ではなく、人を見たことから革命家になっていくさまに感動した。「Yesterday」は未見であるが、アカデミー賞にノミネートされたことで日本でも公開の可能性が高くなったのではないだろうか。
映画を観ることで、私たちが知らない南の国の人々の苦悩を知り、共有することで、新しい動きのきっかけになるのかもしれない。
また、映画を楽しむ際、米国資本の制作する大作映画でも、第 3 世界の人々が制作する作品でも、見る側の力、リテラシーが重要になってくるかもしれない。 |